今月の特集 家庭でできる! お口のケア
第1回 おとしよりの口のなか、気にしていますか?
魔法のようなできごと
都心の高層ビル群がみえる都会のど真ん中なのに、なぜか人の温かな気配が感じられる、東京・北新宿。
手入れされた鉢植えを並べた家が続く一角に、ふれあい歯科ごとうはあります。
診療室は大きな掃き出し窓があり、やわらかな日差しが差し込みます。落ち着いたマホガニー色の部屋に、今日も患者さんがやってきました。
「うん、とてもよくなりましたね」
五島朋幸(ごとう・ともゆき)先生が、患者さんに声をかけながら治療を進めます。
聞けば、この患者さんは、ふれあい歯科ごとうに来る前、歯が年々抜けていたとのこと。あきらめかけていた自分の歯でしたが、五島先生に教わった“あること”を実践したそうです。すると今では、口の中がとてもいい状態になったということでした。
「なんだか、魔法にかかったみたいだったわ」
以来、バスに乗って山手線に乗り継ぎ、ここまで通ってきます。そう笑顔で話し、患者さんは帰ってゆきました。
いったい、五島先生は、どんな魔法を使ったのでしょう?
手入れされた鉢植えを並べた家が続く一角に、ふれあい歯科ごとうはあります。
診療室は大きな掃き出し窓があり、やわらかな日差しが差し込みます。落ち着いたマホガニー色の部屋に、今日も患者さんがやってきました。
「うん、とてもよくなりましたね」
五島朋幸(ごとう・ともゆき)先生が、患者さんに声をかけながら治療を進めます。
聞けば、この患者さんは、ふれあい歯科ごとうに来る前、歯が年々抜けていたとのこと。あきらめかけていた自分の歯でしたが、五島先生に教わった“あること”を実践したそうです。すると今では、口の中がとてもいい状態になったということでした。
「なんだか、魔法にかかったみたいだったわ」
以来、バスに乗って山手線に乗り継ぎ、ここまで通ってきます。そう笑顔で話し、患者さんは帰ってゆきました。
いったい、五島先生は、どんな魔法を使ったのでしょう?
答えは・・・
突然ですが、家庭介護者のみなさんは、誤嚥(ごえん)がもとで肺炎になること(誤嚥性肺炎)が、いかに怖いかご存じだと思います。
食べかすなどの誤嚥はもちろん、のどや口の中にある細菌が気道に入り込むことでも、誤嚥が引き起こされます。おとしよりにこの誤嚥を生じると、むせたり咳が出たり、発熱が続いたりして、体の抵抗力が下がり、誤嚥性肺炎にいたります。
その結果、残念ながら命を落とす方も多いのが、現状です。
この誤嚥性肺炎の最良の予防策が、「口腔(こうくう)ケア」なのです。
これが、五島先生の魔法。
口腔ケアは誤嚥性肺炎を防ぐほか、口の中の状態をよくします。先述の患者さんも、口腔ケアを実践してから歯が抜けなくなりました。
それでは、口の中をいい状態にしたり、誤嚥性肺炎も防いだりする口腔ケアとはどんなことなのでしょう。そのやり方は? ――今回の特集では、五島先生に口腔ケアのあれこれについて、6回にわたり教えていただきます。
食べかすなどの誤嚥はもちろん、のどや口の中にある細菌が気道に入り込むことでも、誤嚥が引き起こされます。おとしよりにこの誤嚥を生じると、むせたり咳が出たり、発熱が続いたりして、体の抵抗力が下がり、誤嚥性肺炎にいたります。
その結果、残念ながら命を落とす方も多いのが、現状です。
誤嚥性肺炎のあれこれ
■そもそも誤嚥とは…?
食べ物や唾液を飲み込んだら、普通は食道を通って胃に行きますが、あやまって気道に入ってしまうことがあります。それが「誤嚥」(ごえん)です。
■誤嚥で肺炎になるの…?
あやまって気道に入ってしまった食べ物や唾液が肺に入ってしまうと、抵抗力がない場合、肺炎が起こります。
■唾液がないだけでも誤嚥性肺炎になる…?
抵抗力がない場合、なります。口の中の細菌を唾液が運んで、肺に入ると肺炎を起こします。
■食事中だけ注意すればいいの?
寝ている間、唾液を誤嚥することがあります。特に脳卒中などで麻痺がある場合は夜間の誤嚥がよくみられるので、注意しましょう。
■そもそも誤嚥とは…?
