国家試験を突破して晴れて社会福祉士の資格を取得した皆さんに、効果的な勉強法や仕事をしながら勉強を続けるコツ、資格を仕事に活かす展望などについてうかがいました。
第31回 はせがわさん
地域包括支援センター(自治体職員) 社会福祉士
はせがわさんが使った参考書
U-CANの社会福祉士速習レッスン(2009年版)
自由国民社
自由国民社
社会福祉士国試対策’10(第22回)共通科目編
医学評論社
医学評論社
社会福祉士国試対策’10(第22回)専門科目編
医学評論社
医学評論社
社会福祉用語辞典
ミネルヴァ書房
ミネルヴァ書房
はせがわさんの合格までの道のり
資格取得のきっかけ
私の通った大学は福祉系ではなく、人間科学部というところだったのですが、ボランティア活動やアルバイトなどで障害を持つ方や子どもと関わることが多く、自然と福祉に興味を持つようになりました。
もともと大学に入る前から、ぼんやりと「子どもと関わる仕事がしたい」と思っていたので、障害のある子どもの親御さんの団体で一緒に活動したり、ゼミでも障害児の職場体験活動をフィールドとして卒論を書いたりしながら、将来を模索していました。
その中で、障害のある子どもの親御さんや子育てに悩まれている親御さん、そのような方の役に立てる仕事がしたいと思い、児童相談所の相談員(児童福祉司)になりたいと考えるようになりました。
児童福祉司として働くには、自治体によっては社会福祉士の資格が必要なので、資格を取っておきたいと思ったのが、受験を考えたきっかけです。
そして、福祉についてもっと専門的に勉強したい、子どもの施設等に実習に行きたいと思ったこともあり、普通大学卒業後、受験資格を得るために、1年間専門学校(「一般養成施設」)に通い、その年度の国家試験を受験しました。
もともと大学に入る前から、ぼんやりと「子どもと関わる仕事がしたい」と思っていたので、障害のある子どもの親御さんの団体で一緒に活動したり、ゼミでも障害児の職場体験活動をフィールドとして卒論を書いたりしながら、将来を模索していました。
その中で、障害のある子どもの親御さんや子育てに悩まれている親御さん、そのような方の役に立てる仕事がしたいと思い、児童相談所の相談員(児童福祉司)になりたいと考えるようになりました。
児童福祉司として働くには、自治体によっては社会福祉士の資格が必要なので、資格を取っておきたいと思ったのが、受験を考えたきっかけです。
そして、福祉についてもっと専門的に勉強したい、子どもの施設等に実習に行きたいと思ったこともあり、普通大学卒業後、受験資格を得るために、1年間専門学校(「一般養成施設」)に通い、その年度の国家試験を受験しました。
受験勉強の開始
専門学校は1年間といっても、実質、試験までは約10ヶ月なので、「授業で受けたことをもう一度振り返るほどの時間がとれないな」と最初から感じており、授業で学んだことは、その都度しっかり覚えていくように心がけていました。
それでも、夏ごろまでは公務員試験の勉強をメインにしていたので、本格的に受験勉強に取り組んだのは、公務員試験に受かった後しばらくしてからの11月ごろです。
10月には、平日に1時間程度電車の中で授業の復習をするようになり、11月以降は、平日も休日も3時間くらいは勉強にあてるようになりました。
それでも、夏ごろまでは公務員試験の勉強をメインにしていたので、本格的に受験勉強に取り組んだのは、公務員試験に受かった後しばらくしてからの11月ごろです。
10月には、平日に1時間程度電車の中で授業の復習をするようになり、11月以降は、平日も休日も3時間くらいは勉強にあてるようになりました。
勉強の方法と受験書
私は、専門学校まで電車で2時間ほどかけて通っていたので、その移動時間に参考書等を読んで勉強していました。学校指定の参考書以外に新しいものは買わず、参考書一種類、問題集一種類を繰り返し読んで勉強しました。
この試験は、大学受験や公務員試験のように高得点を競う試験とは違い、ある程度以上の点数を取れば合格できます。まず、自分はどのレベルに立っているか、合格までどのくらいのレベルアップが必要か、そのためにどんな方法でどこまでの努力をすべきかを明らかにできれば、目標が目に見えるので気が楽だと思って取り組んでいました。
参考書は、基本を押さえるため、覚えるべきところをきちんと覚えるために読み込みました。過去問は、問題の形式やレベルを理解するため、自分がどのくらい理解できているのかをチェックするために使いました。
また、速習タイプの参考書では全てを網羅していないので、わからないことがあったら用語集ですぐ調べるようにしました。一度調べたものはマーカーを引き、覚えるつもりで読みました。
参考書は、基本をしっかり押さえられるよう、また、繰り返し読めるよう、スタンダードなものを選びました。あまり難しいと、読むのも億劫になるので…。また、電車で読めるA5サイズのものを選びました。
