今月の特集 介助者にやさしいクルマ
第2回 介助者のための福祉車両
先週は、福祉車両が一般の家庭にも普及しつつあることを紹介しました。今週は福祉車両の種類について紹介していきます。
ご家庭向けの福祉車両には、大きく分けて「自操式」と「介助式」の2種類があります。「自操式」は身体障害のある方が自分自身で運転する車、「介助式」は身体に障害のある方を介助・送迎するための車です。
ここでは、介助者(健常者)が運転する「介助式」福祉車両を取り上げて、紹介していきます。
今回の特集では、トヨタ自動車株式会社フリート営業・特装部の泰松潤さんとトヨタハートフルプラザ東京の川合友継さんに、日々の介助を楽に行ううえで、介助者が使いやすいクルマについて、アドバイザーの視点からお話を伺いました。
介助式福祉車両のいろいろ
介助式福祉車両には、大きく分けて「回転スライドシート車」「リフトアップシート車」「車いす仕様車」の3種類があります。いずれも通常の自動車をベースに、乗り降りしやすくするための特殊な装置や、車いすの固定器具が取り付けられています。
参考までに架装費の目安を付けていますが、これはトヨタ自動車での新車購入時の架装費用を参考にしています。余談ですが、一旦購入した後で同様の架装を行うと、約2〜3倍程度の費用がかかるため、できれば新車購入時に装置を取り付けることをおすすめします。
【回転スライドシート車】
助手席または後部座席が回転し、外方向にスライドして乗り降りがしやすくなる装置が付いているタイプです。少し足腰が弱っている方、体を大きくひねる動作が難しい方、杖を使えば歩行できるような方などにとって、乗りやすい機能です。
自分自身で歩行できないような方が乗車するとき、車いすに乗った障害のある方の体重を、介助者が腕や手で抱え上げながら横方向へ移動していく介助が必要となります。介助者が筋力に自信のない方の場合は検討が必要です。
架装費も比較的安いですが、税の優遇措置を受けるためには、車いす収納器具を付ける必要がありますのでご注意ください。
*架装費の目安:小型車(手動でシートのみ)では約7〜10万円(新車購入時)。
参考までに架装費の目安を付けていますが、これはトヨタ自動車での新車購入時の架装費用を参考にしています。余談ですが、一旦購入した後で同様の架装を行うと、約2〜3倍程度の費用がかかるため、できれば新車購入時に装置を取り付けることをおすすめします。
【回転スライドシート車】
助手席または後部座席が回転し、外方向にスライドして乗り降りがしやすくなる装置が付いているタイプです。少し足腰が弱っている方、体を大きくひねる動作が難しい方、杖を使えば歩行できるような方などにとって、乗りやすい機能です。
自分自身で歩行できないような方が乗車するとき、車いすに乗った障害のある方の体重を、介助者が腕や手で抱え上げながら横方向へ移動していく介助が必要となります。介助者が筋力に自信のない方の場合は検討が必要です。
架装費も比較的安いですが、税の優遇措置を受けるためには、車いす収納器具を付ける必要がありますのでご注意ください。
*架装費の目安:小型車(手動でシートのみ)では約7〜10万円(新車購入時)。
【リフトアップシート車】
ミニバンや1BOX車、背の高い2BOX車に設定されています。ドアを開けた後、スイッチボタンを押すと、助手席(または後部座席)が動き、座ったまま車外へ出ることができます。その際にシート座面の高さを調整できるので、車いすの座面の高さにあわせれば、乗り移りの介助が楽になります。
一部の車種では後部座席が車外へスライドダウンした後、車輪が出てきたかと思うとそのまま切り離されて、電動車いすに早変わりするものもあります。乗り移りや車いすの収納などの必要がないのでとても便利です。
リフトアップシートの操作はリモコン、ないしはシート横のボタンで行います。このリモコンには操作ミスを防ぐためにユニバーサルデザインの考え方が取り入れられていて、何かあった場合には、ボタンを離せば止まるしくみになっています。
