第6回 立ち上がりの介助(2)
注意が必要な介助方法(1)
まず初めに、「注意が必要な介助方法」を2つ紹介します。これらは多くの介助者が以前から日常的に行っている方法です。2つの共通点は、動作の中心が介助者になっているところです。
被介助者の状況:ソファに座っている(麻痺等はなし)。
被介助者の状況:ソファに座っている(麻痺等はなし)。
・被介助者の正面に立ち、向かい合わせになる。
なぜ注意が必要なのか?
・立ち上がる際の被介助者の上半身の動きが「前傾姿勢」になっていない(前回の“人はどのように立ち上がる?”を参照)。
・被介助者の両手を持って引っ張ることで、腕の痛み、肩の脱臼などの危険性がある。
・被介助者が持っている力を活かせていない。
・立ち上がる際の被介助者の上半身の動きが「前傾姿勢」になっていない(前回の“人はどのように立ち上がる?”を参照)。
・被介助者の両手を持って引っ張ることで、腕の痛み、肩の脱臼などの危険性がある。
・被介助者が持っている力を活かせていない。
注意が必要な介助方法(2)
被介助者の状況:肩幅程度に足を開いた状態でソファに座っている(左半身麻痺あり)。
<介助方法>
・被介助者の正面に立ち、向かい合わせになる。
<介助方法>
・被介助者の正面に立ち、向かい合わせになる。
なぜ注意が必要なのか?
・(1)と同様、「前傾姿勢」がとれない(正面に密着して介助者が構えているため)。
・被介助者の顔(顎)が上がり苦しくなる。
・被介助者の健側の力を活かせていない。
・被介助者の腰に手を回した場合は、腰が引っ張られて腰痛となる危険がある。
・ズボンを持つと下着等が股間やお尻に食い込んでしまい、不快な感じが続く上、ソケイ部が圧迫され、血流が悪くなる場合もある。
・(1)と同様、「前傾姿勢」がとれない(正面に密着して介助者が構えているため)。
・被介助者の顔(顎)が上がり苦しくなる。
・被介助者の健側の力を活かせていない。
・被介助者の腰に手を回した場合は、腰が引っ張られて腰痛となる危険がある。
・ズボンを持つと下着等が股間やお尻に食い込んでしまい、不快な感じが続く上、ソケイ部が圧迫され、血流が悪くなる場合もある。
※この2つの方法では、立ち上がる際に上半身の前傾姿勢がとれないため、被介助者は不自然でつらい動作になってしまいます。
在宅での応用編
被介助者の横について介助が難しい場合などは、食卓の椅子などを利用して立ち上がる動作を補いましょう。
・ソファの前に椅子(背もたれ側)を置く。
・被介助者がソファの背もたれから前傾姿勢になるまでは同じ。
・被介助者は椅子の背もたれの上部を持って立つ。
※このままでは椅子が倒れてしまうので、介助者は椅子が倒れないように座るなどしておくと、おもりとなり安心でしょう。肘付椅子の場合は椅子の向きを反対にしる方法もあります。
次回は7月7日(火)、更新予定です。
撮影協力:メッセコミュニティケアセンターつつじ野(兵庫県加古川市)
撮影協力:メッセコミュニティケアセンターつつじ野(兵庫県加古川市)