今月の特集 正しいオムツの使い方
最終回 Q&A オムツの上手な使い方(応用編&裏技)
最終回の今回は、オムツの上手な使い方の応用編として、Q&A方式で皆様の疑問に答える形で上手な使い方&裏技をご紹介します。
Q1 オムツの経済的な使い方を教えてください。
A1 パッドと組み合わせて使えば、経済的です!
パッドとオムツを組み合わせて使い、本体のオムツが汚れていなければパッドだけを交換します。パッドはオムツより価格が安いため経済的です。また、パッドだけの交換ですむので、取替えも簡単になり、介護者の負担が軽減されます。
参考までに、テープタイプのオムツだけを使用した場合と、尿取りパッド併用の場合の、1か月の費用を比較した例を下表に示します。
参考までに、テープタイプのオムツだけを使用した場合と、尿取りパッド併用の場合の、1か月の費用を比較した例を下表に示します。
※上記の金額はあくまでも併用した場合の例を示したもので、使用する紙オムツやパッドの枚数、購入金額によって変わります。
Q2 オムツが汚れてないときは、どのくらい(何日くらい)使用できますか。
A2 汚れていなくても、1日1回は取り替えましょう。
オムツが汚れていなくても、人間は皮膚や呼吸器から発汗や不感蒸泄により自覚的な感じなしにたえず水分の蒸発を行っています。その量は、摂取する水分量に関係なく、1日約0.9リットルと言われています。
オムツは下着と同じ肌に直接触れるものですから、体から出る水分を吸収し、少しずつ汚染されていきます。衛生面からも、一日使用したものは翌日には使用を避けたいものです。
オムツは下着と同じ肌に直接触れるものですから、体から出る水分を吸収し、少しずつ汚染されていきます。衛生面からも、一日使用したものは翌日には使用を避けたいものです。
Q3 いつも横から尿がもれてしまうのですが、どうしたらよいでしょうか。
A3 オムツのサイズや交換時間を再確認しましょう。パッドを使用して、隙間を埋めることも有効です。
オムツでもれが生じるときには、いくつかの原因が考えられますが、主なものは次の3つです。
・オムツの使用サイズが適当でない(大きすぎる)。
・多量の水分摂取、寒い季節、利尿剤などの薬剤の投与などで、いつもより尿量が増加している。
・長時間の使用により、吸収許容量を超えている。
このようなことがないか、ご使用のオムツがその方に合ったものか再度確認しましょう。
これ以外のチェック点としては、ギャザーが正しくあたっているかを確認しましょう。足まわり、股部分からのもれの場合、足まわりのギャザーが内側に折れてしまっていることがあります。ギャザーが正しく外側に出て、体に沿うようにあたっているか確認してください。また、パッドを併用する場合にも、オムツのギャザーをつぶさないように、内側におさめて使用してください。
もれを防ぐために、パッドを使用するのも一つの手ですが、何枚も重ねるのはタブーです。尿量が多い場合は、夜用や長時間用のパッドを併用しましょう。これらの商品は、複数回の排尿に対応した商品で、吸収量・寸法ともに、通常のパッドに比べて大きく、もれに対応して使えます。
・オムツの使用サイズが適当でない(大きすぎる)。
・多量の水分摂取、寒い季節、利尿剤などの薬剤の投与などで、いつもより尿量が増加している。
・長時間の使用により、吸収許容量を超えている。
このようなことがないか、ご使用のオムツがその方に合ったものか再度確認しましょう。
これ以外のチェック点としては、ギャザーが正しくあたっているかを確認しましょう。足まわり、股部分からのもれの場合、足まわりのギャザーが内側に折れてしまっていることがあります。ギャザーが正しく外側に出て、体に沿うようにあたっているか確認してください。また、パッドを併用する場合にも、オムツのギャザーをつぶさないように、内側におさめて使用してください。
もれを防ぐために、パッドを使用するのも一つの手ですが、何枚も重ねるのはタブーです。尿量が多い場合は、夜用や長時間用のパッドを併用しましょう。これらの商品は、複数回の排尿に対応した商品で、吸収量・寸法ともに、通常のパッドに比べて大きく、もれに対応して使えます。
Q4 もれを防ぐための、上手なパッドの使い方を教えてください。
A4 両面吸収タイプのパッドを折って陰部にあてるようにしましょう。
足の細い方は隙間が開きやすく、そこからもれてしまう場合があります。そのようなときには、パッドで隙間を埋めることも有効です。たとえば、光洋さんの「さらさらスリム」は防水シートを使用していないことから、どこからでも吸収することができる商品です。
女性の場合は、写真のように4つ折くらいの蛇腹に折った「さらさらスリム」を縦に、尿道に合わせるように密着させます。その上からパッドとオムツを使用します。
男性の場合
長方形のパッドをただペニスに巻いただけでは、隙間から尿がもれてしまうことがあります。そこで、次のように折って、使用してみてください。
