国家試験を突破して晴れて社会福祉士の資格を取得した皆さんに、効果的な勉強法や仕事をしながら勉強を続けるコツ、資格を仕事に活かす展望などについてうかがいました。
第4回 耕納朋子さん
柏市立柏病院 医療相談室 ソーシャルワーカー<br />社会福祉士、介護福祉士
耕納さんが使った参考書
【一番最初に買った参考書】社会福祉士受験ワークブック〈専門科目編〉
社会福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士受験ワークブック〈共通科目編〉〉
社会福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
【役に立った参考書】福祉小六法
社会福祉法人大阪ボランティア協会=編集
中央法規出版
社会福祉法人大阪ボランティア協会=編集
中央法規出版
耕納さんの合格までの道のり
社会福祉士って「かっこいい!」
大学卒業時に社会福祉士国家試験に合格され、現在の仕事に就いて丸一年がたったばかりという耕納さん。病院の医療ソーシャルワーカーとして、患者さんの病気や怪我に伴う経済的・社会的な心配事の相談にのり、家庭生活や社会福祉サービスの調整・援助をなさっています。患者さんやその家族に「ありがとう」とか「すっきりしました」という言葉をもらったときや、他職種の人や上司に褒められたときなどにやりがいを感じるそうです。
大学時代、介護の実習受け入れ先で、社会福祉士という職種を初めて間近で見て、「こんな役割の人もいるんだ」と思ったことが国家試験を受験する最初のきっかけとなりました。社会福祉士のことを素直に「かっこいい」と言う耕納さんの実習は、きっと充実していたんでしょうね。
大学時代、介護の実習受け入れ先で、社会福祉士という職種を初めて間近で見て、「こんな役割の人もいるんだ」と思ったことが国家試験を受験する最初のきっかけとなりました。社会福祉士のことを素直に「かっこいい」と言う耕納さんの実習は、きっと充実していたんでしょうね。
オリジナルの“参考書”をつくる
耕納さんが試験勉強を始めたのは、試験の5か月前。「一番最初に手をつけたことは、問題の設問の文章を全て正しい文章にしてノートに綴ること」。その詳しい方法も教えてくれました。
「問題1問に設問がAからDまであったとして、誤っている文章を正しく直し、正しい文章はそのまま書き出します。そうすると、1問で4つのことが覚えられ、これを10問分やると単純に40個を覚えられることになります。問題は過去問でも、模擬試験でも、なんでもいい。ひたすら調べて書く。書くのに疲れた頃にはノート一冊かるく終了します。それがもう自分だけのオリジナルの参考書になります。これを声に出して読む。頭に入ってきたなと実感すると、今度は自分の知識を他人にひけらかしたくなりますから、人に教えてあげるのです。大学受験ではないので、人に教えて不利になることはまずありません。自分の知り得た情報はとにかく人に教える。それが間違っていれば、たいていの人は指摘してくれます。これを全教科11月まで続けました」
「問題1問に設問がAからDまであったとして、誤っている文章を正しく直し、正しい文章はそのまま書き出します。そうすると、1問で4つのことが覚えられ、これを10問分やると単純に40個を覚えられることになります。問題は過去問でも、模擬試験でも、なんでもいい。ひたすら調べて書く。書くのに疲れた頃にはノート一冊かるく終了します。それがもう自分だけのオリジナルの参考書になります。これを声に出して読む。頭に入ってきたなと実感すると、今度は自分の知識を他人にひけらかしたくなりますから、人に教えてあげるのです。大学受験ではないので、人に教えて不利になることはまずありません。自分の知り得た情報はとにかく人に教える。それが間違っていれば、たいていの人は指摘してくれます。これを全教科11月まで続けました」
自分を苦しめずに勉強する
大学生ならではの苦労もありました。試験勉強と就職活動を同時進行させなければならなかったのです。「相談業務に就くからには資格を取得しておきたい」という思いも当然あったことでしょうが、試験勉強を始めたのが5か月前という耕納さんにとっては、かなりの負担。
それでも、無理に自分を追い込むことはしません。「気分がのっている時は何時間でも勉強すればいいし、する気がなければ5分や10分でいい。わたしは一週間の中で全く勉強しない日を一日つくって、勉強のことを一切忘れて遊ぶなり、寝るなり、趣味に没頭するなりしていました」と、あくまでマイペース。
国家試験を受験するのが当たり前という大学の状況も、うまく試験勉強に活かしました。仲間うちで罰ゲームを設定して模擬試験の点数を争ったり、友達の家に泊まり込んで勉強したりと楽しんでいた様子。