*架装費の目安:約25〜40万円(新車購入時)。シートが車いすに変わるタイプは少し割高になります。
ミニバンや1BOX車、背の高い2BOX車に設定されています。ドアを開けた後、スイッチボタンを押すと、助手席(または後部座席)が動き、座ったまま車外へ出ることができます。その際にシート座面の高さを調整できるので、車いすの座面の高さにあわせれば、乗り移りの介助が楽になります。
一部の車種では後部座席が車外へスライドダウンした後、車輪が出てきたかと思うとそのまま切り離されて、電動車いすに早変わりするものもあります。乗り移りや車いすの収納などの必要がないのでとても便利です。
リフトアップシートの操作はリモコン、ないしはシート横のボタンで行います。このリモコンには操作ミスを防ぐためにユニバーサルデザインの考え方が取り入れられていて、何かあった場合には、ボタンを離せば止まるしくみになっています。
*架装費の目安:約25〜40万円(新車購入時)。シートが車いすに変わるタイプは少し割高になります。
【車いす仕様車】
車いすに乗ったまま、自動車に乗れるタイプです。ハイエースなどの大型のバンだけではなく、最近では小型車・軽自動車にも装備されています。高齢者デイサービスなど、介護事業者ではよく活用されているタイプです。
乗るときには、後部のハッチを開け、スロープで室内に入ります。車内では車いすを固縛装置で固定します。試乗の際には、ご自身の車いすがしっかり固定できるかどうか、またシートベルトをしっかり装着できるかどうかを確かめてください。
この車いす仕様車は、車いすから移乗させる必要がないので、介助者の体にかかる負担が少ないなどのメリットがありますが、乗るときには車の後方に広いスペースが必要になりますので駐車場を確認しましょう。
*架装費の目安:小型車で約40〜80万円くらい(新車購入時)
車いすに乗ったまま、自動車に乗れるタイプです。ハイエースなどの大型のバンだけではなく、最近では小型車・軽自動車にも装備されています。高齢者デイサービスなど、介護事業者ではよく活用されているタイプです。
乗るときには、後部のハッチを開け、スロープで室内に入ります。車内では車いすを固縛装置で固定します。試乗の際には、ご自身の車いすがしっかり固定できるかどうか、またシートベルトをしっかり装着できるかどうかを確かめてください。
この車いす仕様車は、車いすから移乗させる必要がないので、介助者の体にかかる負担が少ないなどのメリットがありますが、乗るときには車の後方に広いスペースが必要になりますので駐車場を確認しましょう。
*架装費の目安:小型車で約40〜80万円くらい(新車購入時)
個人個人にあわせたカスタマイズ
前述の3種類の介助式福祉車両はそれぞれ便利な機能がついていますが、体格の差、障害の程度や種類、移動の目的などにより、その機能だけでは足りないこともあります。例えば、マヒのある方や神経障害のある方がより使いやすいようにするためには、新しく手すりをつけるなどのカスタマイズ(改造)が必要なことも多いです。メーカー系の後架装メーカーでも個別にカスタマイズに応じていますが、実際、新車購入時に約7割の方が希望されるというデータがあります(トヨタハートフルプラザ調べ)。
また、忘れてはいけないのが、介助をする方自身が快適に運転できる自動車を選ぶことです。
ぜひ購入前に一度試乗してみて、使いやすさが自分のライフスタイルに合っているかどうかを確認してみましょう。
来週は、実際に福祉車両を見てみる方法を紹介していきます。
また、忘れてはいけないのが、介助をする方自身が快適に運転できる自動車を選ぶことです。
ぜひ購入前に一度試乗してみて、使いやすさが自分のライフスタイルに合っているかどうかを確認してみましょう。
来週は、実際に福祉車両を見てみる方法を紹介していきます。
第3回 実際に乗ってみましょう!