今月の特集 認知症の方を支える場
第4回 通所介護施設 デイサービスセンター エンゼルヘルプ浅草[5階]
モットーは「自分でできることは自分で」
東京の下町、台東区浅草に建つ「デイサービスセンター エンゼルヘルプ浅草」は、株式会社大起エンゼルヘルプが2004年4月に開設したデイサービスです。大起エンゼルヘルプは、関東を中心に、さまざまな介護サービスを提供する大手の会社です。
さて、こちらのデイサービスには、いくつかの特徴があります。まず、1日のタイムスケジュールがありません。お昼ごはんのメニューも決まっていません。職員の方はできる限りお年寄りに手を出さないようにしています。「自分でできることは自分で」がモットーだそうです。
デイサービスは、都会らしくビルの5階と6階にあります。5階の定員は20名、6階は10名です。5階と6階の違いは、活動内容が異なることです。5階の主な活動は「外に出かけること」、6階は「お昼ご飯をつくること」です。なぜ、このように活動を分けたかというと、開設当初は、5階を認知症がない方、6階を認知症の方のデイサービスとして運営しようとしたからです。しかし、それは3か月でやめてしまいました。それもそのはず。認知症があっても外に出かけたい人はいるし、認知症がなくても屋内でお料理をつくりたい人はいます。認知症のあるなしで分けるのはおかしいですよね。今では、お年寄りの好みに合わせて、5階か6階を選んでもらっているそうです。
自然な動きの中で、リハビリを行う
では、まずは5階の1日を紹介しましょう。
朝9時15分に送迎バスの第1便が到着します。到着後はバイタルチェックをして、お風呂に入る人は順番に入ります。それ以外の人は、洗濯物をたたんだり、自分たちが飲むお茶の準備をしたりします。10時半に第2便が到着しました。今日の利用者は18人。そのうち、認知症の方が5人いるそうです。
午前中は、仲良しグループでおしゃべりしたり、新聞を読んだり……。みなさん、思い思いに時間を過ごしています。11時半に軽い体操をして、お昼ごはんの時間になりました。
お昼ごはんは、お弁当屋さん、パン屋さん、お寿司屋さんなどのメニューから、自分の食べたいものを選んで注文します。だから、自分はのり弁当だけど隣の人はカツサンドなんてこともあります。
お弁当が届きました。お年寄りの見えないところで、認知症の方が間違えて食べると危険なもの(たとえば、弁当箱に添えられるプラスティック製の仕切り・バランや醤油指しなど)を職員があらかじめ取り除いています。このような配慮はしますが、お弁当を配ることはしません。自分で注文したお弁当は自分で取りに来てもらいます。また、職員がお茶をさしあげることもありません。自分たちでいれるのです。「こういう自然な動きの中で、リハビリしてほしい」と管理者の高村英樹さんはいいます。手足に麻痺があり、取りに行けない人のお弁当は、隣の席の方が取りに行ってあげていました。とてもステキなことですね。
朝9時15分に送迎バスの第1便が到着します。到着後はバイタルチェックをして、お風呂に入る人は順番に入ります。それ以外の人は、洗濯物をたたんだり、自分たちが飲むお茶の準備をしたりします。10時半に第2便が到着しました。今日の利用者は18人。そのうち、認知症の方が5人いるそうです。
午前中は、仲良しグループでおしゃべりしたり、新聞を読んだり……。みなさん、思い思いに時間を過ごしています。11時半に軽い体操をして、お昼ごはんの時間になりました。
お昼ごはんは、お弁当屋さん、パン屋さん、お寿司屋さんなどのメニューから、自分の食べたいものを選んで注文します。だから、自分はのり弁当だけど隣の人はカツサンドなんてこともあります。
お弁当が届きました。お年寄りの見えないところで、認知症の方が間違えて食べると危険なもの(たとえば、弁当箱に添えられるプラスティック製の仕切り・バランや醤油指しなど)を職員があらかじめ取り除いています。このような配慮はしますが、お弁当を配ることはしません。自分で注文したお弁当は自分で取りに来てもらいます。また、職員がお茶をさしあげることもありません。自分たちでいれるのです。「こういう自然な動きの中で、リハビリしてほしい」と管理者の高村英樹さんはいいます。手足に麻痺があり、取りに行けない人のお弁当は、隣の席の方が取りに行ってあげていました。とてもステキなことですね。
その日の活動内容は、自分たちで決める
食事の途中で、午後の活動の提案がなされ、今が見ごろの菖蒲(しょうぶ)を見に行くことになりました。候補地がいくつか挙げられ、多数決で水元公園に行くことになりました。なお、今日は食後に出かけることになりましたが、お弁当を持って遠出したり、近くのレストランに食べに行くこともあるそうです。
食後はみんなで片づけをします。ここでも、モットーの「自分のことは自分で」がいかされていますね。
13時にデイサービスを出ることになりました。でも、2人の方は行きたくないと言います。こんなときは、無理に行ってもらうようなことはしません。センターに残って、ゆっくり過ごしてもらうそうです。
さあ、バスに乗って出発です。バスの中でもお隣の人とおしゃべりが絶えません。菖蒲を観に行くということで、話題はガーデニングについて。気分が盛り上がります。
約30分で目的地の公園に付きました。お天気もよく散策日よりです。満開の菖蒲を前に、みなさん思い思いに散策を楽しみます。
食後はみんなで片づけをします。ここでも、モットーの「自分のことは自分で」がいかされていますね。
13時にデイサービスを出ることになりました。でも、2人の方は行きたくないと言います。こんなときは、無理に行ってもらうようなことはしません。センターに残って、ゆっくり過ごしてもらうそうです。
さあ、バスに乗って出発です。バスの中でもお隣の人とおしゃべりが絶えません。菖蒲を観に行くということで、話題はガーデニングについて。気分が盛り上がります。
約30分で目的地の公園に付きました。お天気もよく散策日よりです。満開の菖蒲を前に、みなさん思い思いに散策を楽しみます。
15時頃センターに戻り、第1便の方が15時15分に帰宅しました。第2便の方は16時半に帰ります。それまで、ちょっとしたゲームをしたり、おしゃべりを楽しんでいらっしゃいました。
今日のデイサービスには、認知症の方、50代の方、耳がたいへん聞こえにくい方、お風呂に入るのが目的の方など、さまざまな方がいらっしゃいました。お一人おひとりの状態は違いますが、利用者みんながお互いを思いあって、できる人ができない人を助けながら楽しい時間を過ごしていらっしゃいました。利用者の神部栄子さんは「こちらのセンターにはとてもいい人が集っています。ここに来るのが楽しみなの」と話します。そう思える場所があるというのは、とてもいいことですね。
さて、次回は6階をご紹介します。
最終回 通所介護施設 デイサービスセンター エンゼルヘルプ浅草[6階]
今日のデイサービスには、認知症の方、50代の方、耳がたいへん聞こえにくい方、お風呂に入るのが目的の方など、さまざまな方がいらっしゃいました。お一人おひとりの状態は違いますが、利用者みんながお互いを思いあって、できる人ができない人を助けながら楽しい時間を過ごしていらっしゃいました。利用者の神部栄子さんは「こちらのセンターにはとてもいい人が集っています。ここに来るのが楽しみなの」と話します。そう思える場所があるというのは、とてもいいことですね。
さて、次回は6階をご紹介します。
最終回 通所介護施設 デイサービスセンター エンゼルヘルプ浅草[6階]
- デイサービスセンターエンゼルヘルプ浅草
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東京都台東区浅草7-5-4
電話03-5808-0755 ファクス03-5808-0757
http://www.enzeru.co.jp