第7回
ランニングフォーム<2>腕振り・着地
前回に引き続きランニングフォームについてお話します。今回は、腕振りと着地についてです。
腕振り=推進力
腕振りはみなさん自然にやるものですが、これは、上半身で自然に作った回転の運動です(写真参照)。当たり前のことですが、“走る”ということは、右足と左足を交互に出して一歩一歩ジャンプしているのですが、この力を最初に生み出しているのが、腕振りなのです。腕振りによって上半身でひねりを生み出して、そのひねりが骨盤から脚に伝わり、前に進む推進力となるのです。
ですから、例えば、猫背の方が身体の前だけで腕を振っていてもひねりは生まれず、下半身に力がうまく伝わりませんから、あまりよくないのです。それどころか上半身と下半身がバラバラの動きになってしまいます。腕振りというのは、姿勢を崩さずにひじを後ろにひくことで、背骨を中心としたひねり運動ができ、これがちゃんと下半身に伝わることが大切なポイントなのです。
また、つい力が入って肩が上がってしまう人や肩だけで腕を振って走ろうとしている人もいますが、まず余計な肩の力を抜くことが大切です。走り始めは力を抜く感覚もわからないかもしれませんが、ポイントは「速く走ろうとしない」ことです。歩くくらいのスピードでしたら、無理な力が入りませんので、その状態で自然な腕振りを意識してみてください。ジョグの前に取り組んでいただきたいウォーキングから腕振りが意識できれば効果的でしょう。
腕振りのポイントですが、肩を動かすのではなく、肩甲骨を動かすことをイメージしてください。肩甲骨を動かすと自然と脚が前にでます。これが、上半身で生み出したひねりが下半身へと伝わって、脚が前に出ていく、ということです。
まっすぐ着地する
走るとき、地面に接地しているのは常に片足なので、着地衝撃は片足ずつ受けることになります。着地はとても大切なのですが、あまり着地に意識がいきすぎると、足先を不自然にこねてしまう危険性があります。初心者はあまり意識しないで自然に前にだすイメージでよいでしょう。
踵からまっすぐ着地することができていれば、それで十分です。まっすぐというのは、重心の真下で着地するということです。身体の前で着地している場合は、足だけで身体を前に運ぼうとしているということで、これでは体重をしっかり支えることができません。着地のときは、まっすぐ着地して脚全体で体重を支えられるようにしましょう。スロージョグであれば、それほど意識せずとも足は身体の真下にまっすぐ着地できると思います。
踵からまっすぐ着地することができていれば、それで十分です。まっすぐというのは、重心の真下で着地するということです。身体の前で着地している場合は、足だけで身体を前に運ぼうとしているということで、これでは体重をしっかり支えることができません。着地のときは、まっすぐ着地して脚全体で体重を支えられるようにしましょう。スロージョグであれば、それほど意識せずとも足は身体の真下にまっすぐ着地できると思います。
キレイなフォームでラクラクジョギング
第6回の読者QAで回答したとおり、フォームのセルフチェックポイントはいくつかありましたが、これからジョギングに取り組まれる方に意識していただきたいのは、これまで解説しました、「まっすぐ立つ」、「肩甲骨を意識した腕振り」、「まっすぐ着地」の3点です。これらができれば、「自然な前傾」もできているはずですので、まずは、この3点に取り組んでみてください。きっと安定したフォームでラクにジョギングができるはずです。参考までに私自身のフォームを動画で掲載しますので、チェックしてみてください。
次回以降、より安全なジョギングライフを送るために、運動前の体操・ストレッチ、筋力トレーニングについて解説していきたいと思います。
次回更新日は9月7日です。
2011年8月24日
※編集部より
9月の更新は、7日、14日、28日の3回です。お楽しみに!
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金さんの「50代からのジョギング入門」の後を受けて
市橋有里(いちはし・あり)さんの
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