第28回　50代ジョガーからの素朴な
質問＜１＞

　読者からたくさんの質問が届いていますので、今回から４回連続でお答えしていきたいと思います。今回は、50代女性、走歴１年半の方からの質問です。よくありがちな素朴な疑問ですので、みなさんも参考にしてもらえればと思います。

Ｑ
　あまり寒くないときは家でストレッチをして、外に出てから５分ほど歩き、それから走り始めますが、寒い日は歩いているとまた体が冷えてしまいそうです。ウォーキングを省いて、いきなり走り始めていいでしょうか？


Ａ
　ウォーキングは大事です。寒くない服装で！
　どのような服装で走っているのでしょうか。寒い日は歩いていても寒くなく、かつ、暖まったら１枚脱げるようなものを上に着ておくこと、つまり調整できる服装が大事です。それほど寒くない日、寒い日、とても寒い日では、走る際の服装もそれぞれ少しずつ変える必要があります。健康のために走っていて風邪をひくのは本末転倒ですので、その点は注意深く取り組んでいきましょう。故障防止のためにも最初に歩くのは大事なことですので、少し厚着くらいで歩いた後、走り出して暖まったら、上着を１枚脱いで腰に巻いたりして調整しましょう。

Ｑ
　すごく代謝が悪くて、頑張って走っているわりに体重が減りません。それ以上に体脂肪が減りません。代謝はどんなことに気をつけたら良くなるのでしょうか？


Ａ
　代謝が悪い原因に合わせて生活習慣を変える。
　代謝をよくする方法はいろいろあります。例えば、基礎代謝は筋肉のほうが大きいので筋力トレーニングで筋肉を増やしたり、朝食をしっかり摂るなど食事面で気をつけたり、身体を温めて体温を上げたり、などです。一方、代謝が悪いというのも理由はたくさんあります。血行が悪い冷え性だったり、栄養バランスが悪かったり、ストレスを抱え込んでいたり、あるいは実は単純に食べすぎだったり…。まずはそうした根本的な原因を除去することが肝心で、さらに代謝をよくする生活習慣をうまく取り入れていくことです。
　ちなみに、ジョギングをしているのに体重が減らない人は、“走っているから食べてもよい”という安心感が食べ過ぎにつながっている場合があります。あるいは、それほど食べていなくても、実は意外とカロリーの高い食材（例：菓子パンなど）を好んで食べている場合もありますので、普段から日々の食事内容を記録するなどして、食べ過ぎていないかをチェックしてみましょう。
　それから、体脂肪が減らないとのことですが、通常の体脂肪計の場合、生体インピーダンス法による測定のため、身体の水分量によって時間単位で数字が変わります。ですから、体脂肪計の数字で一喜一憂してはいけません。この方法は、体内の電流の流れ方で仮に求めた数字ですので、参考程度にとどめましょう。

Ｑ
　寒かったり天気が悪かったりして走るのが一週間以上あいたりすると、ジョグを再開する際に結構きついです。こんなことの繰り返しで、上達していくのか不安に感じています。


Ａ
　走ることを純粋に楽しみましょう。
　確かに１週間もあけてしまうと筋力の維持が難しくなります。しかし、寒さや天気が悪いから走れないというのは意志の問題ではないでしょうか。雨の日に無理をして走る必要もありませんが、この段階のジョガー（ジョギングをする人）にありがちなのは“走ることが手段になっている“ことです。多くのジョガーが実はジョギングそのものを楽しんでおらず、何かの手段になっています。この段階だと、天候や環境に左右されやすいですし、継続して走ることが辛くても仕方ありません。
　走るのが、「辛いなぁ」「いやだなぁ」と思って走るのはしんどいだけですよ。走ることが楽しいから走るのであって、楽しくなければ走らなければいいのです。それと｢練習｣と捉えてしまうのもよくないかもしれませんね。純粋に走ることが楽しくなれば、おのずと継続できるようになるでしょう。誰でも、ちょっと間違えると走ることが手段になりかねませんので、ご注意ください。