今月の特集 介護を支えるロボット
最終回 介護を支えるロボットのこれから
前回、前々回とすでに実用化され、一般に普及し始めている「介護を支えるロボット」を紹介してきました。今回は研究・開発中のロボットや、これからの状況の一端を見ていきます。
さまざまなロボット
現在、企業や大学、研究所など、さまざまなフィールドで介護に役立つロボットの研究・開発が行われています。いくつかの例を挙げていきます。
ロボットスーツ
身に付けて使用することで人間の力を補うタイプのロボットです。
例えば、脊髄損傷や難病などによって歩行が困難な方が身につけると、ロボットが筋力を補って、一人で歩けるように支援してくれるものがあります。
脳卒中などで腕などが麻痺してしまった方の筋力を補助したり、適度な負荷を与えたりすることで、身体的なリハビリテーションの支援を行うするロボットもあります。
一方、介護する人(健常者)が身につけると、通常よりも強い力・大きな力を出すことができ、移動・移乗の介助時などには足腰に過度な負担をかけずとも、楽に介助ができるよう支援してくれるロボットもあります。
これらは筑波大学(HAL)や神奈川工科大学(パワーアシストスーツ)、本田自動車などで研究・開発されています。
例えば、脊髄損傷や難病などによって歩行が困難な方が身につけると、ロボットが筋力を補って、一人で歩けるように支援してくれるものがあります。
脳卒中などで腕などが麻痺してしまった方の筋力を補助したり、適度な負荷を与えたりすることで、身体的なリハビリテーションの支援を行うするロボットもあります。
一方、介護する人(健常者)が身につけると、通常よりも強い力・大きな力を出すことができ、移動・移乗の介助時などには足腰に過度な負担をかけずとも、楽に介助ができるよう支援してくれるロボットもあります。
これらは筑波大学(HAL)や神奈川工科大学(パワーアシストスーツ)、本田自動車などで研究・開発されています。
コミュニケーション支援型のロボット
音声を認識する機能を持ち、挨拶などの問いかけに対して返事をしたり、呼びかけたりする対話機能を持つものです。人間の顔を認識するものもあります。
また、声で指示を出すと家電などを操作できるリモコン代わりになるものも研究・開発されています。
また、声で指示を出すと家電などを操作できるリモコン代わりになるものも研究・開発されています。
お掃除ロボット
すでに数社から市販されていますので、ご存じの方も多いかも知れません。自動的に室内を動き回り、留守中などでも勝手に床掃除をしてくれるロボットです。
掃除機の操作は意外と腰に負担のかかりやすいものですから、今後も普及していくかもしれません。
掃除機の操作は意外と腰に負担のかかりやすいものですから、今後も普及していくかもしれません。
防犯・防災のための警備ロボット
介護用ではありませんが、外出時などにセットしておくと、異常が発生したときに携帯電話を介して連絡してくれたり、室内の様子をモニターできる機能があるものもあります。
介護を支えるロボットのこれから
介護者がロボットに期待することは人それぞれで違いますが、目の前の介護が楽になることはその期待の一つだと思われます。ロボットを活用することで、介護者の負担の軽減が図れれば、その分、介護者と要介護者の生活の質(QOL)向上にもつながります。浮いた時間や力を他の活動に活かすことができ、その人の生活が豊かになれば、それは大きな効果と言えるでしょう。
しかし、ロボットを介護に使用するということについては、いまだ社会的認知度は低く、経済面のみならず、利用者の安全性確保、規格共通化など、さまざまな課題があることも確かです。
2000年、日本ロボット工業会で介護・福祉ロボットに関する研究会が発足しました。また、昨年から自民党内にロボット政策推進議員連盟が立ち上げられ、ロボット関連新法の制定にも取り組んでいるそうです。経済産業省も2004年に「次世代ロボットビジョン懇談会」の報告書をまとめており、少子・高齢化社会のなかでの人間とロボットの共存を模索しています。将来的に普及が進むと、経済的援助等が法制度の枠組みの中に入る日も来るかもしれません。
今後、ロボットがさらに身近なものになっていくことは間違いなさそうです。
しかし、ロボットを介護に使用するということについては、いまだ社会的認知度は低く、経済面のみならず、利用者の安全性確保、規格共通化など、さまざまな課題があることも確かです。
2000年、日本ロボット工業会で介護・福祉ロボットに関する研究会が発足しました。また、昨年から自民党内にロボット政策推進議員連盟が立ち上げられ、ロボット関連新法の制定にも取り組んでいるそうです。経済産業省も2004年に「次世代ロボットビジョン懇談会」の報告書をまとめており、少子・高齢化社会のなかでの人間とロボットの共存を模索しています。将来的に普及が進むと、経済的援助等が法制度の枠組みの中に入る日も来るかもしれません。
今後、ロボットがさらに身近なものになっていくことは間違いなさそうです。