長方形のパッドをただペニスに巻いただけでは、隙間から尿がもれてしまうことがあります。そこで、次のように折って、使用してみてください。
4.もしも、○の部分からもれる場合は、パッドを写真のように上向きに装着してください。
Q5 陰部洗浄の仕方を教えてください。
A5 洗いすぎは禁物です。1日1回程度、やさしくていねいに洗いましょう。
男女問わず、身体の中で陰部は汚れやすい部分です。不潔にしておくと悪臭を発するばかりか、床ずれができやすくなり、感染症の元にもなります。スキントラブルの予防という面からも、陰部洗浄は大切なケアです。
1.まず、物品の準備をします。ぬるま湯、弱酸性の刺激の少ない石けん、ガーゼ(柔らかいタオル)、フラットタイプオムツ(防水シートでも可能)、手袋、撥水性クリーム(ワセリンなど)またはオリーブオイルを用意します。
2.お年寄りの体制を整えます。寝たままで行う場合は、ひざを立ててもらい、足を広げてもらいます。トイレで行う場合は、深めに腰掛けて、足を広げてもらいます。寝たままで行う場合は、布団が濡れないように、身体の下にフラットタイプのオムツ(または防水シートなど)を敷きます。
3.手袋をして、ぬるま湯(38度から39度くらい)をかけて、陰部と肛門の汚れを洗い流します。市販の洗浄用シャワーボトル、または洗剤の空きボトルやペットボトル(キャップに穴をあけたもの)などを使って流すと便利です。
4 ガーゼや柔らかいタオルに石けんを含ませて泡立ててから洗います。このとき、ゴシゴシあらうのではなく、優しく洗うようにしましょう。
女性の場合
陰部から肛門に向かって洗います(拭くときも同様です)。肛門から先に拭くと、肛門付近の雑菌が尿道口につき、感染することがあります。
男性の場合
ペニスを持ち上げて、裏側や先端部分も優しく洗います。陰のうへの強い刺激は下腹部の広範囲に痛みを引き起こすため、やさしくていねいに扱います。
5.石けんを十分に洗い流し、乾燥させます。
最後に、肛門周囲や臀部にワセリンなどの撥水性クリームを塗って、皮膚炎を予防しましょう。
清潔保持のために陰部洗浄は大切なケアですが、洗いすぎると皮脂や常在菌による皮膚表面の細菌バランスが崩れて、病原菌や真菌などが増殖しやすくなります。石けんでの洗浄は1日1回程度、石けんを十分に洗い流して、清潔を保持することが皮膚機能維持のために望ましい方法です。
1.まず、物品の準備をします。ぬるま湯、弱酸性の刺激の少ない石けん、ガーゼ(柔らかいタオル)、フラットタイプオムツ(防水シートでも可能)、手袋、撥水性クリーム(ワセリンなど)またはオリーブオイルを用意します。
2.お年寄りの体制を整えます。寝たままで行う場合は、ひざを立ててもらい、足を広げてもらいます。トイレで行う場合は、深めに腰掛けて、足を広げてもらいます。寝たままで行う場合は、布団が濡れないように、身体の下にフラットタイプのオムツ(または防水シートなど)を敷きます。
3.手袋をして、ぬるま湯(38度から39度くらい)をかけて、陰部と肛門の汚れを洗い流します。市販の洗浄用シャワーボトル、または洗剤の空きボトルやペットボトル(キャップに穴をあけたもの)などを使って流すと便利です。
4 ガーゼや柔らかいタオルに石けんを含ませて泡立ててから洗います。このとき、ゴシゴシあらうのではなく、優しく洗うようにしましょう。
女性の場合
陰部から肛門に向かって洗います(拭くときも同様です)。肛門から先に拭くと、肛門付近の雑菌が尿道口につき、感染することがあります。
男性の場合
ペニスを持ち上げて、裏側や先端部分も優しく洗います。陰のうへの強い刺激は下腹部の広範囲に痛みを引き起こすため、やさしくていねいに扱います。
5.石けんを十分に洗い流し、乾燥させます。
最後に、肛門周囲や臀部にワセリンなどの撥水性クリームを塗って、皮膚炎を予防しましょう。
清潔保持のために陰部洗浄は大切なケアですが、洗いすぎると皮脂や常在菌による皮膚表面の細菌バランスが崩れて、病原菌や真菌などが増殖しやすくなります。石けんでの洗浄は1日1回程度、石けんを十分に洗い流して、清潔を保持することが皮膚機能維持のために望ましい方法です。
Q6 大便をしたときの陰部の拭き方を教えてください。
A6 使い捨ての「おしり拭き」などを使って、ていねいに拭きましょう。
1.おしりを拭くシート(または濡らした布など)を用意します。写真のように手のひらに巻いて、上の部分を内側に折り返します。
なお、汚れがひどいときには、2、3、4ごとに1枚ずつシートを替えて行います。
Q7 誤って、オムツを洗濯機に入れて洗ってしまいました。オムツの中に入っている吸収材が出て、洗濯機の中がすごい状態になってしまいました。どうしたらいいでしょうか。
A7 安心してください。お塩を使えば、あっという間に解決します!
