今月の特集 認知症の方を支える場
第2回 認知症対応型通所介護 デイホーム風のさんぽ道
2006年度の介護保険の改正で、認知症対応型通所介護ができました。これは、在宅で介護が必要な認知症の方だけを対象にしたデイサービスです。
さて、今回はこの制度ができる3年も前から、認知症の方を対象にしたデイサービスを行っていた、「デイホーム風のさんぽ道」をご紹介します。
「デイホーム風のさんぽ道」は、2003年8月にソーシャルワーカー(社会福祉士)の永島徹さんが立ち上げた認知症専門のデイサービスです。
さて、今回はこの制度ができる3年も前から、認知症の方を対象にしたデイサービスを行っていた、「デイホーム風のさんぽ道」をご紹介します。
「デイホーム風のさんぽ道」は、2003年8月にソーシャルワーカー(社会福祉士)の永島徹さんが立ち上げた認知症専門のデイサービスです。
通うのが楽しくなる建物
風のさんぽ道での一日
さて、「デイホーム風のさんぽ道」の朝は普通のデイサービスよりちょっと早いです。朝7時頃から、お年寄りから「まだ迎えに来ないの?」という催促の電話がかかってきたり、ご家族の要望で早い時間にお年寄りが来る日もあり、毎朝8時半頃には3〜4名のお年寄りが集ってきます。そのうち何人かは送迎スタッフへ変身し、スタッフと共に他のお年寄りを迎えに行くそうです。本当は9時からスタートなのですが、永島さんはお年寄りやご家族の希望に柔軟に対応しています。
今日集まったお年寄りは7人、対してスタッフは5人。顔見知りのメンバーやスタッフばかりなので、皆さん友だちに会いに来たようで楽しそうです。また、部屋は家庭のリビングのようで、とてもリラックスできます。
今日集まったお年寄りは7人、対してスタッフは5人。顔見知りのメンバーやスタッフばかりなので、皆さん友だちに会いに来たようで楽しそうです。また、部屋は家庭のリビングのようで、とてもリラックスできます。
朝の活動は主に会話を中心にした活動です。あいさつに続き、新聞記事やチラシをネタに、おしゃべりを楽しみます。冗談を言い合い、笑い声が絶えません。その間に、お風呂に入る人は、順番に入浴します。
12時ごろから昼食です。ご飯はリビングに面したキッチンで、近所で居酒屋を営む女将さんが作ってくれます。できたての温かいご飯はとても美味しくてみんな完食です。
食後は1時半頃まで食休み。その後、歌や体操など、体を動かすレクリエーションを行いました。
そして、ティータイムを楽しんだ後、午後3時半。「今日はありがとう!」の言葉で、みんな自宅に帰っていきます。
12時ごろから昼食です。ご飯はリビングに面したキッチンで、近所で居酒屋を営む女将さんが作ってくれます。できたての温かいご飯はとても美味しくてみんな完食です。
食後は1時半頃まで食休み。その後、歌や体操など、体を動かすレクリエーションを行いました。
そして、ティータイムを楽しんだ後、午後3時半。「今日はありがとう!」の言葉で、みんな自宅に帰っていきます。
デイサービスで生活全体を支える
今日1日、お年寄りのペースに合わせて楽しく過ごしました。でも、そこには認知症の方に対する専門的な知識に基づいた、いろいろな工夫がなされていました。たとえば、ただ、まったり時間だけが流れていくと、お年寄りは「ここに何をしに来たんだっけ?」と不安になります。だからメリハリを出すために、スタッフが話題を提供したり、きっかけをつくります。でも、中身はお年寄りが自分たちでつくります。たとえば、歌を歌うときは歌詞カードは渡しますが、何を歌うかはお年寄りが決めるという具合です。
また、家に帰ってからの時間にも配慮しています。デイサービスの模様は、「日記帳」に詳細に記して、ご家族に渡したり、ケアマネジャーとの連絡帳にしているそうです。ある家族は、家では「困った人」だったおばあちゃんの楽しそうな様子を日記帳で見てから、いとおしさが増したそうです。それを足がかりに、スタッフは「こんな場面ではこうするといいですよ」といったサポートに入っていくそうです。大切なことは、「ここでの時間を、限られた時間だけの活動で終わらせない」ことだと永島さんは言います。
認知症の専門知識をもったスタッフが、1日の生活をトータルに考えたかかわりをしています。デイサービスを中心に、お年寄りの生活全体を支えているのです。最後に永島さんは、「毎日お年寄りと接する中で、自ら「活きる」ということの、たくましさを体感しています。そんな『一人ひとりの当たり前をあたりまえに、少しずつ実現していける場』であり続けたいです」と抱負を語ってくださいました。
認知症の専門知識をもったスタッフが、1日の生活をトータルに考えたかかわりをしています。デイサービスを中心に、お年寄りの生活全体を支えているのです。最後に永島さんは、「毎日お年寄りと接する中で、自ら「活きる」ということの、たくましさを体感しています。そんな『一人ひとりの当たり前をあたりまえに、少しずつ実現していける場』であり続けたいです」と抱負を語ってくださいました。
第3回 若年期認知症デイサービス 陽溜まりの会
- デイホーム風のさんぽ道
-
栃木県佐野市田沼町498-8
電話0283-62-7082
http://www.npo-kazenouta.or.jp
永島徹さんは福祉専門職サポーターズでブログを連載しています。
ぜひ、ご覧ください。
『永島徹の「風」の贈り物』http://www.caresapo.jp/fukushi/blog/nagashima/