第30回 尿失禁の種類と紙おむつの選び方等(1)〜腹圧性尿失禁〜
読者の皆さん、こんにちは。
今回から排泄をテーマに、失禁のタイプと紙おむつの選び方等について解説します。この連載では、医療面からではなく介護の視点から、失禁とその対応方法等を考えます。
尿失禁には、4つのタイプがあります。腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性(いつりゅうせい)尿失禁、機能性尿失禁です。今回は腹圧性尿失禁について解説していきます。
今回から排泄をテーマに、失禁のタイプと紙おむつの選び方等について解説します。この連載では、医療面からではなく介護の視点から、失禁とその対応方法等を考えます。
尿失禁には、4つのタイプがあります。腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性(いつりゅうせい)尿失禁、機能性尿失禁です。今回は腹圧性尿失禁について解説していきます。
腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁は、女性に多い失禁です。高齢者に限ったことではなく出産後の女性にも見られるので、何らかの状況で経験した女性も多いのではないでしょうか。
腹圧性尿失禁は、尿道・膣・肛門を締め付けている骨盤底筋が出産や加齢に伴い緩んでしまうことにより起きる失禁です。尿を膀胱に溜めてトイレで普通に用をたすこともできます。ただ、骨盤底筋の締め付ける力が弱いため、腹圧がかかった瞬間に漏れる可能性があります(個人および状態により差があります)。
腹圧性尿失禁は、尿道・膣・肛門を締め付けている骨盤底筋が出産や加齢に伴い緩んでしまうことにより起きる失禁です。尿を膀胱に溜めてトイレで普通に用をたすこともできます。ただ、骨盤底筋の締め付ける力が弱いため、腹圧がかかった瞬間に漏れる可能性があります(個人および状態により差があります)。
漏れにつながる動作
くしゃみ・咳、笑う、寝返り、飛び上がる、重いものを持つ、階段の上り下り など
漏れる量
数ccの漏れです。一度に溜まっている尿が出てしまうことはありません。
失禁による生活上の支障等(介護の視点)
お腹に力がかかるたびに漏れる可能性があるので、外出(買い物や旅行など)することが嫌になってしまう人が多いです。被介助者の中には、漏れ始めの頃、濡れた下着を家族に見られたくない・知られたくないとの思いから、部屋の片隅やタンスの奥に隠すという行為出る人が多いです。
乳幼児期におむつが取れてから長年、一人で行ってきた行為である上、排泄行為は他人には見られたくないプライバシーを重んじる行為でもあります。こうした行為に支障がきたすことで、自分のプライドを自分自身で傷つけてしまうのです。中には一人で悩み、家に引きこもってしまう場合もあります。周りの家族等は責めたりしないでしょうが、家族の笑っている姿さえ、被介助者本人からすれば“失禁したことを笑っているのでは?”と悲観的な思いにもなるものです。
乳幼児期におむつが取れてから長年、一人で行ってきた行為である上、排泄行為は他人には見られたくないプライバシーを重んじる行為でもあります。こうした行為に支障がきたすことで、自分のプライドを自分自身で傷つけてしまうのです。中には一人で悩み、家に引きこもってしまう場合もあります。周りの家族等は責めたりしないでしょうが、家族の笑っている姿さえ、被介助者本人からすれば“失禁したことを笑っているのでは?”と悲観的な思いにもなるものです。
紙おむつ等の選び方
一度で漏れる量は数ccであることから、さまざまなタイプのおむつを選ぶことができます。生理用品と同じような大きさの物も数多く市販されています。
被介助者が歩行可能でトイレにも自力で行ける場合は、
・昼間、買い物に行くのであれば、15cc〜程度のパッド、
・長時間の外出であれば、50cc〜100cc程度のパッドや予備
を持参することで、安心して外出が可能となるでしょう。寝るとき(起きないのであれば)は150〜200cc程度の尿パッドが、何度も寝返りをすることを考えれば安心かもしれません。
また、外出前や寝る前にトイレに行くことで、漏れる機会を減らすことができるのではないでしょうか。ただし、漏れが気になり何度も何度も繰り返しトイレに行くと、かえって膀胱に尿が溜められなくなる恐れもあるので気をつけましょう。
漏れの状態や行動に合わせたパッド等を選ぶことで、被介助者のプライドを傷つけず、自ら前向きな生活が送ろうとする大きな要素になるでしょう。
被介助者が歩行可能でトイレにも自力で行ける場合は、
・昼間、買い物に行くのであれば、15cc〜程度のパッド、
・長時間の外出であれば、50cc〜100cc程度のパッドや予備
を持参することで、安心して外出が可能となるでしょう。寝るとき(起きないのであれば)は150〜200cc程度の尿パッドが、何度も寝返りをすることを考えれば安心かもしれません。
また、外出前や寝る前にトイレに行くことで、漏れる機会を減らすことができるのではないでしょうか。ただし、漏れが気になり何度も何度も繰り返しトイレに行くと、かえって膀胱に尿が溜められなくなる恐れもあるので気をつけましょう。
漏れの状態や行動に合わせたパッド等を選ぶことで、被介助者のプライドを傷つけず、自ら前向きな生活が送ろうとする大きな要素になるでしょう。
治療(対応)方法
手術、服薬、骨盤底筋体操があります。このうち、手術・服薬は専門医の診断等が必要です。介護面で可能なのは、すぐに効果は得られませんが、筋力を強化する骨盤底筋体操です。年齢に関係なく、一人でテレビを見ながら家の中で抵抗なく実施できます。
薬局などにも体操のパンフレットが置いてありますので、一度探してみてはいかがでしょうか。
薬局などにも体操のパンフレットが置いてありますので、一度探してみてはいかがでしょうか。