今月の特集 家庭介護者のホンネとサポート
最終回 介護者のサポートや支援体制づくり
〜介護者サポートネットワークセンター・アラジンの取り組み
今月のけあサポ'S EYEでは、介護者本人の悩みやケアについて考えてきました。
最終回は、介護者のサポートや支援体制づくりに力を入れる「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の取り組みを紹介します。
4回にわたって、長く介護者自身のケアについて取り組んでいる「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の牧野史子代表にお話をうかがいました。
最終回は、介護者のサポートや支援体制づくりに力を入れる「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の取り組みを紹介します。
4回にわたって、長く介護者自身のケアについて取り組んでいる「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の牧野史子代表にお話をうかがいました。
出かけた先で、介護者・要介護者が分かれて楽しむイベントを企画
NPO法人ネットワークセンター・アラジン(以下、「アラジン」)は、介護者のなかで「自分一人だけ楽しむのは気が引ける」「誰かに任せて家を空けることに不安がある」と感じる人が多い事実に着目し、どうしたら介護者自身がリラックスし、気持ちをほぐすことができるかを考えました。
アラジンは、介護者と要介護者がいっしょにその場を集まった後、それぞれ分かれて、別のことを楽しんで時間を過ごすというイベントを企画しました。
要介護者がボランティアの支援のもと、食事やアクティビティ活動を楽しむ間、介護者は別のフロアに集まり、ゆっくりご飯を食べながらおしゃべりして、同じ時間を過ごします。
アラジンは、介護者と要介護者がいっしょにその場を集まった後、それぞれ分かれて、別のことを楽しんで時間を過ごすというイベントを企画しました。
要介護者がボランティアの支援のもと、食事やアクティビティ活動を楽しむ間、介護者は別のフロアに集まり、ゆっくりご飯を食べながらおしゃべりして、同じ時間を過ごします。
介護者と要介護者は、一緒の空気を味わえるくらいの距離をとる
このイベントでは、要介護者と介護者の距離は遠すぎず近すぎず、といったところにそれぞれの場を設定します。きちんと分離はしますが、「全く別の場所にいるのではない」という安心感をもってもらいます。
もう一つ、安心できる要素として、介護のボランティアをきちんと養成し、アクティビティ活動や食事、外出先での支援を行います。ボランティアのなかには、本職の介護職や看護職もいます。
このように、十分な体制を整えていけば、心配して親の様子を途中で見に来る介護者は少ないことがわかりました。
もう一つ、安心できる要素として、介護のボランティアをきちんと養成し、アクティビティ活動や食事、外出先での支援を行います。ボランティアのなかには、本職の介護職や看護職もいます。
このように、十分な体制を整えていけば、心配して親の様子を途中で見に来る介護者は少ないことがわかりました。
奥さんが舞妓さんに変身してびっくり!?
アラジンを設立した牧野さんは、もともと関西でこのイベントを始めました。あるときは建物を飛び出し、京都観光ツアーを企画。いつもどおり現地で別れ、しばらくして介護者の奥さんたちが要介護者のところに合流したらなんとびっくり! 奥さんたちは舞妓さんに変身していたのでした。
日常では味わえないこんな体験を、大笑いとともに味わったそうです。
日常では味わえないこんな体験を、大笑いとともに味わったそうです。
「ささえられている」という事実を感じてほしい
「今後は東京などでも活動を発展させたい」と語る、アラジンの牧野さん。さまざまな可能性を模索中です。活動への参加を通じて、介護する人が「大勢の人にささえられている」「自分はひとりじゃない」と感じてほしいと語ります。
一方で、ボランティアの養成や地域の支援体制づくりのサポートなど、介護する人の応援団も増やしていこうとしています。今後の活動に、目が離せません。
一方で、ボランティアの養成や地域の支援体制づくりのサポートなど、介護する人の応援団も増やしていこうとしています。今後の活動に、目が離せません。
◆レポート:介護家族のための安心りらっくすツアー◆
そんななか、「横浜ワールドポーターズ」の6階にある通所介護事業所「かいかや」を中心に、今回のりらっくすツアーが行われました。
「かいかや」は気軽に立ち寄りたくなる佇まい。なかには、今日のためにちょっとした雑貨コーナーがあったり、落ち着いた調度品の中でリラックスできる造りになっています。今日はここがデイサービスの拠点になります。
10時から、ボランティア・スタッフによる事前の打ち合わせがあります。20名弱のボランティア・スタッフには、目的・役割をもって動いてもらいます。5階のレストランで介護者の交流会が行われている間は、「かいかや」にて介護が必要な方お一人につき1〜2名の支援ボランティアが見守ることになっています。ゆっくり安心して、過ごしていただけるよう心がけます。
ゲームなどして過ごすうちに、「じゃあ、行ってくるね」と、介護者の方々はさりげなく5階のフレンチレストランへ移動。すずきのマリネ、黒鯛のポアレなど、春らしいコースを楽しみながら、思い思いのお話に花が咲きました。
介護はつらいことを自分のなかに溜めすぎる。
だから時々つらくなる。親につらく当たってしまうこともある。
けれど、こんな機会があると、親も自分もオシャレする甲斐も、出かける甲斐もある。いっしょに楽しめる時間ももてる。…そうした介護者家族の思いと、「ゆっくり、あんしんして、楽しんで」という主催者側の思いがシンクロしたひとときでした。
ご協力いただいた方
千葉大学教育学部卒。小学校教員を経て、夫の転勤に伴い西宮市在住中に阪神大震災に遭い、仮設住宅高齢者を支援するさまざまな活動を展開する。2001年帰京し、“介護者の孤立”問題に取り組む組織「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」を立ち上げる。以来、介護者を支援する地域のしくみづくりを提唱、実践している。
【アラジンをもっと知りたい人のために】
NPO法人 介護者サポートネットワークセンター・アラジン
TEL 03-5368-1955(火曜〜金曜11:00〜18:00)
FAX 03-5368-1956
ホームページ http://www12.ocn.ne.jp/~arajin/
Eメール arajin2001@minos.ocn.ne.jp
TEL 03-5368-1955(火曜〜金曜11:00〜18:00)
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