「会話の中で試験にまつわる話をおもしろおかしく話していました。年号のゴロ合わせを勝手につくったり、仲間に福祉の歴史上の重要人物や建物の名前をつけて、それをあだ名にしてしまったりしました。わたしの仲間は『リッチモンド』もいたし『キングスレー館』や『済世顧問員』もいました。不思議なことに、自分についたあだ名はよく知ろうとします」と、ユーモア溢れるエピソードも教えてくれました。ピリピリした空気で勉強するより、はるかに頭に入ったそうです。
それでも、無理に自分を追い込むことはしません。「気分がのっている時は何時間でも勉強すればいいし、する気がなければ5分や10分でいい。わたしは一週間の中で全く勉強しない日を一日つくって、勉強のことを一切忘れて遊ぶなり、寝るなり、趣味に没頭するなりしていました」と、あくまでマイペース。
国家試験を受験するのが当たり前という大学の状況も、うまく試験勉強に活かしました。仲間うちで罰ゲームを設定して模擬試験の点数を争ったり、友達の家に泊まり込んで勉強したりと楽しんでいた様子。
「会話の中で試験にまつわる話をおもしろおかしく話していました。年号のゴロ合わせを勝手につくったり、仲間に福祉の歴史上の重要人物や建物の名前をつけて、それをあだ名にしてしまったりしました。わたしの仲間は『リッチモンド』もいたし『キングスレー館』や『済世顧問員』もいました。不思議なことに、自分についたあだ名はよく知ろうとします」と、ユーモア溢れるエピソードも教えてくれました。ピリピリした空気で勉強するより、はるかに頭に入ったそうです。
生活リズムを整え、気持ちを高める
試験日の1か月前からは、朝5時に起きて勉強。朝一番に何かに目を通すことを習慣づけます。「真冬の朝はとにかく寒いので、ストーブの前でしゃがみこんで参考書を読んでいました」と、この時期に夜型生活と縁を切ることで、試験当日の早起きにも対応しました。
この時期は、やったことのない問題に手をつけたりはせず、復習に力を入れます。何度も解いた過去問は答えを覚えてしまっているでしょうが、高得点を取ることで自信を深めるのも気持ちを高めるよい方法だといいます。
この時期は、やったことのない問題に手をつけたりはせず、復習に力を入れます。何度も解いた過去問は答えを覚えてしまっているでしょうが、高得点を取ることで自信を深めるのも気持ちを高めるよい方法だといいます。
当日の不安要素を少しでも減らす
前夜はとにかく早く寝る。耕納さんは、当日の持ち物、着ていく服、履いていく靴、食べる朝食まで準備したそうです。
そして、「当日は駅で友達と待ち合わせをしないこと」が大事。「当日の試験開始一時間前の駅はゴールデンウィークのディズニーランドなみの混雑です。駅で待ち合わせをしても友達を見つけられずに時間ギリギリになるのがオチ」
待ち合わせをしたとしても、「いざとなったら友達を見捨てるくらいの気持ちが大事」と先生に言われたそうです (笑)。
また、「当日は明るい色の服を着ていこう」と仲間内で決め、落ち込みがちな気分を少しでも明るくしようとしました。「真冬なのに、パステルカラーや原色の洋服がちらちら見え、今考えるとおかしくてたまりません」と、試験当日を楽しそうに振り返っています。
そして、「当日は駅で友達と待ち合わせをしないこと」が大事。「当日の試験開始一時間前の駅はゴールデンウィークのディズニーランドなみの混雑です。駅で待ち合わせをしても友達を見つけられずに時間ギリギリになるのがオチ」
待ち合わせをしたとしても、「いざとなったら友達を見捨てるくらいの気持ちが大事」と先生に言われたそうです (笑)。
また、「当日は明るい色の服を着ていこう」と仲間内で決め、落ち込みがちな気分を少しでも明るくしようとしました。「真冬なのに、パステルカラーや原色の洋服がちらちら見え、今考えるとおかしくてたまりません」と、試験当日を楽しそうに振り返っています。
「合格する」と信じて疑わない
一度目の国家試験挑戦で見事合格された耕納さんですが、順風満帆だったわけではありません。試験勉強を始めたのが遅いこともあり、受けた模擬試験のほとんどがE判定だったそうです。
「試験勉強は、早く始めるに越したことはないと思いますが、学生最後の夏休みを十分に満喫したわたしでも合格しました。最後まで、『自分は合格する』と信じて疑わない。そんな根拠のない自信をもったままでもどうにかなるものです。わたしは楽しんで一気に走りこむ勉強型でした。自分がどういうタイプにあてはまるかを考えて勉強することは合格への近道になりますよ」と自分自身を分析しながらアドバイスしてくれました。
「試験勉強は、早く始めるに越したことはないと思いますが、学生最後の夏休みを十分に満喫したわたしでも合格しました。最後まで、『自分は合格する』と信じて疑わない。そんな根拠のない自信をもったままでもどうにかなるものです。わたしは楽しんで一気に走りこむ勉強型でした。自分がどういうタイプにあてはまるかを考えて勉強することは合格への近道になりますよ」と自分自身を分析しながらアドバイスしてくれました。