今月の特集 介護保険で住宅改修!
最終回 住宅改修の実際
介護保険の住宅改修について説明してきた本特集ですが、最終回の今回は荒川区の嘱託住宅リフォーム相談員として約15年、2000件以上の住宅改修に対してアドバイスをしてきた、東京都高齢者住宅改修アドバイザーの荒川不二夫さんに、住宅改修の実際と失敗しない住宅改修のポイントを伺いました。
工務店経営の傍ら、東京都高齢者住宅改修アドバイザーとして活躍。一方、妻を8年間介護した、その経験を生かしたいと、荒川男性介護者の会(通称:オヤジの会)を設立。「けあサポ」のブログ「荒川区男性介護者の会の『オヤジの介護』」も好評。
東京都高齢者住宅改修アドバイザーとは
介護保険制度下において、高齢者の安全と身体機能の状況等を配慮したより適切な「住宅改修」を進めるため、ケアマネジャー等への助言や支援を行う、住宅改修の専門家(住宅改修アドバイザー)です。
介護保険制度下において、高齢者の安全と身体機能の状況等を配慮したより適切な「住宅改修」を進めるため、ケアマネジャー等への助言や支援を行う、住宅改修の専門家(住宅改修アドバイザー)です。
住宅改修は専門知識が必要
残念なことに、住宅改修のトラブルは少なくありません。たとえば、高い見積りを出されたり、耐久性のない壁に手すりをつけてしったり……ということもあります。また、言われるままに不必要な工事をして、法外な請求をされてしまうこともあります。
住宅改修には、建築の専門的な知識と経験が必要です。しかし、ケアマネジャーさんや理学療法士さんも建築の専門家ではありません。そこで、ケアマネジャーさんたちへの助言や支援を行う住宅改修専門家として、高齢者住宅改修アドバイザー(以下、アドバイザー)という人たちがいます。
まず、アドバイザーはケアマネジャーさんと実際の現場(住宅改修をする家)に行き、希望の住宅改修が行えるか否かを確認します。スペースの広さ、家の強度などは、経験がないと見分けられないといいます。
また、見積りに対して、その金額が適当か否かを判断してくれます。工事費用については、材料(素材の質など)や工事の方法等によって金額が上下します。その素材を使用することが適当か、工事の方法が適当かも含めて、多角的にアドバイスをしてくれます。
なお、見積りについては1社だけではなく、必ず2、3社から相見積りを取り、比較することが大切だと荒川さんはいいます。
住宅改修には、建築の専門的な知識と経験が必要です。しかし、ケアマネジャーさんや理学療法士さんも建築の専門家ではありません。そこで、ケアマネジャーさんたちへの助言や支援を行う住宅改修専門家として、高齢者住宅改修アドバイザー(以下、アドバイザー)という人たちがいます。
まず、アドバイザーはケアマネジャーさんと実際の現場(住宅改修をする家)に行き、希望の住宅改修が行えるか否かを確認します。スペースの広さ、家の強度などは、経験がないと見分けられないといいます。
また、見積りに対して、その金額が適当か否かを判断してくれます。工事費用については、材料(素材の質など)や工事の方法等によって金額が上下します。その素材を使用することが適当か、工事の方法が適当かも含めて、多角的にアドバイスをしてくれます。
なお、見積りについては1社だけではなく、必ず2、3社から相見積りを取り、比較することが大切だと荒川さんはいいます。
荒川さんのアドバイス
・見積りは必ず2、3社から取る
・材料にも気を配る(素材により価格が上下するため)
・デザイン性だけでなく利便性も考えて材料を選択する
・改修後に訪問してフォローがある業者かどうか確認する
・見積りは必ず2、3社から取る
・材料にも気を配る(素材により価格が上下するため)
・デザイン性だけでなく利便性も考えて材料を選択する
・改修後に訪問してフォローがある業者かどうか確認する
住宅改修の事例
住宅改修で多いのは、(1)和式便器から洋式便器への取替え、(2)玄関の段差解消、(3)浴槽を低くする、だそうです。ここでは、(1)と(2)の事例を挙げて住宅改修の実際を紹介します。
事例1 和式便器から洋式便器へ取替える
一般的なトイレの広さは縦91センチ×横91センチです。このトイレにある和式便器を洋式便器に取り替えます。
改修前
改修前
改修後 その1
便器を斜めにするのは、便器から扉まで40センチ確保しないと足が詰まってしまうためです。斜めにすることで、トイレのスペースを広げずに洋式トイレにすることができます。
費用は約27万円から35万円かかります。費用には、古い便器の取り外し代、新しい便器、床材を整える、壁紙を整える(高さ1mまで)、手すりをつける(1本)、工賃が含まれます。
費用は約27万円から35万円かかります。費用には、古い便器の取り外し代、新しい便器、床材を整える、壁紙を整える(高さ1mまで)、手すりをつける(1本)、工賃が含まれます。
改修後 その2
トイレの縦の長さを30センチ伸ばすことができれば、便器を縦に置くこともできます。
この場合、トイレのスペースを広げる工事が必要になるため、費用はプラス5万円程度かかります。
この場合、トイレのスペースを広げる工事が必要になるため、費用はプラス5万円程度かかります。
事例2 玄関の段差を解消する
一般的な玄関の広さは縦1.5メートル、横1.8メートル、高さ45センチです。この玄関の高さを解消するために、高さ22.5センチの踏台を設置します。なお、踏台を置くだけでは福祉用具になるため、住宅改修にはなりません。住宅改修で段差を解消する場合は、その踏台を玄関に止めつけるなどの工事を行う必要があります。
改修前
改修前
改修後
玄関に、縦40センチ、横60センチ、高さ22.5センチの踏台を取り付け、さらに、手すりを1本つけました。費用は3万5000円前後になります。費用には、材料費、下地板、工賃、手すり(1本)が含まれます。なお、踏台は市販でも作っても1万円前後です。