今月の特集
訪問理美容サービスを活用しよう!
最終回 訪問理美容が生活を変えていく
これまで訪問理美容サービスの概要やその実施の流れをご紹介してきました。
最終回の今回は、訪問理美容サービスを受けることのメリットや、ご本人さらには家族の生活がどのように変わっていくのかといった点を、特集のまとめとして整理したいと思います。
最終回の今回は、訪問理美容サービスを受けることのメリットや、ご本人さらには家族の生活がどのように変わっていくのかといった点を、特集のまとめとして整理したいと思います。
美容は生活のエネルギーになる
年齢を重ね、介護が必要な状態となると、どうしても美容などへの配慮は後回しにされがちです。しかし、おしゃれが嫌いという方はあまりいないと思います。そして、多くの女性が「いつまでもきれいでいたい」と思っているのではないでしょうか。
佐野美恵子さんは、これまでの訪問美容サービスの実践をとおして、美容の効果を肌で感じてきました。
「要介護状態となった人のヘアカットは、ご家族がされているケースが多いように思います。それは、髪を整える程度なので、ご本人が喜びを感じるまでには至りません。でも、プロの美容師による本格的なサービスを利用すると、美しくなった自分を実感でき、華やいだ表情になったり、前向きな気持ちになることができます」(佐野さん)
佐野美恵子さんは、これまでの訪問美容サービスの実践をとおして、美容の効果を肌で感じてきました。
「要介護状態となった人のヘアカットは、ご家族がされているケースが多いように思います。それは、髪を整える程度なので、ご本人が喜びを感じるまでには至りません。でも、プロの美容師による本格的なサービスを利用すると、美しくなった自分を実感でき、華やいだ表情になったり、前向きな気持ちになることができます」(佐野さん)
介護する立場としてできること
まずは、お年寄りの(あるいは人としての)こうした気持ちを知ることが大切です。歳をとったから、認知症だからといった考え方はできるかぎり取り除くようにしたいものです。
日々の介護で心身ともにつらい状況があると思いますが、それでも、例えば寝ぐせがあったときにそのまま放置しておくのではなく、ブラッシングをして髪の毛を整えるなど、簡単にできることから始めてみるとよいと思います。さらに「きれいになったね」など、ちょっとした声かけがあると、お互いに笑顔になれる時間が増えていくのではないでしょうか。
日々の介護で心身ともにつらい状況があると思いますが、それでも、例えば寝ぐせがあったときにそのまま放置しておくのではなく、ブラッシングをして髪の毛を整えるなど、簡単にできることから始めてみるとよいと思います。さらに「きれいになったね」など、ちょっとした声かけがあると、お互いに笑顔になれる時間が増えていくのではないでしょうか。
訪問理美容サービスを利用するにあたって
家族にはできないことを行うのがプロの仕事です。何でも自分でやらなければと無理をしすぎず、必要に応じてサービスを利用しましょう。プロによるサービスできれいになったことを実感できれば、社会生活を送る上での効果も得られます。
佐野さんは次のようなエピソードも経験されました。
「ある利用者は週に数回デイサービスに通っているのですが、朝早い時間に訪問美容サービスを利用され、きれいになった状態でデイサービスに行ったことがあります。すると、職員をはじめ他の利用者からも会った瞬間に、『わぁ、きれい!』と声をかけられたようです。そうしたことを言ってもらえたら、人はどんな気持ちになるでしょうか。年齢は関係ありません。美容は嬉しさや喜びの気持ちが得られ、社会性を豊かにする機会をつくってくれるのです」
佐野さんは次のようなエピソードも経験されました。
「ある利用者は週に数回デイサービスに通っているのですが、朝早い時間に訪問美容サービスを利用され、きれいになった状態でデイサービスに行ったことがあります。すると、職員をはじめ他の利用者からも会った瞬間に、『わぁ、きれい!』と声をかけられたようです。そうしたことを言ってもらえたら、人はどんな気持ちになるでしょうか。年齢は関係ありません。美容は嬉しさや喜びの気持ちが得られ、社会性を豊かにする機会をつくってくれるのです」
関係性を豊かに
とはいえ、佐野さんは「自宅でサービスを完結するのが必ずしも良いわけではない」といいます。美容室に行くことができるようになれば美容室を利用し、体調や状況によっては訪問のサービスも活用する。そうした臨機応変にサービスを利用できるようになることが、理想といえます。
「いつも自宅にいると、行動範囲が狭まってしまいます。訪問理美容は、外に出られる可能性がある人にとっての“つなぎ”のような役割でもあるととらえています。そして、利用者が安心してサービスを利用できるよう、美容室でも自宅でも、馴染みの美容師からサービスを受けられるのが望ましい姿ですね」
「いつも自宅にいると、行動範囲が狭まってしまいます。訪問理美容は、外に出られる可能性がある人にとっての“つなぎ”のような役割でもあるととらえています。そして、利用者が安心してサービスを利用できるよう、美容室でも自宅でも、馴染みの美容師からサービスを受けられるのが望ましい姿ですね」
【ご協力いただいた方】
美容福祉師、日本美容福祉学会会員、NPO法人全国介護理美容福祉協会会員
山野美容芸術短期大学 非常勤講師
平成15年 ビューティケア・ステーション設立