国家試験を突破して晴れて社会福祉士の資格を取得した皆さんに、効果的な勉強法や仕事をしながら勉強を続けるコツ、資格を仕事に活かす展望などについてうかがいました。
第43回 FISHさん
知的障害者施設 社会福祉士
FISHさんが使った参考書
2012社会福祉士国家試験過去問解説集 第21回―第23回全問完全解説
社団法人日本社会福祉士養成校協会=編集
中央法規出版
社団法人日本社会福祉士養成校協会=編集
中央法規出版
社会福祉士受験ワークブック2012(専門科目編)
社会福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士・精神保健福祉士受験ワークブック2012(共通科目編)
社会福祉士・精神保健福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士・精神保健福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士国家試験2012 過去問一問一答+α
社団法人日本社会福祉士養成校協会=監修
中央法規出版
社団法人日本社会福祉士養成校協会=監修
中央法規出版
見て覚える! 社会福祉士国試ナビ2012
いとう総研資格取得支援センター=編集
中央法規出版
いとう総研資格取得支援センター=編集
中央法規出版
FISHさんの合格までの道のり
※FISHさんの考える必勝3か条
1. モチベーションを維持するための工夫をする
2. 毎日3分でもよいので勉強する。「0分」の時間を作らない
3. 危機感を上手に利用する
1. モチベーションを維持するための工夫をする
2. 毎日3分でもよいので勉強する。「0分」の時間を作らない
3. 危機感を上手に利用する
社会福祉士を目指した理由
私はもともと臨床心理士になるための修士課程に在籍していました。地域で児童福祉にかかわるボランティアをさせていただくなかで、自分には内的なかかわりよりも、外へつなげていくソーシャルワークに適性があると感じ、進路変更をして社会福祉士の受験資格が取得可能な福祉系4年制大学へ編入しました。
勉強開始
まったく異なる業種で仕事をしてきたので、福祉の知識は「0」どころかむしろ「マイナス」からのスタートでした。テキストを読んでも「???」で、たまに知っている言葉をみつけると嬉しいレベルでありました。
選んだ大学は、国家試験の合格率が高いと評価されているところでしたが、授業内容は試験よりもアカデミックな知識を問われる内容が多く、社会福祉士となるうえで大切なことをたくさん学ぶことができたと思います。
選んだ大学は、国家試験の合格率が高いと評価されているところでしたが、授業内容は試験よりもアカデミックな知識を問われる内容が多く、社会福祉士となるうえで大切なことをたくさん学ぶことができたと思います。
自分にあった勉強方法
1年間で必要な単位の取得を終え、実習のためにもう1年大学に在籍しました。実習は9月から1ヶ月間の予定だったため、それまでにある程度の目安をつけておきたいと思い、5月から8月にかけては毎日1〜2時間のペースで過去問を解き、疑問点をテキストや『ワークブック』で解決するという流れで学びをすすめました。
私は机に座ってノートをとるといった勉強スタイルは苦手なので、過去問を常に持ち歩き、クイズ感覚でバスの待ち時間や湯船につかる時間などすき間を利用してひたすら解きました。過去問は試験までに、過去5年分を25回以上解いたことになります。
そんななか時間がとれず勉強ができなかった日が続いたことがあったのですが、その後は頭に文章がなかなか入ってこない実感がありました。パソコンも一度電源を切ると起動までに時間がかかるように、勉強の頭をオフにせずスリープモードにしておくこと、1日3分でもいいから勉強をして「0分」の時間をつくらない、ということを以後自分の目標にしていました。
私は机に座ってノートをとるといった勉強スタイルは苦手なので、過去問を常に持ち歩き、クイズ感覚でバスの待ち時間や湯船につかる時間などすき間を利用してひたすら解きました。過去問は試験までに、過去5年分を25回以上解いたことになります。
できなかった問題には1回目は青、2回目は赤、3回目は黄色とマーカーで印をつけていき、「カラフルな問題」は自分が理解できていないものとして復習したり、スクーリングや対策講座の際に、まとめて講師に質問をして解決していきました。 |
そんななか時間がとれず勉強ができなかった日が続いたことがあったのですが、その後は頭に文章がなかなか入ってこない実感がありました。パソコンも一度電源を切ると起動までに時間がかかるように、勉強の頭をオフにせずスリープモードにしておくこと、1日3分でもいいから勉強をして「0分」の時間をつくらない、ということを以後自分の目標にしていました。
過去問に取り組む意味
過去問に取り組む意味は、3つあると思います。
(1)解説部分まで頭に浮かぶようにする
問題を解く(正解の番号が分かる)だけでは勉強にはならず、「解説部分まで全部頭に浮かんでくる」ことがその目的です。例えると、1つの問題で得た知識が1つのブロックとなり、それを組み建てていくと「社会福祉士」という大きな家が建つイメージです。そして過去問だけでは得られない知識(ブロックとブロックのすき間)を、テキストなり『ワークブック』なりで埋めていきます。
(2)国家試験問題の独特な言い回しに慣れる
「ITO式 黄金の法則」でもおなじみですが、「否定的・断定的な文章は×」「やわらかな表現、含みをもたせられる文章は○」など、特有の言い回しに慣れることで、結果的に答えが分からなくても選択できることが増えます。
(3)時間配分のトレーニング
