今月の特集 家庭でできる! お口のケア
最終回 食べること、生きること
前回のおさらい
前回は、ふれあい歯科ごとう代表の五島朋幸先生に、入れ歯との上手なつきあい方をうかがいました。今回で、口腔ケア特集は最終回となります。最後は、五島先生に、口腔ケアのまとめをお願いしたいと思います。
なぜ、口から食べることにこだわるのか
麻痺のある方。パーキンソン病の方。ターミナル期にある方……。人はいろいろな理由で食べることができなくなります。これは、おとしよりが望んでそうなったわけではありません。
たとえば、胃瘻(いろう)。「胃瘻をつくらないと家には帰せないと言われた」「簡単なケアで済むからといわれ、胃瘻にして自宅に戻ったが、ひとり暮らしで大変な思いをしている」……そうした声からわかるように、ともすれば一部の医療者は、胃瘻をゴールと考えてしまいます。栄養は身体に入ればいい、入れるための手段は口でなくてもいい、チューブでもなんでもいい。そんなふうにもとれます。おとしよりの生活全体を見逃してしまっている結果なのです。
五島先生は、同じ医療者として、1人の生活者として、口から食べることの大切さを訴えていきたいと考えています。実際、長い間口から食べられなかった方々が、ほんの少しの水分をゴクンと飲んだとき、スプーン1杯のゼリーを食べたとき、瞳にかつての輝きが戻るといいます。そのたび五島先生は思うのです。
食べることは、生きることなのだと。
1人でも多くの人が、飲み込む・食べるという機能を正しく、「普通に」理解できることを願っています。
たとえば、胃瘻(いろう)。「胃瘻をつくらないと家には帰せないと言われた」「簡単なケアで済むからといわれ、胃瘻にして自宅に戻ったが、ひとり暮らしで大変な思いをしている」……そうした声からわかるように、ともすれば一部の医療者は、胃瘻をゴールと考えてしまいます。栄養は身体に入ればいい、入れるための手段は口でなくてもいい、チューブでもなんでもいい。そんなふうにもとれます。おとしよりの生活全体を見逃してしまっている結果なのです。
五島先生は、同じ医療者として、1人の生活者として、口から食べることの大切さを訴えていきたいと考えています。実際、長い間口から食べられなかった方々が、ほんの少しの水分をゴクンと飲んだとき、スプーン1杯のゼリーを食べたとき、瞳にかつての輝きが戻るといいます。そのたび五島先生は思うのです。
食べることは、生きることなのだと。
1人でも多くの人が、飲み込む・食べるという機能を正しく、「普通に」理解できることを願っています。
あたりまえのことを、あたりまえに
口から食べること。人間にとってあたりまえのことです。それを心にとめおき、みなさんのケアに生かしていただければ、これ以上の喜びはありません。
今日から始める口腔ケア。ぜひ、あなたも実践してみてください。
今日から始める口腔ケア。ぜひ、あなたも実践してみてください。
五島先生の最新作
さまざまなことに挑戦する五島先生。これからの活動にも期待します。
『愛は自転車に乗って〜歯医者とスルメと情熱と〜』
(著者:五島朋幸 発行:一橋出版、2007年 価格:¥1,680)
五島先生の小説家デビュー作。病気のために口からうまく食べられなくなった人に、なんとかして「食べる喜び」を再び感じてもらいたいと奮闘する熱血歯科医師の情熱と、そうなることを願って一生懸命支える家族の愛を描いた感動の物語。
新宿での10年に及ぶ訪問歯科診療の体験に基づいて、軽快に、爽やかに、そして熱く診療の模様が描かれています。
- 五島先生をもっと知りたい人のために
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基本的に、午前は診療所にて歯科診療を行い、午後は訪問診療に出かけられます。ご相談などがある場合は、下記までご連絡ください。
■ふれあい歯科ごとう
〒169-0074 東京都新宿区北新宿4-11-13せらび新宿1階
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FAX 03(5338)8837