国家試験を突破して晴れて社会福祉士の資格を取得した皆さんに、効果的な勉強法や仕事をしながら勉強を続けるコツ、資格を仕事に活かす展望などについてうかがいました。
第13回 Daiさん
福祉団体勤務<br />〈所有資格〉社会福祉士、精神保健福祉士
Daiさんが使った参考書
社会福祉士国家試験解説集
(社)日本社会福祉士養成校協会=編
中央法規出版
(社)日本社会福祉士養成校協会=編
中央法規出版
社会福祉士受験ワークブック(専門科目編)
社会福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士・精神保健福祉士受験ワークブック(共通科目編)
社会福祉士・精神保健福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
社会福祉士・精神保健福祉士受験ワークブック編集委員会=編集
中央法規出版
Daiさんの合格までの道のり
今回は、第14回社会福祉士国家試験に合格したDaiさんにお話をうかがいました。
現在のお仕事
「民間福祉団体にて、地域福祉全般を担当しています。困りごとや、様々な課題を抱えて訪れる方々。その方々のニーズに対して、的確に、そして迅速にコーディネートが出来たときは、なんともいえません。感謝の言葉をいただくというのは、本当にうれしいことですね」
試験を受けるきっかけ
前職は福祉とは全く無縁のCAD設計者だったDaiさんは、現在の仕事に就いて今年で13年半になります。
「高校時代から手話サークルで手話を学んでいた事もあり、福祉分野への関心が常々ありました。その思いを諦めきれず、一念発起して入社(?)試験に応募。一次試験(筆記)から2次試験(面接)を経て、平成6年から福祉の道を歩み始めました。しかし、異業種からの転職と言う事もあり、福祉分野の知識も乏しく技量不足を痛感。何をどうしたら良いか分からず悩んでいました。
その矢先、自分と一緒に福祉の仕事をしたいと社会福祉士を目指していた後輩が急逝。最初は『想いを引き継ぎたい』とだけ考えていましたが、やがて自分の悩みと後輩への想いが重なり、平成11年から通信課程の受講をはじめました」
「高校時代から手話サークルで手話を学んでいた事もあり、福祉分野への関心が常々ありました。その思いを諦めきれず、一念発起して入社(?)試験に応募。一次試験(筆記)から2次試験(面接)を経て、平成6年から福祉の道を歩み始めました。しかし、異業種からの転職と言う事もあり、福祉分野の知識も乏しく技量不足を痛感。何をどうしたら良いか分からず悩んでいました。
その矢先、自分と一緒に福祉の仕事をしたいと社会福祉士を目指していた後輩が急逝。最初は『想いを引き継ぎたい』とだけ考えていましたが、やがて自分の悩みと後輩への想いが重なり、平成11年から通信課程の受講をはじめました」
初挑戦
初回の挑戦は通信課程と平行しており、本格的な勉強開始は12月頃からだったそうです。試験直前まで勉強方法に悩んでしまい、結局不合格。
「1回目の挑戦の前は、1年数か月に及ぶ通信課程のレポート作成やスクーリングで、試験への対応が疎かになっていました。無事に卒業できた事で、気を抜いてしまった部分もあったように思います」
「1回目の挑戦の前は、1年数か月に及ぶ通信課程のレポート作成やスクーリングで、試験への対応が疎かになっていました。無事に卒業できた事で、気を抜いてしまった部分もあったように思います」
悩んで決めた勉強方法
Daiさんは、2度目は反省を踏まえ、9月頃から少しずつ勉強を始めました。また、試験に関係する法改正もいろいろあり、勉強開始当初は過去問題との相違点を見直す時間が必要だったそうです。
「過去問題を中心とした勉強方法とスケジュールを決め、試験が近づいても基本的なリズムは大きく変化させず、それを最後まで通しました。
