今月の特集 上手に使おう! 成年後見制度
第1回 成年後見制度ってなんだろう
意思・判断能力が不十分な高齢者、知的障がい者、精神障がい者などの方は、財産や権利を自らの力だけで守ることが難しい場合があります。そのような人たちに対して、金銭管理や契約の補助・代理等をする制度が成年後見制度です。
お年寄りや障がいのある方が、安心して生活するためのとても大切な制度でありながら、諸外国に比べても、日本での制度利用率は非常に低く、人口比では0.08%に過ぎません。そこで、今回の特集では、特に家庭で介護している方が利用することを想定して、成年後見制度の説明と利用の仕方をメリット・デメリットなども含めて紹介します。
お年寄りや障がいのある方が、安心して生活するためのとても大切な制度でありながら、諸外国に比べても、日本での制度利用率は非常に低く、人口比では0.08%に過ぎません。そこで、今回の特集では、特に家庭で介護している方が利用することを想定して、成年後見制度の説明と利用の仕方をメリット・デメリットなども含めて紹介します。
どこに相談に行くの?
まずは、市役所(福祉課や高齢課)、社会福祉協議会、地域包括支援センターなど、地域の福祉の窓口に相談に行きます。担当者は、相談者の現状や本人の状態を聞き、制度の概要、費用、手続きの流れ、準備する申請書類などについて説明します。
十分に話し合ったうえで相談者が制度を利用したいと思ったなら、具体的な手続きにはいります。なお、相談は数時間に及ぶこともあるので、電話などで予約してから行くことをおすすめします。
十分に話し合ったうえで相談者が制度を利用したいと思ったなら、具体的な手続きにはいります。なお、相談は数時間に及ぶこともあるので、電話などで予約してから行くことをおすすめします。
どんな時に利用するの?
たとえば、預貯金や不動産の管理を自分で行うことが難しくなったので他の人に任せたい場合、親が認知症になったので子どもが契約等の補助をしたいと思った場合など、本来、本人しか行えない財産管理や契約等を他の人が行いたい(補助したい)と思った際に利用します。
一般に、成年後見制度といえば、「判断能力の低下した人が、不必要なの契約(訪問販売など)をしてしまうのを防ぐため」といった例を想定する人が多いと思いますが、相談窓口を訪れるきっかけは、銀行ですすめられたからという理由がもっとも多いそうです。具体的には、同居家族が本人のキャッシュカードを使って、入院費をおろしていたところ、普通預金が底をついてしまった。そこで、定期預金を解約しようとしたが、定期の解約は本人または後見人でないとできないと銀行に言われ、制度の利用をすすめられたという例が多いそうです。
一般に、成年後見制度といえば、「判断能力の低下した人が、不必要なの契約(訪問販売など)をしてしまうのを防ぐため」といった例を想定する人が多いと思いますが、相談窓口を訪れるきっかけは、銀行ですすめられたからという理由がもっとも多いそうです。具体的には、同居家族が本人のキャッシュカードを使って、入院費をおろしていたところ、普通預金が底をついてしまった。そこで、定期預金を解約しようとしたが、定期の解約は本人または後見人でないとできないと銀行に言われ、制度の利用をすすめられたという例が多いそうです。
誰が補助や代理をしてくれるの?
「援助者」が行います。
援助者には、本人の判断能力に応じて、補助人、保佐人、成年後見人の3種類があります。誰が、どの種類の援助者になるかは、家庭裁判所に申立し、審判を経て選ばれます。なお、成年後見制度の申立をする人と、援助者は一致しなくてもいいことになっています。
その他に、自分であらかじめ決めておくことができる任意後見人がありますが、これは次回に説明します。
援助者には、本人の判断能力に応じて、補助人、保佐人、成年後見人の3種類があります。誰が、どの種類の援助者になるかは、家庭裁判所に申立し、審判を経て選ばれます。なお、成年後見制度の申立をする人と、援助者は一致しなくてもいいことになっています。
その他に、自分であらかじめ決めておくことができる任意後見人がありますが、これは次回に説明します。
援助者は何ができるの? 何をするの?
Aさんを判断能力が不十分な方、BさんをAさんの援助者(成年後見人)とします。
BさんはAさんに代わって、(Aさんのものである)不動産や車の売買、金銭の貸し借り、銀行口座の管理、自宅の増改築の契約、施設入所の手続き等、重要な財産管理や契約行為を本人に代わって行うことができます。
このように、成年後見人になったBさんは、Aさんの重要な行為を代わって行うことができるため、Bさんが後見人としてふさわしい人物かを慎重に見極めないといけません。そのため、後見人は家庭裁判所で審判された人物が選ばれます。
そして、後見人はその事務(行ったこと)について年に1回、財産目録や収支状況報告書などを家庭裁判所に報告して、家庭裁判所の監督を受けることになります。
なお、後見人は本人の生活・医療・介護・福祉など、本人の身の回りの事柄にも目を配りながら、本人を保護、支援します。しかし、その職務は本人の財産管理や契約などの法律行為に関するものに限られているため、食事の世話などの実際の介護は職務ではありません。
BさんはAさんに代わって、(Aさんのものである)不動産や車の売買、金銭の貸し借り、銀行口座の管理、自宅の増改築の契約、施設入所の手続き等、重要な財産管理や契約行為を本人に代わって行うことができます。
このように、成年後見人になったBさんは、Aさんの重要な行為を代わって行うことができるため、Bさんが後見人としてふさわしい人物かを慎重に見極めないといけません。そのため、後見人は家庭裁判所で審判された人物が選ばれます。
そして、後見人はその事務(行ったこと)について年に1回、財産目録や収支状況報告書などを家庭裁判所に報告して、家庭裁判所の監督を受けることになります。
なお、後見人は本人の生活・医療・介護・福祉など、本人の身の回りの事柄にも目を配りながら、本人を保護、支援します。しかし、その職務は本人の財産管理や契約などの法律行為に関するものに限られているため、食事の世話などの実際の介護は職務ではありません。
援助者には誰がなれるの?
親族(親・配偶者・子ども・兄弟など)、専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士など)、研修を受けた一般市民などが選任されます。人数も複数の後見人をつけることもできます。なお7割以上が親族、3割が専門職が選任されています。
選任は家庭裁判所が決定するため、必ずしも希望者に決まるとは限りません。これは、たとえば虐待を行っている養護者が財産を奪う目的で申請することもあるため、家庭裁判所で選任をするのです。
選任は家庭裁判所が決定するため、必ずしも希望者に決まるとは限りません。これは、たとえば虐待を行っている養護者が財産を奪う目的で申請することもあるため、家庭裁判所で選任をするのです。
援助者に報酬を払うの?
弁護士や司法書士など、第3者が後見人になった場合は報酬を払います。なお、報酬の額は本人の財産や行った事務の内容を鑑みて、家庭裁判所が決定します。一般的には年間20万から30万円程度と言われています。
次回は成年後見制度の類型をご紹介します。
次回は成年後見制度の類型をご紹介します。
第2回 成年後見制度の類型
お話をうかがった方
町田市役所地域福祉部福祉総務課
社会福祉士
【参考図書】
町田市社会福祉協議会「福祉サポートまちだ」