第8回 福祉用具の理解と活用(2)〜エアマット編〜
けあサポをご覧のみなさん、こんにちは。早いもので8回目を迎えました。
今回は電動ベッドの付属品として、在宅・介護施設でも多く使われている「エアマット(床ずれ防止用具)」について解説します。
今回は電動ベッドの付属品として、在宅・介護施設でも多く使われている「エアマット(床ずれ防止用具)」について解説します。
特徴:
ポンプからエアを送り、複数のセル(エアが入る部分のこと・コブのようにも見える)が拡張(エアが入る)したり、収納(エアが抜ける)したりして身体を支え、床ずれの予防に役立つもの。マットの素材としては、ナイロンタフタ・ウレタンフィルムなど。
選び方および注意点(1)
座位が不安定になる可能性がある
エアの入るセルの大きさやマット全体の厚さは、メーカー機種等により違います。セルにエアを入れた状態でマットの厚さを見ると、薄いもので約5センチ程度、厚いもので20cm程度のものがあります。
マットの厚みの選定はとても重要です。前回解説したように、電動ベッドは高低の調整が可能で、一番低い設定で25〜32cm程度です。仮に電動ベッドの高さを30cmとし、その上に8cm(一般的なもので7〜9cm)の厚みのある通常のマットレスを敷いた上に、エアマットを使用したらいったい何センチの高さになるでしょう。
エアマット10cmとしても床から48cmの高さとなります。この高さでは、ほとんどの人はベッドサイドに座って足が床に届きません。また、使用する際はエアマット本体の上にシーツ類を掛けて使うことが多いでしょうが、エアマット本体の素材はナイロンタフタ・ウレタンフィルム等が中心です。商品によっては失禁等で濡れてもふき取りやすい反面、滑りやすいともいえます。ベッドサイドで座位を取った際にしっかりと足で踏ん張らないとお尻が滑り不安定な座位になってしまい、前転や滑り落ちるといった可能性がありますから注意が必要です。
※使い方としては、電動ベッド本体の上に、通常のマットレスを使わずエアマットを直接設置している場面も時より見かけます。この場合は、エアマット本体自体が固定できず、ズレやすくなるのを注意し、滑り止めなどの工夫は必要でしょう。
マットの厚みの選定はとても重要です。前回解説したように、電動ベッドは高低の調整が可能で、一番低い設定で25〜32cm程度です。仮に電動ベッドの高さを30cmとし、その上に8cm(一般的なもので7〜9cm)の厚みのある通常のマットレスを敷いた上に、エアマットを使用したらいったい何センチの高さになるでしょう。
エアマット10cmとしても床から48cmの高さとなります。この高さでは、ほとんどの人はベッドサイドに座って足が床に届きません。また、使用する際はエアマット本体の上にシーツ類を掛けて使うことが多いでしょうが、エアマット本体の素材はナイロンタフタ・ウレタンフィルム等が中心です。商品によっては失禁等で濡れてもふき取りやすい反面、滑りやすいともいえます。ベッドサイドで座位を取った際にしっかりと足で踏ん張らないとお尻が滑り不安定な座位になってしまい、前転や滑り落ちるといった可能性がありますから注意が必要です。
※使い方としては、電動ベッド本体の上に、通常のマットレスを使わずエアマットを直接設置している場面も時より見かけます。この場合は、エアマット本体自体が固定できず、ズレやすくなるのを注意し、滑り止めなどの工夫は必要でしょう。
選び方及び注意点(2)
腰痛になる可能性がある
セルの大きさやエアの量(圧)にもよりますが、身体を支えるものがエアの入ったセルです。セルは時間ごとにエアの入る部分を自動的に変える仕組みにもなっています。支える面が通常のマットレスや布団と違いどうしてもやわらかくなってしまうため、仰向けで寝ているとお尻や腰が下がってします傾向にあります。人間が仰向けで寝た際の体圧は、全体を100とすると頭部に約7%・胸部に33%・臀部に44%・脚部が16%といった割合で圧がかかります。一番お尻にかかる圧が多いため、お尻が沈むに引きつられるように腰にかかる負担も大きくなるのです。エアマットを継続して使用すると“腰痛”になる可能性があるのです。腰痛になれば車いすに座っている時間や姿勢にも影響が出てしまい生活範囲が狭まってしまうことにもつながります。
したがって、毎日のことで大変でありますが、福祉用具を被介助者の身体状況等に応じて選定した上で、適度な座位や体位変換等も合わせて行うことが大切です。
したがって、毎日のことで大変でありますが、福祉用具を被介助者の身体状況等に応じて選定した上で、適度な座位や体位変換等も合わせて行うことが大切です。