手元に、過去問題集(過去7年分位)、そして2冊の模擬問題集がありました。私はそこから“毎日1科目ずつ”解いていくという勉強方法をとりました。毎日全科目に目を通しても、あちこちに目が向いてしまって理解できない。何日も同じ科目ばかり勉強していると、マンネリ化して飽きてしまう。どうすれば覚えられるだろうかと考えた結果です。そのような方法で、苦手箇所(分野・制度)を洗い出し、過去問題集にある解説、六法、ワークブックなどと照らし合わせ、理解していきました。
ワークブックは持ち歩いて空き時間などに音読、夜間等まとまった勉強時間には、過去問題集中心に勉強。これをメインにした理由は、問題に対しての解説が細かにあったからです。単に解答するのではなく、正答・誤答を問わず“解答の裏づけ”を確認できたことで理解を深められ、非常に助かりました」
「過去問題を中心とした勉強方法とスケジュールを決め、試験が近づいても基本的なリズムは大きく変化させず、それを最後まで通しました。
手元に、過去問題集(過去7年分位)、そして2冊の模擬問題集がありました。私はそこから“毎日1科目ずつ”解いていくという勉強方法をとりました。毎日全科目に目を通しても、あちこちに目が向いてしまって理解できない。何日も同じ科目ばかり勉強していると、マンネリ化して飽きてしまう。どうすれば覚えられるだろうかと考えた結果です。そのような方法で、苦手箇所(分野・制度)を洗い出し、過去問題集にある解説、六法、ワークブックなどと照らし合わせ、理解していきました。
ワークブックは持ち歩いて空き時間などに音読、夜間等まとまった勉強時間には、過去問題集中心に勉強。これをメインにした理由は、問題に対しての解説が細かにあったからです。単に解答するのではなく、正答・誤答を問わず“解答の裏づけ”を確認できたことで理解を深められ、非常に助かりました」
勉強時間の管理
「平均して一日約2時間。年末からは、可能な限り勉強しましたが、あまり長時間は続けて勉強せず、最長でも2時間×2セット程度を目安に。これは、試験時間を想定して勉強時間を取った方が良いという先輩のアドバイスもあったからです。2時間勉強したら、さっと顔を上げて、気持ちを切り換えるのです。
大変だったのは、やはり家庭と仕事とのバランスでした。仕事では新規プロジェクトを立ち上げていた時期と重なり、家庭では、子どもが生まれる時期と重なりました。試験1か月前に子どもが生まれたんです。勉強するには睡眠時間以外に削れるものはありませんでした。かねてから耳にしていましたが、改めて仕事をしながら勉強する大変さを痛感しました」
大変だったのは、やはり家庭と仕事とのバランスでした。仕事では新規プロジェクトを立ち上げていた時期と重なり、家庭では、子どもが生まれる時期と重なりました。試験1か月前に子どもが生まれたんです。勉強するには睡眠時間以外に削れるものはありませんでした。かねてから耳にしていましたが、改めて仕事をしながら勉強する大変さを痛感しました」
支えられて…
「そんな状況でしたが、同時に社会福祉士を目指し始めた先輩との情報交換や、休日はできるだけ一人にさせてくれた家族の心遣いのおかげで、途切れがちな集中力・モチベーションを維持できましたね。そしてスクーリングで知り合った仲間とも、勉強方法や傾向などについての情報交換からたくさんのヒントや気づきを得られ、他愛の無いお喋りも良い息抜き・気分転換になりました。もちろん、快くスクーリングなどに送り出してくれた職場(仲間)の理解にも、本当に感謝しています」
当日の備え
●寒さ対策
「初年度は重ね着をして失敗した(動きづらい・試験中に脱げない)ため、次年度は下半身(腹巻きやバイク用インナーパンツ)を中心に防寒対策。下半身が温かければ、温度変化にも柔軟に対応できると思います。女性は勿論ですが、男性でも寒さは甘く見ない方が良いですね。もちろん会場によって違いますが、この時は試験会場がプレハブ教室&出入口側、前日に大雪が降った影響もあって本当に寒く、この対策は効果絶大でした」
●リラックス対策
