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今月の特集
訪問理美容サービスを活用しよう！

第１回　訪問理美容サービスってどんなもの？

訪問理美容サービスで使われる道具

　要介護状態になったため、美容院に行くことが難しくなった……。
　でも、髪は当たり前のように伸びてくるので、何もしないわけにはいかない。
　かといって、家族はうまくカットができない……。
　そんな時に活用したいのが訪問理美容サービス。その名の通り、理美容師さんが自宅まで訪問し、カットなどを行ってくれるサービスです。
　社会生活を営む上で、ヘアスタイルをはじめとした身だしなみ等を整えることはとても大切です。たとえ要介護状態となっても、きれいにセットされた髪型は、本人にとって生きる喜びにもつながります。
　今月の特集では、山野美容芸術短期大学の講師で、自ら訪問理美容サービスを展開している佐野美恵子さんにご協力いただき、この訪問理美容サービスについてご紹介します。

訪問理美容とは？

　訪問理美容とは、寝たきりなど在宅で介護が必要な状態となった高齢者や障害者、または病院や施設等に入所している方など、理美容室を利用するのが困難な方を対象に、理美容師が訪問してカット等の施術を行うサービスです。
　多くの人が「いつまでも美しく生きていきたい」という願いをもっていると思いますが、こうしたニーズを実現するために行われているものです。

訪問理美容の流れ

対象者

　「利用したい」と思ったからといって、誰もが利用できるわけではありません。利用できる条件としては次のものが挙げられます。

・介護が必要な方（要介護認定を受けている方）
・障害のある方（支援費制度を利用している方）
・社会福祉施設等に入所している方
・入院中の方
など

※健康な方を出張して理美容師がカットすることは、美容師法７条、理容師法６条の２で禁止されています。

どこに申し込むの？

　訪問理美容サービスを利用するには、いくつかのルートがあります。お住まいの地域によっても条件が変わってきますが、ここでは代表的なものをご紹介します。

（１）地域の美容室、理容室に直接問い合わせる
　ご自宅の近くにある理美容室、あるいはこれまで通っていた理美容室などに問い合わせます。訪問サービスを行っている理美容室であれば、それを利用できます。
（２）サービスを実施しているＮＰＯ法人等に問い合わせる
　全国には訪問理美容のサービスを行っているＮＰＯ団体も数多く存在します。お住まいの地域にこうしたＮＰＯ等があれば、サービスを利用することができます。
（３）介護サービス事業所に問い合わせる
　現在、ホームヘルプサービスやデイサービスなどを利用している場合、その事業所に相談してみるのも１つの方法です。訪問サービスを行っている理美容室と提携している事業所もありますので、そうした理美容室を紹介してもらえるでしょう。
（４）役所の福祉課に問い合わせる
　訪問理美容は介護保険外のサービスですが、市区町村によっては、これにかかる費用の助成を行っているところがあります。その場合、サービスを利用できる理美容室を紹介してくれますので、いちど福祉課に相談してみるとよいでしょう。

サービス内容

　基本的には、通常の理美容室を利用する場合のサービス（カット、パーマ、カラーリング、シャンプー等）が、そのまま自宅でも受けられると考えてよいでしょう。
　体調なども考慮しながら、ご本人の希望が実現できるよう、理美容師とご家族等が協力し合いながら施術を行うことになります。

料金

　料金設定は各理美容室、サービス提供者の裁量に任されています。サービス提供者、さらには同じサービス提供者の中でも技術者によって料金が異なる場合がありますので、申込みの際に料金を確認しておくとよいでしょう。
　なお、佐野さんが訪問美容サービスを行っている「ビューティケア・ステーション」では、基本料金として、
・カット……3,000円
・パーマ（カット込み）……6,800円
・パーマのみ……5,000円
などのように設定されています。

第２回　もっと知りたい！訪問理美容のこと