今月の特集 はじめての福祉用具
第2回 福祉用具を選ぶとき
前回は、福祉用具とは何か? 福祉用具にはどんなものがあるのか? などについてご紹介しました。
今回は、実際に選ぶ前に必要なポイントを整理していきます。
どう選べばいいの?
福祉用具が欲しい、と思うきっかけは人それぞれです。例えば、次のような理由で考えられる方が多いようです。
・お医者さんに「杖を持ってはどうですか?」などと薦められて
・入院患者さんのご家族が、退院指導のときに「介護用ベッドを用意した方がいい」と説明されて
・いずれ近い将来に「必要になるんじゃないか」と思って
・家を改修するついでに、老後も暮らしやすいようにしておこうと思って
・ユニバーサルデザインに興味があって
中には、カタログでよく調べたうえで実物を見に行く人もいれば、取りあえず福祉用具の展示場に行ってみる方、実物を見ずにインターネットなどの通販で買う方、などいろいろいらっしゃいます。
しかし、福祉用具選びは、まず専門家に相談することをお薦めします。
・お医者さんに「杖を持ってはどうですか?」などと薦められて
・入院患者さんのご家族が、退院指導のときに「介護用ベッドを用意した方がいい」と説明されて
・いずれ近い将来に「必要になるんじゃないか」と思って
・家を改修するついでに、老後も暮らしやすいようにしておこうと思って
・ユニバーサルデザインに興味があって
中には、カタログでよく調べたうえで実物を見に行く人もいれば、取りあえず福祉用具の展示場に行ってみる方、実物を見ずにインターネットなどの通販で買う方、などいろいろいらっしゃいます。
しかし、福祉用具選びは、まず専門家に相談することをお薦めします。
鉄則1「できるだけ本人が見に行く」
どんな福祉用具が適切かを見極めるためには、普段の生活でできないこと、困っていることをご本人に語って頂くことがベストです。
現実には、からだが不自由なご本人が福祉用具選びに出向くことは、労力も時間もかかり、大変な場合があります。実際、福祉用具は本人が選ぶ場合よりもご家族が選ぶ場合が多いようです。あと、要介護の認定がなされていれば、ケアマネジャーさんが利用者さんの代わりに選ぶことも多いと思われます。
しかし、移動のための福祉用具選びでこんなケースがあったそうです。
こういったことは決して少なくないようです。介護をする方も「私たちがしっかり見れば大丈夫」だと思いこまず、特に肌に触れるものや毎日使うものは、できればしっかり選んでから購入することをお薦めします。靴選びの場合と一緒ですね。
現実には、からだが不自由なご本人が福祉用具選びに出向くことは、労力も時間もかかり、大変な場合があります。実際、福祉用具は本人が選ぶ場合よりもご家族が選ぶ場合が多いようです。あと、要介護の認定がなされていれば、ケアマネジャーさんが利用者さんの代わりに選ぶことも多いと思われます。
しかし、移動のための福祉用具選びでこんなケースがあったそうです。
足腰が弱くなってきた母親のために、離れて暮らす子どもたちがシルバーカー(手押し車)をプレゼントすることに決めた。シルバーカーならサイズ調整もさほど要らず、母親でもすぐに使えるだろうと思い、最新式で、デザインもよいお洒落な一台をインターネットの画面上で選び、注文した。
ところが、実物が届き、使ってみたところ、母親は右手の握力が弱っていて、ブレーキが上手に握れなかった。踏み出した足が足元のバーに当たってしまい、使いづらい……。
ところが、実物が届き、使ってみたところ、母親は右手の握力が弱っていて、ブレーキが上手に握れなかった。踏み出した足が足元のバーに当たってしまい、使いづらい……。
こういったことは決して少なくないようです。介護をする方も「私たちがしっかり見れば大丈夫」だと思いこまず、特に肌に触れるものや毎日使うものは、できればしっかり選んでから購入することをお薦めします。靴選びの場合と一緒ですね。
鉄則2「他人が使いやすくても、自分も使いやすいとは限らない」
福祉用具に関しては、他のユーザーが「これはいいよ!」と薦めてくれるものであっても、自分も使いやすいとは限りません。
本人にとって使いやすく、役立つことが一番です。
例えば、自分に合ったいすの高さは人それぞれ違います。本人に立ちあがる力がどのくらいあるかによっても違います。ひじ掛けが付いているかどうかでも、立ちあがれたり、立ちあがれなかったりします。自宅のスペースにあわせて、収納できる機能も必要になるかも知れません。
そういうことを一つひとつ確認していくと、本人の能力が見えてきます。いろいろな種類を試してみることが大切です。