具体的には、そのまま読んでいても流し読みになってしまうため、覚えるべき単語やポイントにマーカーを引いて隠しながら読みました。
問題集(過去問)は、私の勉強方法では、同じページに問題と解説が書いてある物が使いやすかったです。解いたあと解答をしっかり読んで覚え、繰り返して解けなかったものは再度読んで覚えました。
問題集にもマーカーを引いて、参考書のような使い方をしました。問題が解けたかどうかより、解答を読んで覚えることに重点を置きました。問題の中では、事例問題は、過去問を解くことでパターンが理解できるし、点の稼ぎどころなので、過去問で問題の形式に慣れて、高得点をとれるように心がけました。
私のように短期で勝負する人は、暗記した量がそのまま点数につながります。自分が暗記しやすい方法(読む、書く、声に出す…など)があると思うので、それを早く見つけることが重要です。私の場合、マーカーを引いて隠しながら読むという方法を、大学受験でも公務員試験でも実践していて、自分に合うとわかっていたので効率よく暗記できました。
この試験は、大学受験や公務員試験のように高得点を競う試験とは違い、ある程度以上の点数を取れば合格できます。まず、自分はどのレベルに立っているか、合格までどのくらいのレベルアップが必要か、そのためにどんな方法でどこまでの努力をすべきかを明らかにできれば、目標が目に見えるので気が楽だと思って取り組んでいました。
参考書は、基本を押さえるため、覚えるべきところをきちんと覚えるために読み込みました。過去問は、問題の形式やレベルを理解するため、自分がどのくらい理解できているのかをチェックするために使いました。
また、速習タイプの参考書では全てを網羅していないので、わからないことがあったら用語集ですぐ調べるようにしました。一度調べたものはマーカーを引き、覚えるつもりで読みました。
参考書は、基本をしっかり押さえられるよう、また、繰り返し読めるよう、スタンダードなものを選びました。あまり難しいと、読むのも億劫になるので…。また、電車で読めるA5サイズのものを選びました。
具体的には、そのまま読んでいても流し読みになってしまうため、覚えるべき単語やポイントにマーカーを引いて隠しながら読みました。
問題集(過去問)は、私の勉強方法では、同じページに問題と解説が書いてある物が使いやすかったです。解いたあと解答をしっかり読んで覚え、繰り返して解けなかったものは再度読んで覚えました。
問題集にもマーカーを引いて、参考書のような使い方をしました。問題が解けたかどうかより、解答を読んで覚えることに重点を置きました。問題の中では、事例問題は、過去問を解くことでパターンが理解できるし、点の稼ぎどころなので、過去問で問題の形式に慣れて、高得点をとれるように心がけました。
私のように短期で勝負する人は、暗記した量がそのまま点数につながります。自分が暗記しやすい方法(読む、書く、声に出す…など)があると思うので、それを早く見つけることが重要です。私の場合、マーカーを引いて隠しながら読むという方法を、大学受験でも公務員試験でも実践していて、自分に合うとわかっていたので効率よく暗記できました。
専門学校での生活
専門学校には、私のような大学卒業したての人から、民間の仕事を辞めて福祉の道に進もうと決心して進学した人、福祉の経験を積んできた人、年齢も20代から60代前後まで、歳もタイプも様々な人が集まっていて、周囲から得るものはとても大きかったです。いろんな人といろんな話ができて、自分の世界が広げられたように思います。
学校は1年だけでしたが、一生付き合っていける友人ができました。
また、クラスメイトとは、勉強で励まし合っただけでなく、たくさん遊び、話し、1年間で共に成長することができたと思います。この1年間で一番よかったことは、そんな友人達を得たことだと思っています。
でも、専門学校にはいろんな人がいるしいろんな先生がいるので、モチベーションが下がるようなことも多々ありました。そのたびに、なんでこんな道を選んだんだろうとか思ったこともありましたが、初心を思い出して無理にでも自分を奮い立たせていました。悩んでモチベーションを下げている時間もないので…。
気の合うクラスメイト、クラスメイトの中でも福祉の経験を積んできた方、そのような方と話したり相談にのってもらったりすることがモチベーションの維持につながりました。
学校は1年だけでしたが、一生付き合っていける友人ができました。
また、クラスメイトとは、勉強で励まし合っただけでなく、たくさん遊び、話し、1年間で共に成長することができたと思います。この1年間で一番よかったことは、そんな友人達を得たことだと思っています。