「初年度は、周囲につられて試験前・昼休みなどに問題集やワークブックを見ていましたが、結局は自分の焦りを煽るだけで無意味でした。2回目は参考書を持ち込まず、必要最低限の物(受験票・筆記用具・時計など)だけを持参。試験前や昼休みなどは、音楽を聞くなど頭と気分をリフレッシュさせる事に心がけました。やはり集中力を長時間維持するのは難しいので、結果的に良かったと思います」
「初年度は重ね着をして失敗した(動きづらい・試験中に脱げない)ため、次年度は下半身(腹巻きやバイク用インナーパンツ)を中心に防寒対策。下半身が温かければ、温度変化にも柔軟に対応できると思います。女性は勿論ですが、男性でも寒さは甘く見ない方が良いですね。もちろん会場によって違いますが、この時は試験会場がプレハブ教室&出入口側、前日に大雪が降った影響もあって本当に寒く、この対策は効果絶大でした」
●リラックス対策
「初年度は、周囲につられて試験前・昼休みなどに問題集やワークブックを見ていましたが、結局は自分の焦りを煽るだけで無意味でした。2回目は参考書を持ち込まず、必要最低限の物(受験票・筆記用具・時計など)だけを持参。試験前や昼休みなどは、音楽を聞くなど頭と気分をリフレッシュさせる事に心がけました。やはり集中力を長時間維持するのは難しいので、結果的に良かったと思います」
Daiさんの試験結果
Daiさんは、第13回、第14回の国家試験を受けて、2回目の挑戦で合格を手にしました。また、今年は、第10回の精神保健福祉士の国家試験にも挑戦し、見事合格されました。
そして、前回社会福祉士の試験に合格した時に続いて、なんと今回の精神保健福祉士試験の1週間前にもお子さんが生まれたそうです。お子さんが生まれたことが良い兆候だったのかもしれませんね。
そして、前回社会福祉士の試験に合格した時に続いて、なんと今回の精神保健福祉士試験の1週間前にもお子さんが生まれたそうです。お子さんが生まれたことが良い兆候だったのかもしれませんね。
これから受験する方に一言
「おすすめの勉強法などを紹介させていただきます」
●暗記するポイントでは、耳栓を用意。そして声に出して繰り返し音読する!
「耳栓をしていると、余り大声を出さずとも自分の声が響きます。声に出し、同時に聞くことで効率アップできるかと思います。これはおすすめです!」
●ネットを利用する
「机上の勉強で煮詰まったら、インターネットの受験対策やシミュレーション問題を見たり解いたりすると、また気分が変わります(社会福祉士受験当時は知りませんでしたが、精神保健福祉士を受験した今年は、昼休み等の休憩時間に受験者応援サイトを訪れていました)」
●休む勇気
「辛い・苦しい時には、休むも勇気です。そんな想いで勉強するのなら、上手に気分をリセットさせながらの方が、効率も良く集中力とモチベーションを維持できると思います。ただ机に座り続けて“勉強したつもり”になってしまうのが、一番危険です。そうなると、ますます気分が落ち込んでしまいますから」
社会人受験をなさったDaiさんの勉強法には、皆さんにもヒントとなるエッセンスがあるのではないでしょうか。
●暗記するポイントでは、耳栓を用意。そして声に出して繰り返し音読する!
「耳栓をしていると、余り大声を出さずとも自分の声が響きます。声に出し、同時に聞くことで効率アップできるかと思います。これはおすすめです!」
●ネットを利用する
「机上の勉強で煮詰まったら、インターネットの受験対策やシミュレーション問題を見たり解いたりすると、また気分が変わります(社会福祉士受験当時は知りませんでしたが、精神保健福祉士を受験した今年は、昼休み等の休憩時間に受験者応援サイトを訪れていました)」
●休む勇気
「辛い・苦しい時には、休むも勇気です。そんな想いで勉強するのなら、上手に気分をリセットさせながらの方が、効率も良く集中力とモチベーションを維持できると思います。ただ机に座り続けて“勉強したつもり”になってしまうのが、一番危険です。そうなると、ますます気分が落ち込んでしまいますから」
社会人受験をなさったDaiさんの勉強法には、皆さんにもヒントとなるエッセンスがあるのではないでしょうか。