食べ物や唾液を飲み込んだら、普通は食道を通って胃に行きますが、あやまって気道に入ってしまうことがあります。それが「誤嚥」(ごえん)です。
■誤嚥で肺炎になるの…?
あやまって気道に入ってしまった食べ物や唾液が肺に入ってしまうと、抵抗力がない場合、肺炎が起こります。
■唾液がないだけでも誤嚥性肺炎になる…?
抵抗力がない場合、なります。口の中の細菌を唾液が運んで、肺に入ると肺炎を起こします。
■食事中だけ注意すればいいの?
寝ている間、唾液を誤嚥することがあります。特に脳卒中などで麻痺がある場合は夜間の誤嚥がよくみられるので、注意しましょう。
この誤嚥性肺炎の最良の予防策が、「口腔(こうくう)ケア」なのです。
これが、五島先生の魔法。
口腔ケアは誤嚥性肺炎を防ぐほか、口の中の状態をよくします。先述の患者さんも、口腔ケアを実践してから歯が抜けなくなりました。
それでは、口の中をいい状態にしたり、誤嚥性肺炎も防いだりする口腔ケアとはどんなことなのでしょう。そのやり方は? ――今回の特集では、五島先生に口腔ケアのあれこれについて、6回にわたり教えていただきます。
口腔ケアの意味
「口腔ケア」と書くと、なんだか難しそうですが、簡単に言えば、お口の手入れ。みなさんがしている「歯みがき」も、口腔ケアの一つです。
例えば、歯みがきをすると、食べかすが除去されて、モワッとした口の状態が解消されるため、すっきりしますよね?
「口の中をきれいにする」。
これが口腔ケアの一つめの意味(やる価値、といってもいいかもしれません)。専門的には、「器質的ケア」といいます。
そして、口腔ケアにはもう一つの大きな意味があります。
「食べるための口づくり」。
こちらは「機能的ケア」といいます。脳卒中の後遺症などで麻痺(まひ)が生じた人、腫瘍ができて口を開けられない人、寝たきりで胃ろうを造設している人、認知症で“食べる”という行為に抵抗がある人、さまざまな理由で人は口から食べることが困難になります。
そんな場合は、鼻から細いチューブを入れてのどに通したり、静脈に点滴をして栄養補給をしたりします。
そうした、口から食べることができないおとしより、食べることを拒否するおとしよりに、もう一度食べてもらうためのケアが「機能的ケア」です。
食欲がない、味覚異常があるといった場合も、口腔ケアで改善することがあります。
いかがでしょう。おとしよりは、ごはんを食べてらっしゃいますか?
口から食べることをあきらめていた方、いませんか?
口腔ケアをいちどやってみる価値、あると思いませんか?
次回は、口腔ケアを始めるときのポイントと実際のケア法を、具体的に教えていただきたいと思います。ご期待ください。
例えば、歯みがきをすると、食べかすが除去されて、モワッとした口の状態が解消されるため、すっきりしますよね?
「口の中をきれいにする」。
これが口腔ケアの一つめの意味(やる価値、といってもいいかもしれません)。専門的には、「器質的ケア」といいます。
そして、口腔ケアにはもう一つの大きな意味があります。
「食べるための口づくり」。
こちらは「機能的ケア」といいます。脳卒中の後遺症などで麻痺(まひ)が生じた人、腫瘍ができて口を開けられない人、寝たきりで胃ろうを造設している人、認知症で“食べる”という行為に抵抗がある人、さまざまな理由で人は口から食べることが困難になります。
そんな場合は、鼻から細いチューブを入れてのどに通したり、静脈に点滴をして栄養補給をしたりします。
そうした、口から食べることができないおとしより、食べることを拒否するおとしよりに、もう一度食べてもらうためのケアが「機能的ケア」です。
食欲がない、味覚異常があるといった場合も、口腔ケアで改善することがあります。
いかがでしょう。おとしよりは、ごはんを食べてらっしゃいますか?
口から食べることをあきらめていた方、いませんか?
口腔ケアをいちどやってみる価値、あると思いませんか?
次回は、口腔ケアを始めるときのポイントと実際のケア法を、具体的に教えていただきたいと思います。ご期待ください。
第2回 口腔ケアをやってみよう!〜マッサージ編
- 五島先生をもっと知りたい人のために
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基本的に、午前は診療所にて歯科診療を行い、午後は訪問診療に出かけられます。ご相談などがある場合は、下記までご連絡ください。
■ふれあい歯科ごとう
〒169-0074 東京都新宿区北新宿4-11-13せらび新宿1階
TEL 03(5338)8817
FAX 03(5338)8837