とはいえ、認知症の方の場合など、本人の意思表示ができない場合は難しいかも知れません。その場合は、利用者をよく知っている家族が、本人にとっての使い勝手を代わりに考えてみる必要があります。
本人にとって使いやすく、役立つことが一番です。
例えば、自分に合ったいすの高さは人それぞれ違います。本人に立ちあがる力がどのくらいあるかによっても違います。ひじ掛けが付いているかどうかでも、立ちあがれたり、立ちあがれなかったりします。自宅のスペースにあわせて、収納できる機能も必要になるかも知れません。
そういうことを一つひとつ確認していくと、本人の能力が見えてきます。いろいろな種類を試してみることが大切です。
とはいえ、認知症の方の場合など、本人の意思表示ができない場合は難しいかも知れません。その場合は、利用者をよく知っている家族が、本人にとっての使い勝手を代わりに考えてみる必要があります。
鉄則3「用具は最初の出会いが大事」
最初にいいものとちゃんと出会うこと、その時ちゃんと使い方を学ぶこと、が大切です。杖一本であっても、正しい突き方があります。正しい使い方をすると、正しい姿勢が取れます。
しかし、持ち手を逆に持っていたり、長さが自分に合っていなかったりすると、変なくせが付いてしまい正しい姿勢は取れません。特に高齢者は、間違って使い方を覚えてしまうと、なかなか正しく治すことは難しくなりがちです。なかには、杖を持っていても、使わずに持ち歩いているだけの人もいますよね。「転ばぬ先の杖」とはいいますが、「安心感」だけではもったいないですよ。
しかし、持ち手を逆に持っていたり、長さが自分に合っていなかったりすると、変なくせが付いてしまい正しい姿勢は取れません。特に高齢者は、間違って使い方を覚えてしまうと、なかなか正しく治すことは難しくなりがちです。なかには、杖を持っていても、使わずに持ち歩いているだけの人もいますよね。「転ばぬ先の杖」とはいいますが、「安心感」だけではもったいないですよ。
鉄則4「専門家に聞こう」
いま、福祉用具はさまざまな民間企業が製作しており、何万種類も市販されています。同じような機能でも、デザインの違い、大きさの違い、機能の違いなど、多種多様であり、メーカーの努力もあって、本当に特徴あるいいものが手に入る時代になりました。
反対に、その中から自分に合った一つを選ぶのはとても大変です。「かっこいいから」「多機能だから」という理由では、使いやすさの理由にはなりません。「練習すれば使える」「きっと慣れれば大丈夫だろう」と思っていても使ってみると難しい、ということが多いようです。
用具そのものの善し悪しの見極めも必要ですが、利用者のニーズに合っているかどうかを知ることが第一です。そのためには、選び方、合わせ方のプロである専門家に相談することが早道です。展示場や福祉用具の販売店などにいらっしゃるので、気軽に相談してみましょう。
福祉用具は自分一人で選ぼうとせず、まず相談してみることをお薦めします。
次回は、福祉用具の購入・レンタルに関する情報を紹介していきます。
反対に、その中から自分に合った一つを選ぶのはとても大変です。「かっこいいから」「多機能だから」という理由では、使いやすさの理由にはなりません。「練習すれば使える」「きっと慣れれば大丈夫だろう」と思っていても使ってみると難しい、ということが多いようです。
用具そのものの善し悪しの見極めも必要ですが、利用者のニーズに合っているかどうかを知ることが第一です。そのためには、選び方、合わせ方のプロである専門家に相談することが早道です。展示場や福祉用具の販売店などにいらっしゃるので、気軽に相談してみましょう。
福祉用具は自分一人で選ぼうとせず、まず相談してみることをお薦めします。
次回は、福祉用具の購入・レンタルに関する情報を紹介していきます。
第3回 福祉用具を手に入れる方法
【協力・情報提供】
世田谷区立総合福祉センター
福祉用具・住宅改造展示相談室「たすけっと」
相談員:秋田秀美さん
理学療法士:山田貞夫さん
★「たすけっと」は約880点の福祉用具を展示している東京都世田谷区の展示場です。福祉用具の見学・体験・相談のほか、イベントなども行っています。
詳しい情報を知りたい方は、http://www.tasuketto.net./まで。職員の皆さんによるブログもありますよ。
福祉用具・住宅改造展示相談室「たすけっと」
相談員:秋田秀美さん
理学療法士:山田貞夫さん
★「たすけっと」は約880点の福祉用具を展示している東京都世田谷区の展示場です。福祉用具の見学・体験・相談のほか、イベントなども行っています。
詳しい情報を知りたい方は、http://www.tasuketto.net./まで。職員の皆さんによるブログもありますよ。