第12回 車いすからベッドへの移乗介助(4)〜片麻痺の介助(1)〜
今回からは片麻痺の被介助者に対する移乗介助についてです。
これから紹介する介助方法は、施設などでもよく見かけますが、実は私としては皆さんにおすすめできない方法なのです。
これから紹介する介助方法は、施設などでもよく見かけますが、実は私としては皆さんにおすすめできない方法なのです。
被介助者の状態
左麻痺とします(健側は右になります)。
よく見かける介助方法
○被介助者の健側の右手(腕)を自分(介助者)の首や肩にまわしてもらいます(つかんでもらいます)
○被介助者の腰を引き寄せるように両手を回し組みます(写真2、3)
またはズボンを持つ場合もあります(写真4)
※この時点で、介助者の状態は腰の曲がった前傾姿勢か膝を曲げた中腰の姿勢です。
○被介助者の腰を引き寄せるように両手を回し組みます(写真2、3)
またはズボンを持つ場合もあります(写真4)
※この時点で、介助者の状態は腰の曲がった前傾姿勢か膝を曲げた中腰の姿勢です。
○介助者は被介助者の上体を持ち上げるように立ち上がります(写真5)
○立ち上がったらベッド側に回転し(約90度)、被介助者を座らせます
なぜおすすめできないのか?
<被介助者のつらいところ>
○あごが上がって苦しそう!
○腰が引き寄せられ痛そう!
○麻痺側の左足が介助者の右足に巻き込まれて痛そう!捻挫等の危険あり!(写真7)
(両足の間に介助者の右足が入っている状態で身体を回転するため)
○あごが上がって苦しそう!
○腰が引き寄せられ痛そう!
○麻痺側の左足が介助者の右足に巻き込まれて痛そう!捻挫等の危険あり!(写真7)
(両足の間に介助者の右足が入っている状態で身体を回転するため)
○ベッドサイドが視界に入っていない(行き先が見えないと不安!)
○前傾姿勢で立ち上がっていない!(真上に持ち上げられているような困難な動き)
○健側の右手が使われていない!
※被介助者はこのような苦しい姿勢や不安があるため、どうしても力んでしまいます。介助の際、介助者にしがみつこうとするのは、こうした苦しい姿勢だからです。
<介助者のつらいところ>
○被介助者を真上に抱え上げるため力が必要で、腰や腕に負担がかかってしまう
○被介助者の健側の力を奪ってしまう(首に健側の右手・腕をまわしてもらっているため自由に使えない状態で、自立支援になっていない)
※被介助者がしがみついてくるため、介助者も必要以上の力を必要とします。
以上のように、被介助者・介助者双方にとって負担のかかる方法になっています。
被介助者の持っている力(健側)を活かすことを前提に考えることが必要です。
※次回は10月6日(火)に更新予定です。
撮影協力:
○まんてん堂 ひょうご湊(神戸市兵庫区)
○(株)ベストウェル ベストケア神戸(神戸市中央区)
○前傾姿勢で立ち上がっていない!(真上に持ち上げられているような困難な動き)
○健側の右手が使われていない!
※被介助者はこのような苦しい姿勢や不安があるため、どうしても力んでしまいます。介助の際、介助者にしがみつこうとするのは、こうした苦しい姿勢だからです。
<介助者のつらいところ>
○被介助者を真上に抱え上げるため力が必要で、腰や腕に負担がかかってしまう
○被介助者の健側の力を奪ってしまう(首に健側の右手・腕をまわしてもらっているため自由に使えない状態で、自立支援になっていない)
※被介助者がしがみついてくるため、介助者も必要以上の力を必要とします。
以上のように、被介助者・介助者双方にとって負担のかかる方法になっています。
被介助者の持っている力(健側)を活かすことを前提に考えることが必要です。
※次回は10月6日(火)に更新予定です。
撮影協力:
○まんてん堂 ひょうご湊(神戸市兵庫区)
○(株)ベストウェル ベストケア神戸(神戸市中央区)