今月の特集 ヘルパーさんをもっと知ろう!
第3回 知って得する! ヘルパーさんのワザ
第3回は、家庭で介護する人に役立つヘルパーのワザについて、引き続き片山さんにうかがいます。
さて、おとしよりの介護は、長期にわたることが多いのも事実です。長年むりな介護を続けるとご家族のほうも疲労が溜まり、共倒れになってしまいます。今回はベテランヘルパーが身につけている介護のワザを3つ紹介します。ぜひご活用ください。
ワザその1:ボディメカニクスを理解する
ヘルパーは、介護の基本として、「ボディメカニクス」のワザを応用し、最小の労力で最大の効果を上げています。
介護する側がケアを楽にできるということは、介護される側にとっても安心で安楽なケアを受けることになります。
介護する側がケアを楽にできるということは、介護される側にとっても安心で安楽なケアを受けることになります。
ボディメカニクスの7つのポイント
ボディメカニクスとは「良い姿勢が保たれ、体のあらゆる器官の調和がとれている状態」をいいます。ボディメカニクスを生かした介護技術を7つのポイントにまとめてみました。
(1)基底面積を広く保つ:介護者の身体を安定させる為、軽く片足出して前後左右に15〜20cmくらいの歩幅を取って立ち、床面の面積を広く取ります。
(2)両手・両足に均等に体重をかける:力が分散して安定した力が利用者にかかるので無理な力がかかりません。
(3)膝を曲げて重心(腰の位置)を低くする:重いものを持ったり支える時はこの姿勢を保つと腰痛・肩痛等の予防になります。
(4)持ち上げる動作の前に、まず水平に引く:重いものを移動させる時の大切なコツです。
(5)対象(利用者)をできるだけ自分(介護者)の位置に近づける:利用者と介護者の間に隙間をつくらないで動作します。
(6)てこの原理を利用する:支点(関節)、力点(筋肉の収縮・伸展)、作用点(利用者の重心)の関連をうまく使うと、動作の幅が広がり速度も速くなります。
(7)介護者は、あごを引いて動作する:常にあごを引いてケアすると首と胸の骨が過度に湾曲するのを妨げ、背骨への負担が少なくなります。
ボディメカニクスとは「良い姿勢が保たれ、体のあらゆる器官の調和がとれている状態」をいいます。ボディメカニクスを生かした介護技術を7つのポイントにまとめてみました。
(1)基底面積を広く保つ:介護者の身体を安定させる為、軽く片足出して前後左右に15〜20cmくらいの歩幅を取って立ち、床面の面積を広く取ります。
(2)両手・両足に均等に体重をかける:力が分散して安定した力が利用者にかかるので無理な力がかかりません。
(3)膝を曲げて重心(腰の位置)を低くする:重いものを持ったり支える時はこの姿勢を保つと腰痛・肩痛等の予防になります。
(4)持ち上げる動作の前に、まず水平に引く:重いものを移動させる時の大切なコツです。
(5)対象(利用者)をできるだけ自分(介護者)の位置に近づける:利用者と介護者の間に隙間をつくらないで動作します。
(6)てこの原理を利用する:支点(関節)、力点(筋肉の収縮・伸展)、作用点(利用者の重心)の関連をうまく使うと、動作の幅が広がり速度も速くなります。
(7)介護者は、あごを引いて動作する:常にあごを引いてケアすると首と胸の骨が過度に湾曲するのを妨げ、背骨への負担が少なくなります。
ボディメカニクスを理解したうえで介護動作(ベッドから車いすへの移乗・体位変換など)を行うと、腰痛・肩痛・背痛などの予防になります。
ぜひみなさんも、ボディメカニクスを意識し応用してみてください。
ぜひみなさんも、ボディメカニクスを意識し応用してみてください。
ワザその2:「歳をとる」とはどういうことかを理解する
お元気そうに見える人でも、本人も周囲も気づかないうちに、心身の老化はだれにでも訪れます。ヘルパーのワザその2は、介護する人は、「歳をとる」とはどういうことかを常に頭に入れておきたいということです。
からだの老化現象
身体的にはさまざまな老化現象があります。たとえば骨はもろくなり、筋肉は収縮し、視力・聴力・反射神経の低下、消化・吸収力の低下で下痢や便秘を起こしやすくなります。
また、膀胱括約筋の筋力低下でお漏らしが増えます。さらには免疫力の低下により、風邪や肺炎、膀胱炎などの感染症にかかりやすくなり、容易に悪化もしやすくなります。
また、膀胱括約筋の筋力低下でお漏らしが増えます。さらには免疫力の低下により、風邪や肺炎、膀胱炎などの感染症にかかりやすくなり、容易に悪化もしやすくなります。
こころの老化現象
知覚・感覚・記憶力が低下し、情動・感情・関心度も乏しくなります。
心身ともに老いるということは、今までできたことが一つずつできなくなり、さらに物忘れなどを自覚するようになると、不安感も大きくなります。
