第24回 車いすの介助(3)〜介助中のけがと介助者の視野(視界)〜
読者の皆さん、早いもので連載開始から1年が経過しました。
今回は車いす介助の3回目で、介助中の介助者の視野等について考え解説します。
今回は車いす介助の3回目で、介助中の介助者の視野等について考え解説します。
車いす介助の場面
家の中はもちろん、外出の際は外で車いす介助をすることになります。家の中とは違い、街中では車やバイクとすれ違ったり、曲がり角からの急な飛び出しに遭遇することもあります。なおかつ、平らな道はないと言ってよいでしょう。車道はかまぼこ型になっていて、歩道も傾斜のついた箇所が多く(車が道路沿いの店に入りやすくするため)、介助者も被介助者も楽ではありません。介助者は神経を使い疲れてしまうのではないでしょうか。
一般的な車いすの押し方(介助方法)
車いすの介助用グリップ(ハンドル)を両手で握って押します。
車いす介助中のけが
介助者は家の中も含め、特に外出中は安全(スピードや段差の乗り越え等)に気を付けていることでしょう。そんな状況でも被介助者がけが等をしてしまうことがあります。
<よくある被介助者のけが>
○皮膚の剥離・・・肘を車いすのタイヤに擦ってしまうため
○足首の捻挫等・・・フットレスト(足を置く台)から足が落ちてしまうため
こうしたけがはなぜ起こってしまうのでしょうか?
それは、介助者の視野(視界)が限られ、介助者の目から見えないところができてしまうことが原因なのです。
<よくある被介助者のけが>
○皮膚の剥離・・・肘を車いすのタイヤに擦ってしまうため
○足首の捻挫等・・・フットレスト(足を置く台)から足が落ちてしまうため
こうしたけがはなぜ起こってしまうのでしょうか?
それは、介助者の視野(視界)が限られ、介助者の目から見えないところができてしまうことが原因なのです。
介助者の視野(視界)
車いすを押している際、介助者は被介助者の何(どこ)が見えて、何(どこ)は見えないでしょうか?(介助者や被介助者の身長等により若干の違いはありますが)
<見えるところ>
被介助者の後頭部、両肩、両腕、進行方向の風景
<見えないところ>
被介助者の顔(表情)、両足(特に足もと)、両肘の角度(擦れているかどうかまではわからない)
<見えるところ>
被介助者の後頭部、両肩、両腕、進行方向の風景
<見えないところ>
被介助者の顔(表情)、両足(特に足もと)、両肘の角度(擦れているかどうかまではわからない)
次回は、被介助者の不安や気持ちについて解説します。
撮影協力:
○まんてん堂 ひょうご湊(神戸市兵庫区)
○(株)ベストウエル ベストケア神戸(神戸市中央区)
○NPO法人 泉南ドリーム(大阪府泉南市)