年間約5000名の新患者が発生するという脊髄損傷。
ここでは、その受傷直後から患者およびその家族がどのような思いを抱きながら治療に臨むのかを、時系列に沿ってご紹介します(執筆:丸山柾子さん)。
それに呼応する形で、医療関係者によるアプローチ、そして当事者の障害受容はどのような経緯をたどるのか、事例の展開に応じて、専門家が詳細な解説を示していきます(執筆:松尾清美先生)。
ここでは、その受傷直後から患者およびその家族がどのような思いを抱きながら治療に臨むのかを、時系列に沿ってご紹介します(執筆:丸山柾子さん)。
それに呼応する形で、医療関係者によるアプローチ、そして当事者の障害受容はどのような経緯をたどるのか、事例の展開に応じて、専門家が詳細な解説を示していきます(執筆:松尾清美先生)。
第6回 「第4回 転院受け入れ」「第5回 緊急手術を終えて」の解説
総合せき損センターの名前が出てきました。
この施設は、脊髄損傷者の病院や障害者施設での滞留が数年に及び、年間の発生率を考えると病院施設の不足が問題になるばかりでなく、国際的にも脊髄損傷者をはじめとする障害者の権利と社会参加の促進が提唱され始めていたこともあり、当時の労働省の肝いりで脊髄損傷者の社会参加を促進していこうという機運が高まり、リハビリテーションが全国に広がり始めた1979年に開設されたものです。イギリスのストークマンデビル病院をモデルにして、脊髄損傷や脊椎疾患に関して医学的支援と工学的支援などを行う、多岐にわたる専門家が雇用され、手術と治療からリハビリテーション訓練、心理的サポート、そして工学的サポートを行って、早期家庭復帰と社会復帰を目指して、現在も社会貢献しており、急性期から回復期まで総合的な支援が行われている日本で唯一のリハビリテーション病院です。
今年(2013年)、建て替えられて、新しい建家での支援活動が始まっています。写真は、丸山さんが治療と支援を受けた、建て替えられる前の総合せき損センターです。
丸山さんの救急病院での担当医は、総合せき損センターが、脊髄・脊椎の専門病院で、重篤な身体障害を呈する高位頸髄損傷者を治療する件数の多さや総合的な管理実績、そして社会参加のための支援を行うことを知っており、このセンターで治療を受けることが丸山さんにとってベターであると判断したことで転院となったものと思われます。この原稿を見ると、転院後のスタッフの対応は、救急車で運ばれて手術までのシステムと流れを感じることができます。
急性期、それも受傷直後の頸髄損傷者の治療内容については、この事例によく表れています。
この施設は、脊髄損傷者の病院や障害者施設での滞留が数年に及び、年間の発生率を考えると病院施設の不足が問題になるばかりでなく、国際的にも脊髄損傷者をはじめとする障害者の権利と社会参加の促進が提唱され始めていたこともあり、当時の労働省の肝いりで脊髄損傷者の社会参加を促進していこうという機運が高まり、リハビリテーションが全国に広がり始めた1979年に開設されたものです。イギリスのストークマンデビル病院をモデルにして、脊髄損傷や脊椎疾患に関して医学的支援と工学的支援などを行う、多岐にわたる専門家が雇用され、手術と治療からリハビリテーション訓練、心理的サポート、そして工学的サポートを行って、早期家庭復帰と社会復帰を目指して、現在も社会貢献しており、急性期から回復期まで総合的な支援が行われている日本で唯一のリハビリテーション病院です。
今年(2013年)、建て替えられて、新しい建家での支援活動が始まっています。写真は、丸山さんが治療と支援を受けた、建て替えられる前の総合せき損センターです。
丸山さんの救急病院での担当医は、総合せき損センターが、脊髄・脊椎の専門病院で、重篤な身体障害を呈する高位頸髄損傷者を治療する件数の多さや総合的な管理実績、そして社会参加のための支援を行うことを知っており、このセンターで治療を受けることが丸山さんにとってベターであると判断したことで転院となったものと思われます。この原稿を見ると、転院後のスタッフの対応は、救急車で運ばれて手術までのシステムと流れを感じることができます。
急性期、それも受傷直後の頸髄損傷者の治療内容については、この事例によく表れています。