入院や転居など環境の変化で、一時的に認知のような症状が出ることがあります。
また、便秘が原因で「夜間せん妄」(パニック状態になること)が起きたり、さらに風邪で微熱が続いても軽度の認知症のような症状が起こります。
一つ、事例を紹介しましょう。
庭に咲く花の手入れが日課だったAさん(89歳)。この1週間ほど庭に出なくなってしまいました。食欲もなく、話す言葉もちぐはぐになり、ベッドで眠る時間が増えました。熱を測ると微熱程度です。いよいよ認知症が始まったと家族は思ったそうです。
しかし平熱が低いAさんは、37度前後であっても微熱ではないので受診をすすめました。すると肺炎が起こっていました。即入院治療を受け、10日後には退院されました。そしてもとどおりの生活が再開されました。
こうした「歳をとる」とはどういうことかを理解すれば、介護の場面で、「もっと早く」という焦燥感や、「どうしてできないの」という責める気持ちをもたずに済みます。
さらに大切なのは、家族や介護者が老化現象を理解しておくと心身の変化に気づき、さまざまな病気の早期発見にもつながります。
心身ともに老いるということは、今までできたことが一つずつできなくなり、さらに物忘れなどを自覚するようになると、不安感も大きくなります。
入院や転居など環境の変化で、一時的に認知のような症状が出ることがあります。
また、便秘が原因で「夜間せん妄」(パニック状態になること)が起きたり、さらに風邪で微熱が続いても軽度の認知症のような症状が起こります。
一つ、事例を紹介しましょう。
庭に咲く花の手入れが日課だったAさん(89歳)。この1週間ほど庭に出なくなってしまいました。食欲もなく、話す言葉もちぐはぐになり、ベッドで眠る時間が増えました。熱を測ると微熱程度です。いよいよ認知症が始まったと家族は思ったそうです。
しかし平熱が低いAさんは、37度前後であっても微熱ではないので受診をすすめました。すると肺炎が起こっていました。即入院治療を受け、10日後には退院されました。そしてもとどおりの生活が再開されました。
こうした「歳をとる」とはどういうことかを理解すれば、介護の場面で、「もっと早く」という焦燥感や、「どうしてできないの」という責める気持ちをもたずに済みます。
さらに大切なのは、家族や介護者が老化現象を理解しておくと心身の変化に気づき、さまざまな病気の早期発見にもつながります。
歳をとることの豊かさ
一方で、忘れてならないのは、歳をとるにつれ豊かになる「人間性」の存在です。人間に厚みが増す、といってもいいでしょう。
「さすが人生の先輩」「味がある」「長年の経験と知恵」という気持ちを大切にしたいものです。
「さすが人生の先輩」「味がある」「長年の経験と知恵」という気持ちを大切にしたいものです。
ワザその3:日常生活のリズムを知っておく
おとしよりと介護者が話し合って、一日の日課表をつくることをおすすめします。
おとしよりの食事・睡眠・入浴・着替え・食事・ヘルパーの訪問日など、おおざっぱなものでも決めておくと、介護するほうも予定が立てやすく、一日のペースを乱されずに済みます。
以下に、日常生活のリズムを知るために、押さえておくべき基本的な事項をあげてみました。
おとしよりの食事・睡眠・入浴・着替え・食事・ヘルパーの訪問日など、おおざっぱなものでも決めておくと、介護するほうも予定が立てやすく、一日のペースを乱されずに済みます。
以下に、日常生活のリズムを知るために、押さえておくべき基本的な事項をあげてみました。
健康に関する基礎データ
★今の病気とおもな症状、★過去の病気、★今受けている治療、★服薬中の薬(薬が変わったときは薬剤名、年月日を記入する)、★平常な血圧値、★平熱 など
日常生活のリズム
★平均的な一日の過ごし方、★食事はひとりで食べることができるか、どの程度介助が必要か、★トイレはひとりで行くことができるか、どの程度介助が必要か、★一日の排尿回数と排泄回数(夜間の排尿はどの程度あるか)、★入浴、洗面・歯磨き、衣類の着脱は介護が必要か、★平均睡眠時間、すぐ眠れるか、よく眠れるか、お昼寝はするか、★自力で歩くことができるか など
次回は、ヘルパーのやりがいについて、葉っぱのフレディ・ヘルパーセンター代表の片山蘭子さんにひきつづきうかがいます。
次回は、ヘルパーのやりがいについて、葉っぱのフレディ・ヘルパーセンター代表の片山蘭子さんにひきつづきうかがいます。
最終回 ヘルパーさんの気持ち
- 葉っぱのフレディ・ヘルパーセンターをもっと知りたい人のために
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