国家試験は、4時間で150問、「1問あたり約1分半で解く」とはいうものの、マークシートに転記する時間や見直しの時間を考えると、実質それよりもはるかに短い時間で問題に取り組まないといけません。過去問で1問を数十秒で解けるようにトレーニングしていると、試験当日に「問題の最後までたどり着けなかった」ということはなくなります。
(1)解説部分まで頭に浮かぶようにする
問題を解く(正解の番号が分かる)だけでは勉強にはならず、「解説部分まで全部頭に浮かんでくる」ことがその目的です。例えると、1つの問題で得た知識が1つのブロックとなり、それを組み建てていくと「社会福祉士」という大きな家が建つイメージです。そして過去問だけでは得られない知識(ブロックとブロックのすき間)を、テキストなり『ワークブック』なりで埋めていきます。
(2)国家試験問題の独特な言い回しに慣れる
「ITO式 黄金の法則」でもおなじみですが、「否定的・断定的な文章は×」「やわらかな表現、含みをもたせられる文章は○」など、特有の言い回しに慣れることで、結果的に答えが分からなくても選択できることが増えます。
(3)時間配分のトレーニング
国家試験は、4時間で150問、「1問あたり約1分半で解く」とはいうものの、マークシートに転記する時間や見直しの時間を考えると、実質それよりもはるかに短い時間で問題に取り組まないといけません。過去問で1問を数十秒で解けるようにトレーニングしていると、試験当日に「問題の最後までたどり着けなかった」ということはなくなります。
受験対策講座や模擬試験について
秋以降、様々な主催者によって受験対策講座が開催されます。私もいくつか参加しましたが、「この講座に参加したから合格できるものはない」と考えます。支払った受講料の額だけ「ヤマ」を聞いて帰りたいというのが受験生の心情ではありますが…。
受験対策講座にはたくさんの人が合格を目指して集まっているので、その場にいることで受ける刺激をやる気やモチベーションにつなげるために、利用したらよいのではと思います。
また、模擬試験は1度は受けておく必要があると思いますが、あくまでも時間配分を体感することを目的にして、点数に一喜一憂する必要はないと思います。
受験対策講座にはたくさんの人が合格を目指して集まっているので、その場にいることで受ける刺激をやる気やモチベーションにつなげるために、利用したらよいのではと思います。
また、模擬試験は1度は受けておく必要があると思いますが、あくまでも時間配分を体感することを目的にして、点数に一喜一憂する必要はないと思います。
いちばん重要なこと、それはモチベーションの維持
活字ばかりを追っていると飽きてきます。学生のうちにできるだけ様々な福祉の現場を見たいと考えていたので、毎日のように児童や障害者の福祉施設、病院などにボランティアに通っていました。大好きな利用者さんや素敵な職員さんたちとの出会い、また、知識が現場で結びつく楽しさが、私のモチベーション維持に最も役立ったと考えています。
しかし、当時自宅で仕事をしていたため、昼はボランティア、夜は子ども達が寝てから仕事、それが終わってから深夜に勉強という日課が続いたときは、睡眠時間が3時間程度になってしまい、体調を崩しかけたこともありました。その反省や模擬試験でもある程度の点数がとれていたこともあって、10月以降は勉強は維持することに努め、体調管理に最も注意を払いました。
しかし、当時自宅で仕事をしていたため、昼はボランティア、夜は子ども達が寝てから仕事、それが終わってから深夜に勉強という日課が続いたときは、睡眠時間が3時間程度になってしまい、体調を崩しかけたこともありました。その反省や模擬試験でもある程度の点数がとれていたこともあって、10月以降は勉強は維持することに努め、体調管理に最も注意を払いました。
危機感をうまく利用する
現役学生と卒業後では合格率にかなり差があることや短期集中型である自分の性格的にも、受験は一度きりだと心に決めていました。立場上や職場から求められている方たちを除けば、私を含め多くの人は、社会福祉士の国家試験に「どうしても合格しなければならない」わけではないと思います。それを逃げとしないために、家族や仕事仲間にはもちろん、ボランティア先などにも受験生であることを告げ、自分で適度なプレッシャーをかけていました。
試験当日
受験の1ヵ月前くらいからは、試験会場を下見したり、イメージトレーニングをして過ごしました。可能な限りリスクを避けるために、ホテルに前泊し、試験当日の昼食も前日から準備しました。また、会場の暑さ・寒さ対策のために重ね着をして、どんな椅子でも気にならないようにひざ掛けで座布団を作ったりと工夫をしました。
参考書は、この一冊を“道連れにする”覚悟で、『見て覚える! 社会福祉士国試ナビ』だけを持って会場に入りました。できる限りの準備をして取り組んだつもりだったので、受験当日はリラックスしていました。
しかし、本番の試験はやはり過去問や模擬試験とは比べ物にならず、あまりの手ごたえのなさに呆然としたものです。帰り道は受験生同士、慰め合いながら重い足取りでした。けれども、結果的にこれまでの模擬試験をはるかに上回る120点という高得点でしたので、自己判断は禁物です。
参考書は、この一冊を“道連れにする”覚悟で、『見て覚える! 社会福祉士国試ナビ』だけを持って会場に入りました。できる限りの準備をして取り組んだつもりだったので、受験当日はリラックスしていました。
しかし、本番の試験はやはり過去問や模擬試験とは比べ物にならず、あまりの手ごたえのなさに呆然としたものです。帰り道は受験生同士、慰め合いながら重い足取りでした。けれども、結果的にこれまでの模擬試験をはるかに上回る120点という高得点でしたので、自己判断は禁物です。
これから受験される方へ
月並みですが、試験当日は、難しいと感じてもあきらめずに時間いっぱいまで取り組まれてください。それでは、皆様の合格を心よりお祈りしております!