介護をもうやめたいと思うあなたへ。
第2回 サービス利用を合理的に考える
秋田の介護と東京の介護の大きな違いは、「自宅外サービス」の利用状況
デイサービスやデイケア、ショートステイなどの、自宅外サービス。
おとしよりが自宅から出て、施設に一時期でもいることで、介護者自身の時間もつくれるという目的でも利用されています。
この自宅外サービスですが、秋田と東京だと、どちらが多く利用していると思いますか?
答えは、「秋田」。
秋田県の介護者は、おとしよりの要介護度が低い段階から、おおいに自宅外サービスを利用しています。
要介護度が上がるにつれ、サービス利用の形態が見事に変わっていくそうです。
実子が実親を介護している場合でも、同様の傾向が見られます。
おとしよりが自宅から出て、施設に一時期でもいることで、介護者自身の時間もつくれるという目的でも利用されています。
この自宅外サービスですが、秋田と東京だと、どちらが多く利用していると思いますか?
答えは、「秋田」。
秋田県の介護者は、おとしよりの要介護度が低い段階から、おおいに自宅外サービスを利用しています。
要介護度が上がるにつれ、サービス利用の形態が見事に変わっていくそうです。
実子が実親を介護している場合でも、同様の傾向が見られます。
しなやかに、わりきって、サービス利用を考えよう
この調査を行った「日米介護保険研究会」メンバーの須田木綿子さん(東洋大学)は、「農村部の人の合理性を見た」と言います。
農作業の繁忙期などは、家族総出でかかりきりになります。
そうした、個人的なわがままを言えない状況があるかわりに、おとしよりのほうも割り切り、双方が合理的にサービスの利用形態を変えていくのかも知れません。
この傾向は秋田に限らず、全国の農山村部で言えることだそうです。
農作業の繁忙期などは、家族総出でかかりきりになります。
そうした、個人的なわがままを言えない状況があるかわりに、おとしよりのほうも割り切り、双方が合理的にサービスの利用形態を変えていくのかも知れません。
この傾向は秋田に限らず、全国の農山村部で言えることだそうです。
サービス利用には、対話を重ねて
自宅外サービスのネックになるのは、おとしよりの「行きたくない」という声。
日米介護保険研究会メンバーの一人、山田嘉子さん(日本労働者連合協働組合国際部)の研究では、サービス利用に際し、時間をかけてやりとりをした家庭ほど、利用が定着したということです。
うまくいかない家庭では、「おじいさん、ショートステイ、行ってみませんか?」と聞いたけれど「いやだ」と言われ、結局息子・娘で話し合い、サービス利用をやめたというところが多いようです。
「いやだ」と言われた後、「どうしていやの?」と尋ねて理由を探ったり、ケアマネジャーにサービス内容をわかりやすく説明してもらった家庭では、半年後、おとしよりから「行ってみようかな」と言われたといいます。 けっこう気に入って、利用が続いたそうです。
おとしよりにとっても、心の準備をする時間は大切なのだと思います。
サービス利用にあたっては、まずは時間をかけて話し合ってみましょう。
そして、なにより、「自宅でみなきゃ」と無理しないで、割り切る気持ちが大切です。
日米介護保険研究会メンバーの一人、山田嘉子さん(日本労働者連合協働組合国際部)の研究では、サービス利用に際し、時間をかけてやりとりをした家庭ほど、利用が定着したということです。
うまくいかない家庭では、「おじいさん、ショートステイ、行ってみませんか?」と聞いたけれど「いやだ」と言われ、結局息子・娘で話し合い、サービス利用をやめたというところが多いようです。
「いやだ」と言われた後、「どうしていやの?」と尋ねて理由を探ったり、ケアマネジャーにサービス内容をわかりやすく説明してもらった家庭では、半年後、おとしよりから「行ってみようかな」と言われたといいます。 けっこう気に入って、利用が続いたそうです。
おとしよりにとっても、心の準備をする時間は大切なのだと思います。
サービス利用にあたっては、まずは時間をかけて話し合ってみましょう。
そして、なにより、「自宅でみなきゃ」と無理しないで、割り切る気持ちが大切です。
取材にご協力いただいた方
須田 木綿子(すだ・ゆうこ)さん
1960年、東京生まれ。明治学院大学社会福祉学科卒業。東京大学医学系研究科保健学専攻。保健学博士。現在、東洋大学社会学部社会福祉学科教授。
日米介護保険研究会のメンバー(写真)とともに、東京都葛飾区と秋田県大館市における家庭介護者と要介護高齢者へのパネル調査研究を行い、研究結果を近く上梓予定。
1960年、東京生まれ。明治学院大学社会福祉学科卒業。東京大学医学系研究科保健学専攻。保健学博士。現在、東洋大学社会学部社会福祉学科教授。
日米介護保険研究会のメンバー(写真)とともに、東京都葛飾区と秋田県大館市における家庭介護者と要介護高齢者へのパネル調査研究を行い、研究結果を近く上梓予定。
須田先生のお話をもっとくわしく知りたい人のために
<新・MINERVA福祉ライブラリー5>
●日米LTCI研究会=編
●高橋龍太郎・須田木綿子=編集代表
●A5判、約292頁、2010年2月刊行予定
●定価 3,500円(税別)