第15回 車いすからベッドへの移乗介助(7)〜全介助の方法(1)〜
前回までは、片麻痺や自らの力を活用し起立可能な方を対象としていましたが、今回からは(基本的に)全介助が必要な方への介助方法の解説です。
被介助者の状態
加齢に伴い体力が低下している人、骨折などで足に負荷をかけられない人、下半身麻痺の人など
よく見かける介助方法
まずは、よく見かける介助方法を紹介します。これはお勧めできない方法ですが、問題点を明確にするため、あえて紹介します。
※被介助者は(基本的には)すべての動きを介助者に任せる形となります
※被介助者は(基本的には)すべての動きを介助者に任せる形となります
介助者の構え方・介助方法(写真の位置で解説)
○被介助者に両腕(手)を肩に回してつかまってもらうようにします(被介助者の顎は介助者の肩に乗る形となります)
○被介助者の腰に両手を回すかズボンなどをつかみます
○介助者は被介助者の腰をつかみ、真上に持ち上げるように立ち上がらせます
○立ち上がったら腰を回旋させ、ベッド側に被介助者の身体を振りベッドに座らせます
被介助者の視点からみた5つの問題点
では、この「よく見かける介助方法」は何がよくないのでしょうか。被介助者の立場で考えると、次のような問題点が考えられます。
1.捻挫・骨折等のおそれ
※被介助者の両足の間に介助者の足が入った状態で、身体を回旋させられることが原因です(第12回参照)
2.肩の脱臼のおそれ
3.顎があがって苦しい
※2、3は介助者の肩に両手を回して顎を上げざるを得ないのが原因です
4.腰が痛い
※腰に手を回され介助動作時に負荷をかけられることが原因です
5.不安・力み
※写真1のように、被介助者は顔が上を向いてしまい、被介助者は着地点(ベッドサイド)が最初から見えていません。そのため、どこに行くのか等、不安感を抱きます。さらに、身体を介助者に持ち上げられるように立ち上がるので、立ち上がる際の前傾姿勢が取れていませんから、被介助者は介助を受ける最中、力んでしまいます。その力みは介助者にも伝わりますので、お互いが必要以上に力を入れてしてしまいます。
1.捻挫・骨折等のおそれ
※被介助者の両足の間に介助者の足が入った状態で、身体を回旋させられることが原因です(第12回参照)
2.肩の脱臼のおそれ
3.顎があがって苦しい
※2、3は介助者の肩に両手を回して顎を上げざるを得ないのが原因です
4.腰が痛い
※腰に手を回され介助動作時に負荷をかけられることが原因です
5.不安・力み
※写真1のように、被介助者は顔が上を向いてしまい、被介助者は着地点(ベッドサイド)が最初から見えていません。そのため、どこに行くのか等、不安感を抱きます。さらに、身体を介助者に持ち上げられるように立ち上がるので、立ち上がる際の前傾姿勢が取れていませんから、被介助者は介助を受ける最中、力んでしまいます。その力みは介助者にも伝わりますので、お互いが必要以上に力を入れてしてしまいます。
介助者の視点からみた問題点
被介助者は前傾姿勢を取りづらいため、介助者は被介助者の身体を上に持ち上げるようになり、腕や腰に相当な力が必要となります。結果、腱鞘炎や腰痛になるおそれのある方法なのです。
撮影協力:
○まんてん堂 ひょうご湊(神戸市兵庫区)
○(株)ベストウエル ベストケア神戸(神戸市中央区)
撮影協力:
○まんてん堂 ひょうご湊(神戸市兵庫区)
○(株)ベストウエル ベストケア神戸(神戸市中央区)