第32回 尿失禁の種類と紙おむつの選び方(3)〜前立腺肥大症と切迫性尿失禁〜
読者の皆さん、こんにちは。
今回は失禁シリーズの最後で、前立腺肥大症と切迫性尿失禁についてです。
今回は失禁シリーズの最後で、前立腺肥大症と切迫性尿失禁についてです。
前立腺肥大症と溢流性尿失禁
前立腺肥大症って?
溢流性尿失禁の1つで、男性特有の失禁であるのが前立腺肥大症です。膀胱の下にある前立腺が肥大化することで尿道を圧迫して起こる失禁です。
イメージとしては、庭に水をまくホースを思い浮かべてください。
蛇口をひねっても手元に水がチョロチョロとしか出てこない!? これはホースが途中で折れ曲がってしまっているからです。
このように膀胱から尿を出そうとはするものの、途中で尿道が肥大化した前立腺に押され、通り道(尿道)が狭くなってしまっていることが原因なのです。
イメージとしては、庭に水をまくホースを思い浮かべてください。
蛇口をひねっても手元に水がチョロチョロとしか出てこない!? これはホースが途中で折れ曲がってしまっているからです。
このように膀胱から尿を出そうとはするものの、途中で尿道が肥大化した前立腺に押され、通り道(尿道)が狭くなってしまっていることが原因なのです。
症状・漏れる量など
状態にもよりますが、
・チョロチョロと漏れる
・尿に勢いがなく尿を出し終える際はポタポタと漏れる(便器の周りを汚してしまう)
・尿が飛び散ってしまう(便器の周りを汚してしまう)
・(尿を出し切っていないため)またトイレに行きたくなる。残尿感が強い。
※まず、一度に1回分の尿が漏れることはありません。
・チョロチョロと漏れる
・尿に勢いがなく尿を出し終える際はポタポタと漏れる(便器の周りを汚してしまう)
・尿が飛び散ってしまう(便器の周りを汚してしまう)
・(尿を出し切っていないため)またトイレに行きたくなる。残尿感が強い。
※まず、一度に1回分の尿が漏れることはありません。
失禁による生活上の支障等(介護の視点)
残尿感があり、何度もトイレに行きたくなります。そのため、何かに集中しきれずに落ち着かないことがあります。
紙おむつの選び方等
失禁パンツ(尿漏れパッドの付いた下着)が一番良いでしょう。男性器はどうしても動いてしまうため、普通の下着+尿取りパットよりは動きやすく、ずれることもありません。
また、便器周りを尿で汚すことが気になるのであれば、薄い消臭マットを敷くのも有効です。
また、便器周りを尿で汚すことが気になるのであれば、薄い消臭マットを敷くのも有効です。
切迫性尿失禁
切迫性尿失禁とは?
通常、「もう、おしっこしても良い!」という指令は、トイレに入り便座に座ってから出るものです。しかし、脳や脊髄に問題を抱えている場合は、こうした指令がトイレにたどり着く前に出てしまいます。また、脳などには問題がなくても、急に強い尿意を感じて排尿したくなること(不安定膀胱)もあります。いずれもトイレに行くまでの間に漏れてしまう失禁です。
漏れる量
1回分の尿が出てしまいます。
漏れにつながる動作/失禁により生活上の支障等(介護の視点)
トイレまで我慢できす急に強い尿意が襲ってくるため、被介助者の中には急いでトイレに駆け込むことがあります。これはかえって膀胱を揺らしてしまい、「もう、いいのかな?」と膀胱が錯覚を起こし、余計に我慢できない状況や膀胱に尿が溜められない状態を作り出してしまいます。介助者は以下(おむつの選び方等)のことを参考にして頂き、被介助者を急かすことないように見守ることが良いでしょう。
紙おむつの選び方等
紙おむつ選びは、一回分の尿量を吸収できるだけの紙おむつが良いでしょう。また、失禁を防ぐ為には、急がないことや膀胱に尿を溜めることが大切です。
・まず、急がないこと(走らない)
・トイレまでの移動中、骨盤底筋群をしめながら歩く(第30回参照)
・尿意を感じたら他のことを考える(気をそらす)
・(夜間など心配な場合は)念のため近くにポータブルトイレや尿器を置いておく
・まず、急がないこと(走らない)
・トイレまでの移動中、骨盤底筋群をしめながら歩く(第30回参照)
・尿意を感じたら他のことを考える(気をそらす)
・(夜間など心配な場合は)念のため近くにポータブルトイレや尿器を置いておく
以上、3回にわたり4つの失禁タイプについて解説をしてきました。
次回からは入浴について解説等します。
※次回は、8月10日(火)に公開予定です。
次回からは入浴について解説等します。
※次回は、8月10日(火)に公開予定です。