今月の特集
「長寿医療制度」ってなに?
第1回 新しい制度ができた理由
今月の特集では、この新しい制度ができた理由などを整理していきます。
医療保険制度について
病気やけがをしたときは、病院や診療所に行き、診療、薬、注射、処置、手術などの治療を受けたり、入院したりします。この時、支えになるのが医療保険制度です。
日本では、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入することになっていますが(国民皆保険)、保険証を提示すると、医療費の給付が受けられ、負担が少なくなります。多くの会社員の場合は、医療費の自己負担が3割となります。
保険料は、加入している医療保険制度により異なりますが、所得などを基準に額が決まります。その保険料や公費負担などを財源として医療費が給付されます。もちろん、日頃から保険料を負担していることでいざというときに医療保険を使うことができます。
公的医療保険には次の4種類があります。
(1)健康保険:会社員やOLなど
(2)国民健康保険:自営業者や学生など
(3)共済組合:公務員や学校の先生など
(4)船員保険:船舶の乗務員
さらに、2008年4月からは、これまでの老人保健制度が改正され、新たに75歳以上の方を対象とした「後期高齢者医療制度」がつくられました。後期高齢者医療制度も公的医療保険の1つです。
日本では、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入することになっていますが(国民皆保険)、保険証を提示すると、医療費の給付が受けられ、負担が少なくなります。多くの会社員の場合は、医療費の自己負担が3割となります。
保険料は、加入している医療保険制度により異なりますが、所得などを基準に額が決まります。その保険料や公費負担などを財源として医療費が給付されます。もちろん、日頃から保険料を負担していることでいざというときに医療保険を使うことができます。
公的医療保険には次の4種類があります。
(1)健康保険:会社員やOLなど
(2)国民健康保険:自営業者や学生など
(3)共済組合:公務員や学校の先生など
(4)船員保険:船舶の乗務員
さらに、2008年4月からは、これまでの老人保健制度が改正され、新たに75歳以上の方を対象とした「後期高齢者医療制度」がつくられました。後期高齢者医療制度も公的医療保険の1つです。
新しい制度の背景
制度のしくみの問題
以前の「老人保健制度」は高齢者に対する医療を安定的に行うことを目的としたもので、他の医療保険に加入していることが前提でした。市区町村が主体となって、75歳以上の高齢者と65歳以上の障害者を対象とした医療事業と、40歳以上の方を対象とした保健事業が行われていました。
この制度のしくみでは、財源のうち高齢者自身が医療費をどの程度負担しているのか、財政運営の責任はどこにあるのか、という点がわかりにくいと言われていました。 そこで、新たに75歳以上の方を対象として、独立した医療保険制度を創設することになりました。
この制度のしくみでは、財源のうち高齢者自身が医療費をどの程度負担しているのか、財政運営の責任はどこにあるのか、という点がわかりにくいと言われていました。 そこで、新たに75歳以上の方を対象として、独立した医療保険制度を創設することになりました。
医療費を抑えようという流れ
新しい制度の背景には、医療費の問題もあります。
日本では高齢化が進んでおり、現在10人に1人が後期高齢者であり、2015年には4人に1人が高齢者になると予測されています。また、高齢化が進むにつれて、医療費の増大も予測されています。2005年度の医療費は約33兆円でしたが、うち高齢者は約10兆円を占めました。行政としては、将来も安定した医療を受けられるようにするために、財源を確保し、無駄を省くことが求められていました。
そのため、医療費のかかる長期入院などを減らし、基本的には自宅で生活できるよう、医療や介護を自宅でうけられるしくみが整えられてきました。
また、関連する流れとしては、最近、生活習慣病予防、介護予防、メタボリックシンドローム対策などが進められています。これは、病気にかからず、健康であれば生き生きした生活を続けることができ、結果として医療費の増大も抑えることができる、という考えかたによるものです。
次回は、後期高齢者医療制度の内容についてまとめていきます。
日本では高齢化が進んでおり、現在10人に1人が後期高齢者であり、2015年には4人に1人が高齢者になると予測されています。また、高齢化が進むにつれて、医療費の増大も予測されています。2005年度の医療費は約33兆円でしたが、うち高齢者は約10兆円を占めました。行政としては、将来も安定した医療を受けられるようにするために、財源を確保し、無駄を省くことが求められていました。
そのため、医療費のかかる長期入院などを減らし、基本的には自宅で生活できるよう、医療や介護を自宅でうけられるしくみが整えられてきました。
また、関連する流れとしては、最近、生活習慣病予防、介護予防、メタボリックシンドローム対策などが進められています。これは、病気にかからず、健康であれば生き生きした生活を続けることができ、結果として医療費の増大も抑えることができる、という考えかたによるものです。
次回は、後期高齢者医療制度の内容についてまとめていきます。
第2回 新しい制度の中身