今月の特集 脳卒中とケア
第2回 脳卒中の後遺症とリハビリテーション
脳卒中が怖い理由の一つは後遺症です。介護が必要な方の4人に1人はこの病気の後遺症と戦っています。第2回では、後遺症を中心にそのリハビリなどの情報を紹介します。
後遺症はさまざまです
例えば運動機能を担当している左脳の前頭葉で脳梗塞が起こり、ダメージを受けた場合には、右半身にマヒなどの運動機能障害が残ったりすることがあります。
後遺症のいろいろ
運動障害
運動障害は、脳卒中で最も多い後遺症の一つです。片方の手や足にマヒが起こることが多いです。マヒにはさまざまな程度があり、軽いしびれや震えが起きる場合もあれば、感覚がなくなってしまうほど重度な場合もあります。
例えば、マヒが口の周りや口の中で起こると、話すことが難しくなる構音障害が起きます。また、舌やのど、食道などにマヒが起こると、食べ物をうまく飲み込めなくなる嚥下障害が起きます。
例えば、マヒが口の周りや口の中で起こると、話すことが難しくなる構音障害が起きます。また、舌やのど、食道などにマヒが起こると、食べ物をうまく飲み込めなくなる嚥下障害が起きます。
失調症
感覚障害
脳卒中後に残る痛みやしびれ、手で物を触っても感覚がない、熱い物を触っても気づかない、などといった障害を指します。
言語障害
言語障害には、構音障害と失語症があります。
構音障害は、舌や口、あごなどの筋肉にマヒが起こったりして、ろれつが回らなくなったり、発音が困難になったりするものです。
失語症は、脳内の言葉をつかさどる部位が損傷を受けて起こります。物の名前が言えなかったり、相手の言葉が理解できなかったり、文字を理解できなかったりします。
構音障害は、舌や口、あごなどの筋肉にマヒが起こったりして、ろれつが回らなくなったり、発音が困難になったりするものです。
失語症は、脳内の言葉をつかさどる部位が損傷を受けて起こります。物の名前が言えなかったり、相手の言葉が理解できなかったり、文字を理解できなかったりします。
嚥下障害
口や舌、のどなどにマヒや感覚障害などが生じると、食べ物や飲み物を上手に飲み込めなくなります。この嚥下障害があると、食べ物などが気管に入りやすくなり、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を起こしやすくなります。
視野障害
視野障害には、視野の一部が全く見えなくなる視野欠損、視野が狭まる視野狭窄(しやきょうさく)、物が二重に見える複視などがあります。その他、視野の半分が見えず、自身は見えていないことに気づいていない半側空間無視というものもあります。
脳卒中とは違う原因ですが、緑内障や白内障、網膜剥離といった病気も高齢者に多いため、介護者も注意が必要です。
その他にも、痙縮(けいしゅく)、排尿障害、失行・失認、うつ病、廃用症候群なども脳卒中後になりやすい病気です。
脳卒中とは違う原因ですが、緑内障や白内障、網膜剥離といった病気も高齢者に多いため、介護者も注意が必要です。
その他にも、痙縮(けいしゅく)、排尿障害、失行・失認、うつ病、廃用症候群なども脳卒中後になりやすい病気です。
後遺症のリハビリテーション
まずは、本人に何ができて、何ができないのかを見極める必要があります。
リハビリテーションで大切なことは、失われた体の機能を取り戻すことだけではありません。残された機能を活用して、できるだけ元通りの生活、その人らしい生活ができるようにすることが大切な考え方です。
リハビリテーションは、発症したその日から行います。できるだけ早い段階から起き上がり、座ることをはじめ、立ち上がりや歩行の訓練を行います。
本人の身体機能面、日常生活活動面、心理面、生きがい面、社会的側面に対して、それぞれにリハビリテーションは展開されますが、それには、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士など多くの専門家のかかわりが不可欠です。もちろん家族の支えもリハビリテーションを進める上では大変重要です。
リハビリテーションで大切なことは、失われた体の機能を取り戻すことだけではありません。残された機能を活用して、できるだけ元通りの生活、その人らしい生活ができるようにすることが大切な考え方です。
リハビリテーションは、発症したその日から行います。できるだけ早い段階から起き上がり、座ることをはじめ、立ち上がりや歩行の訓練を行います。
本人の身体機能面、日常生活活動面、心理面、生きがい面、社会的側面に対して、それぞれにリハビリテーションは展開されますが、それには、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士など多くの専門家のかかわりが不可欠です。もちろん家族の支えもリハビリテーションを進める上では大変重要です。
最終回 脳卒中の予防
脳卒中についてもっと知りたい人のために
中央法規、2007年、¥3,360(税込)
本書は、脳卒中とはどのような病気か、検査や治療の内容、後遺症と専門職による援助・リハビリ、家庭での日常生活の送り方や介護の仕方、活用できる社会資源などについてわかりやすく網羅した、脳卒中の百科事典です。