オムツやパッドを誤って洗濯機で洗ってしまったり、トイレに落としてしまったりして、大変なことになってしまった経験はありませんか。そんなときは、お塩を使えばあっという間に解決します。
オムツの中には、砂状の「ポリマー」という吸収材が入っています。ポリマーは、自重の50〜100倍もの尿をゼリー状に固めることができるのです。こんなにすごい吸収力を誇るポリマーですが、人体には無害であることが確認されています(吸収性樹脂工学会より)。
さて、オムツを洗濯機で洗ったり、トイレに落としてしまうと、ポリマーが水分を固めてしまい、洗濯機が回らなくなったり、トイレが詰まったりして、大変なことになります。
そんなときは、焦らず、慌てず、お塩を準備しましょう。ポリマーは塩に反応して、一度固まらせた水分を液体に戻すのです。トイレなら、握りこぶし1つ分の塩を入れて、2〜3分待ってください。洗濯機の場合は、塩をいれて、かるくすすげば元に戻ります。
オムツの中には、砂状の「ポリマー」という吸収材が入っています。ポリマーは、自重の50〜100倍もの尿をゼリー状に固めることができるのです。こんなにすごい吸収力を誇るポリマーですが、人体には無害であることが確認されています(吸収性樹脂工学会より)。
さて、オムツを洗濯機で洗ったり、トイレに落としてしまうと、ポリマーが水分を固めてしまい、洗濯機が回らなくなったり、トイレが詰まったりして、大変なことになります。
そんなときは、焦らず、慌てず、お塩を準備しましょう。ポリマーは塩に反応して、一度固まらせた水分を液体に戻すのです。トイレなら、握りこぶし1つ分の塩を入れて、2〜3分待ってください。洗濯機の場合は、塩をいれて、かるくすすげば元に戻ります。
最後に……
オムツを上手に使うコツは、安易にオムツを使うのではなく、必要最低限のオムツを時と場所にあわせて使うことです。長時間の外出や夜間には大きめのものを、日中は小さなパッドを使用するなど、工夫することが大切です。
そして、最終的には自分の下着に戻るという目標を忘れないで下さい。紙オムツからパンツタイプへ、差し込み式便器へ、ポータブルトイレへ、そしてトイレ誘導へと、なるべく自然な排泄に戻る努力を続けましょう。
また、失禁が始まったからといって、すぐにオムツを使うのではなく、なるべくオムツに頼らないように、医師に相談することも必要です。
何のためにオムツを使うのか。それは、適切な排泄ケアを行うことで、排泄の失敗による不快感を減らし、お年寄りの尊厳を保持して、いきいきと暮らしてもらうためです。
「いつまでも自分のことは自分で――」。お年寄りが元気に過ごすために、できないことだけお手伝いする。そんな「ミニマルケア」(必要最低限のもので、必要十分のケア)が介護者には求められているのです。
そして、最終的には自分の下着に戻るという目標を忘れないで下さい。紙オムツからパンツタイプへ、差し込み式便器へ、ポータブルトイレへ、そしてトイレ誘導へと、なるべく自然な排泄に戻る努力を続けましょう。
また、失禁が始まったからといって、すぐにオムツを使うのではなく、なるべくオムツに頼らないように、医師に相談することも必要です。
何のためにオムツを使うのか。それは、適切な排泄ケアを行うことで、排泄の失敗による不快感を減らし、お年寄りの尊厳を保持して、いきいきと暮らしてもらうためです。
「いつまでも自分のことは自分で――」。お年寄りが元気に過ごすために、できないことだけお手伝いする。そんな「ミニマルケア」(必要最低限のもので、必要十分のケア)が介護者には求められているのです。
- オムツについてもっと知りたい人のために
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株式会社光洋
紙おむつ事業を柱に、医療・介護用品店、院内売店なのどコンビニエンスショップ事業、患者さんの給食から院内レストランなどのフード事業を全国で展開しています。
URL http://www.koyo-dispars.co.jp/
オムツのご購入は http://www.rakuten.co.jp/koyo-omutsu/