でも、専門学校にはいろんな人がいるしいろんな先生がいるので、モチベーションが下がるようなことも多々ありました。そのたびに、なんでこんな道を選んだんだろうとか思ったこともありましたが、初心を思い出して無理にでも自分を奮い立たせていました。悩んでモチベーションを下げている時間もないので…。
気の合うクラスメイト、クラスメイトの中でも福祉の経験を積んできた方、そのような方と話したり相談にのってもらったりすることがモチベーションの維持につながりました。
模試や講座の活用
秋に2回、学校で行われた模擬試験を受けました。模試は、時間配分や問題の形式などに慣れるために有効です。また、自分がどの程度のレベルにいるのかを把握するのに役立ちました。
模試では予想以上に点が取れていなかったので、少し焦り、授業の復習に力を入れるようになりました。
私は、自分に必要な勉強を自分のやり方でやりたかったし、少ない時間を無駄にしたくないと思ったので、受験対策講座などは受けませんでした。受講料が高かったことも理由の一つです。自分の勉強法に自信がなかったり、確立できていない場合にはこのような講座も有効かなとは思います。
模試では予想以上に点が取れていなかったので、少し焦り、授業の復習に力を入れるようになりました。
私は、自分に必要な勉強を自分のやり方でやりたかったし、少ない時間を無駄にしたくないと思ったので、受験対策講座などは受けませんでした。受講料が高かったことも理由の一つです。自分の勉強法に自信がなかったり、確立できていない場合にはこのような講座も有効かなとは思います。
直前期を迎えて
試験前は、体調管理が重要です。1月になると授業がなくなるので、平日は毎日バイトをしていたのですが、そのおかげで生活が不規則にならず、規則正しい生活ができていました。試験は朝からなので、試験の時間には頭がはっきりするように、早起きする習慣を作っていました。
風邪を引きそうになったら、濡れマスク(中に濡らしたハンカチやガーゼを入れたマスク)をして予防しました。
風邪を引きそうになったら、濡れマスク(中に濡らしたハンカチやガーゼを入れたマスク)をして予防しました。
現在の仕事とやりがい
私は、2009年1月の試験で合格することができました。
現在は、自治体職員として採用され、市直営の地域包括支援センターの社会福祉士として働いています。高齢者の総合相談、権利擁護(虐待の対応・予防)、予防給付ケアプランの作成等が主な業務です。平成21年4月からなので、働きだして約1年になります。
最初は、自分が高齢者関係の仕事をするなんて想像もしておらず、戸惑うことも多々ありました。高齢者の方にかかわる仕事のやりがいや良さが、最近やっとわかってきたように思います。
本人の心の内が見えた時や、自分のかかわりによって前向きな発言や行動が見えた時など、嬉しい気持ちになります。最近で言うと、他者に対する依存心が高く生活に対する意欲を失っていた方が、支援するうちに、少し自立心を持てるようになられたことに大変嬉しさを感じました。時間はかかったけれど、そして、周囲から見ればほんの些細なことかもしれないけれど、本人からすると大きな進歩であり、喜びを共有できたことが嬉しかったです。
虐待の対応など、経験の浅い私には難しい仕事ばかりで毎日四苦八苦していますが、職場内の経験豊富な先輩方をはじめ、地域の関係機関のたくさんの方に支えられていることを実感しています。
地域の様々な機関の方、や住民の皆さんに協力いただいた時など、地域の温かい人の心に触れる度に感謝の気持ちを感じます。一言に「相談業務」と言っても、サービス一つを紹介してすぐに解決するようなことは少なく、関係機関と連携したり地域のネットワークを生かして様々な方にご協力いただくことで初めて解決策を導き出すことができます。地域で自分の顔を知ってもらい、連携して共に動くことの大切さを日々実感しており、もっと自分を成長させたいと思っています。
現在は、自治体職員として採用され、市直営の地域包括支援センターの社会福祉士として働いています。高齢者の総合相談、権利擁護(虐待の対応・予防)、予防給付ケアプランの作成等が主な業務です。平成21年4月からなので、働きだして約1年になります。
最初は、自分が高齢者関係の仕事をするなんて想像もしておらず、戸惑うことも多々ありました。高齢者の方にかかわる仕事のやりがいや良さが、最近やっとわかってきたように思います。
本人の心の内が見えた時や、自分のかかわりによって前向きな発言や行動が見えた時など、嬉しい気持ちになります。最近で言うと、他者に対する依存心が高く生活に対する意欲を失っていた方が、支援するうちに、少し自立心を持てるようになられたことに大変嬉しさを感じました。時間はかかったけれど、そして、周囲から見ればほんの些細なことかもしれないけれど、本人からすると大きな進歩であり、喜びを共有できたことが嬉しかったです。
虐待の対応など、経験の浅い私には難しい仕事ばかりで毎日四苦八苦していますが、職場内の経験豊富な先輩方をはじめ、地域の関係機関のたくさんの方に支えられていることを実感しています。
