第5回 立ち上がりの介助(1)
今回は、立ち上がりの介助について解説します。
被介助者の中には、その日の体調や腰痛の具合、座る椅子・ソファの高さや硬さによって、立つことが困難になる場合があります。立ってしまえば歩けるけれど、立つ動作がつらいという方もいます。
被介助者の中には、その日の体調や腰痛の具合、座る椅子・ソファの高さや硬さによって、立つことが困難になる場合があります。立ってしまえば歩けるけれど、立つ動作がつらいという方もいます。
人はどのように立ち上がる?
介助方法を考える前に、まず人がどのような動作で立ち上げるのかを確認してみましょう。写真のように、肩幅程度に両足を開き、上半身を前傾しながら両手は膝や(ソファの)肘置きなどをつかみ、勢いをつけて立ち上がります。
ここで大切なのは、「前傾姿勢をとる!」ことです。前傾しないと、立ち上がることはできないのです。このことをしっかり理解しておきましょう。
ここで大切なのは、「前傾姿勢をとる!」ことです。前傾しないと、立ち上がることはできないのです。このことをしっかり理解しておきましょう。
ソファからの立ち上がり
・被介助者の想定:左麻痺(麻痺がない場合も介助方法は同じです)
・介助のポイント:被介助者が前傾姿勢をとれるように介助しよう!!
<被介助者の動き>
・ソファ(や椅子)に座っています。左麻痺はありますが、右半身は使える状態です。
・リラックスした状態で両足は肩幅程度に開いておきます。
<介助者の動き>
(1)被介助者の麻痺側に立つ(麻痺がなければ介助しやすい側に)。
(2)正面を向いた被介助者の横につき、少し足を開いて構えます。
(3)被介助者がソファの背にもたれかかっている状態であれば、上半身を前傾させ、背もたれから離します。
・介助のポイント:被介助者が前傾姿勢をとれるように介助しよう!!
<被介助者の動き>
・ソファ(や椅子)に座っています。左麻痺はありますが、右半身は使える状態です。
・リラックスした状態で両足は肩幅程度に開いておきます。
<介助者の動き>
(1)被介助者の麻痺側に立つ(麻痺がなければ介助しやすい側に)。
(2)正面を向いた被介助者の横につき、少し足を開いて構えます。
足を開く理由
被介助者が立ち上がった際、身体を支えやすくするため。
(3)被介助者がソファの背にもたれかかっている状態であれば、上半身を前傾させ、背もたれから離します。
※差し入れた右手で被介助者の腕を握らないように注意しましょう。
※介助者の左手は、被介助者の左手(腕)が立ち上がりの際に浮いてしまわないようにするため、軽く上からかぶせるように支えます。
※麻痺側の腕に拘縮等がある場合は、無理に伸ばすことはせず、腕に左手を添えるか、(麻痺側の)膝が外に開かないように添えましょう。
(5)ここから立ち上がりの動作に移ります。
※立ち上がる動作は人間が普段、立つ際にとる自然な動作と同じです!
(6)被介助者に健側の手を膝やソファの上(肘置きなど)に乗せてもらい、勢いをつけて立つように声をかけます(1・2・3など)。
(7)介助者の身体の動きとしては、写真のように、少しかがんだ状態から被介助者の動作に合わせるようにします。被介助者の健側の力を有効に活用することもポイントです。
※立ち上がる際、被介助者の上半身を無理に持ち上げないように注意しましょう。
撮影協力:メッセコミュニティケアセンターつつじ野(兵庫県加古川市)