第18回 食事の介助方法(1) 〜車いすでの食事の危険〜
読者のみなさん、こんにちは。
今回から「食事介助」をテーマに解説していきます。飲食は1日3回程の食事をはじめ、お茶やコーヒー等を口にすることも含めれば、数多い生活場面です。被介助者の状態によって、ベッドや車いす上での介助場面も多いのではないでしょうか。
まず1回目の今回は、「車いす上での食事の姿勢」について考えてみます。
今回から「食事介助」をテーマに解説していきます。飲食は1日3回程の食事をはじめ、お茶やコーヒー等を口にすることも含めれば、数多い生活場面です。被介助者の状態によって、ベッドや車いす上での介助場面も多いのではないでしょうか。
まず1回目の今回は、「車いす上での食事の姿勢」について考えてみます。
車いす上での食事の危険性
老人ホームなど施設でも、車いすに座った状態のまま食事をしている高齢者(食事介助している職員)の姿はよく見かけられます。
では、車いす上での食事は食べやすいのでしょうか? 個人差はあるものの、被介助者からすれば食べづらい姿勢であるといえます。車いす上で食べることで、結果として主に以下の3点を引き起こす可能性があるのです。
では、なぜこうした問題が生じるのでしょうか?
主な要因として、以下の3つが挙げられます。
a.車いすの構造
b.被介助者の姿勢
c.介助者の介助方法
これらが1つまたは複数重なることで、(1)〜(3)を引き起こしやすくなるのです。
では、車いす上での食事は食べやすいのでしょうか? 個人差はあるものの、被介助者からすれば食べづらい姿勢であるといえます。車いす上で食べることで、結果として主に以下の3点を引き起こす可能性があるのです。
(1)食欲不振
(2)嘔吐
(3)誤嚥(誤嚥性肺炎の原因に)
(2)嘔吐
(3)誤嚥(誤嚥性肺炎の原因に)
では、なぜこうした問題が生じるのでしょうか?
主な要因として、以下の3つが挙げられます。
a.車いすの構造
b.被介助者の姿勢
c.介助者の介助方法
これらが1つまたは複数重なることで、(1)〜(3)を引き起こしやすくなるのです。
車いすの構造
車いすの座面は、前部(膝)と後部(臀部)が平行ではありません。後部のほうが前部より2〜3センチ低く傾斜になっているのです。ですから必然的に膝が持ち上がるような姿勢になるのです。足元は、フットレスト(足を乗せる部分)に足を乗せているため、必要以上に膝が上がった状態が考えられます。
被介助者の姿勢
膝が(必要以上に)上がった状態のまま前傾姿勢になると腹圧がよりお腹にかかってしまいます。また、食事介助を必要とする被介助者の中には紙おむつ等を使っている人も多いです。紙おむつ等のゴムやテープでお腹を締め付けていると、より強い腹圧がかかります。このように腹圧が必要以上にかかった状態での食事では、苦しくて食事が進まない(食欲の不振)、食べた物が押し戻されてしまいかねないのです(嘔吐)。
車いすに座ったまま食べるのは基本的には避けたほうが良いでしょう。
「c.介助者の介助方法」については次回解説します。
撮影協力:
○まんてん堂 ひょうご湊(神戸市兵庫区)
○(株)ベストウエル ベストケア神戸(神戸市中央区)
「c.介助者の介助方法」については次回解説します。
撮影協力:
○まんてん堂 ひょうご湊(神戸市兵庫区)
○(株)ベストウエル ベストケア神戸(神戸市中央区)