地域の様々な機関の方、や住民の皆さんに協力いただいた時など、地域の温かい人の心に触れる度に感謝の気持ちを感じます。一言に「相談業務」と言っても、サービス一つを紹介してすぐに解決するようなことは少なく、関係機関と連携したり地域のネットワークを生かして様々な方にご協力いただくことで初めて解決策を導き出すことができます。地域で自分の顔を知ってもらい、連携して共に動くことの大切さを日々実感しており、もっと自分を成長させたいと思っています。
これから受験する皆さんへ
合格に必要な見極めと潔さ
私の使っていた参考書は、やはり「速習」タイプなので、全範囲を網羅しておらず、載っていないものも時々ありました。私と同じ参考書を購入したクラスメイトには、「全部を網羅できていない」と、100%を求めて詳しい参考書を買い足す人もいました。
不安になる気持ちもわかりましたが、それでは自分を追い込んでしまうのではないかとも思いました。
試験のレベルを考えると、自分の到達すべき点は100%でなく70〜80%だと私は考えていました。限られた時間の中でできることを優先させると、新しい参考書を買っても時間とお金の無駄になるのではないかと思います。
1回きりの試験だし不安は誰にもありますが、自分に必要なこととできることをしっかりと見極めることが一番大切です。それによって、それ以外のことを潔く諦め、本当に必要なことをする時間に充てることができると思います。
心の成長も
社会福祉士の受験にかけた1年間の過程で、友人を得たことが一番よかったことだと思います。また、実習に行けたこともよかったと思っています。
12日間の実習が2回あり、児童養護施設と市役所の福祉事務所に行かせていただきました。児童養護施設では、施設に13日間泊まり込みでの実習でした。毎日の日誌に追われて寝不足続きで、慣れない環境の中で自分の未熟さやダメな所と向き合わなければならず、辛いことのほうが多かったように思います。でも、机で勉強したことより、実習先で実際に子どもと関わったりして福祉の現場を学んだことの方が、今の自分の成長に直接つながっていると思うし、現在の実務でも役に立っているということがたくさんあります。
受験勉強と並行しながらの実習2回は、大変だったし短期でバタバタして慌ただしく終わってしまったような気がしますが、確実に自分を成長させることができる機会、自分と向き合い将来について考える貴重な機会であったと思います。
受験生の中には、私のように短期の間に受験勉強も実習もこなさなければならない方もいらっしゃると思います。それでも、実習を単位を取るためだけのものと思わず、ぜひ、自分の成長のための有意義なものにしていただければと思います。
私の使っていた参考書は、やはり「速習」タイプなので、全範囲を網羅しておらず、載っていないものも時々ありました。私と同じ参考書を購入したクラスメイトには、「全部を網羅できていない」と、100%を求めて詳しい参考書を買い足す人もいました。
不安になる気持ちもわかりましたが、それでは自分を追い込んでしまうのではないかとも思いました。
試験のレベルを考えると、自分の到達すべき点は100%でなく70〜80%だと私は考えていました。限られた時間の中でできることを優先させると、新しい参考書を買っても時間とお金の無駄になるのではないかと思います。
1回きりの試験だし不安は誰にもありますが、自分に必要なこととできることをしっかりと見極めることが一番大切です。それによって、それ以外のことを潔く諦め、本当に必要なことをする時間に充てることができると思います。
心の成長も
社会福祉士の受験にかけた1年間の過程で、友人を得たことが一番よかったことだと思います。また、実習に行けたこともよかったと思っています。
12日間の実習が2回あり、児童養護施設と市役所の福祉事務所に行かせていただきました。児童養護施設では、施設に13日間泊まり込みでの実習でした。毎日の日誌に追われて寝不足続きで、慣れない環境の中で自分の未熟さやダメな所と向き合わなければならず、辛いことのほうが多かったように思います。でも、机で勉強したことより、実習先で実際に子どもと関わったりして福祉の現場を学んだことの方が、今の自分の成長に直接つながっていると思うし、現在の実務でも役に立っているということがたくさんあります。
受験勉強と並行しながらの実習2回は、大変だったし短期でバタバタして慌ただしく終わってしまったような気がしますが、確実に自分を成長させることができる機会、自分と向き合い将来について考える貴重な機会であったと思います。
受験生の中には、私のように短期の間に受験勉強も実習もこなさなければならない方もいらっしゃると思います。それでも、実習を単位を取るためだけのものと思わず、ぜひ、自分の成長のための有意義なものにしていただければと思います。