第27回　50代からのジョギングトレーニング＜６＞ ジョグトレメニュー　上級編

　今回は、ジョグトレメニュー上級編として、ある程度走ることが習慣化した男性の例を紹介します。ジョギングというところから１歩前に進みたい方はぜひお読みください。

●50代男性・ラン歴２年半で、ほぼ毎日走る習慣がついて、今後はレースに積極的に参加したいと考えている方のメニュー

　一見したところ、距離が違うだけで同じような練習をされていますね。ペース的にはジョギングというよりはランニングといってよいペースですので、よく頑張っておられると思いますが、欠点は日々の練習が似すぎていて単調なことです。今後、レースに積極的に参加してタイムを伸ばすことを意識されるのであれば、練習の頻度を減らしてもよいので、２０ｋｍ走などの「ロング走」を取り入れてみましょう。２０ｋｍ走のペースは６分から６分半くらいで、前回解説したＬＳＤに近い感じです。また、距離を落として、もう少し速く走る練習も加えれば、さらに効果的です。こうして練習にバリエーションをもたせていくことが、今後のための第一歩となります。
　おそらく、すでにジョグが日課になっているため、走る日を減らすには心理的な抵抗があると思います。この方のように走り慣れてくると、毎日走らないと気がすまなくなり、こうしたジョギングトレーニングに陥ってしまうことがよくみられるのですが、日課になるほど走り慣れた方は、メリハリをつけた練習のほうが効果的です。ペースを落としたロング走、少し速めたミドル走、それにこれまでどおりのジョグで組み立てて、走る「日数」は減らしても走る「距離の合計」は落とさないようにすれば、比較的取り組みやすいのではないでしょうか。
　それから、スピード練習への取り組みも視野に入れているようですが、１ｋｍ５分半で走れるなら、基本的にスピード練習は必要ないと思います。今後、レースの記録が伸びていく段階で必要になるかもしれませんが、その際には、例えば前回のコラムで紹介したような、取り入れやすいスピード練習もありますので、故障に気をつけて取り組んでください。
　また、補強についてはまったく取り組んでいないようですね。補強はあくまでも補助的なものです。練習内容からしてすでに十分な脚力があるでしょうから、あえて取り組むとすれば上半身、体幹の補強です。けれども、この方の場合は、補強よりもストレッチに取り組むほうが先決かもしれません。これだけ走っていれば筋肉疲労も大きいでしょうから、走った日には必ずストレッチをやるように習慣づけましょう。ストレッチはじっくり取り組む方もいますが、私の場合は１種目３０秒くらいで１０種目程度、だいたい５分くらいを目安にやっています。それで十分だと考えています。

　前述の内容を踏まえてアレンジしたメニューです。ペース、距離ともにメリハリをつけています。ジョガーからランナーへ気持ちの上で一歩前進するためにも取り組んでみてはいかがでしょう。