第3回 走ることの意味(3)
−50代から始める意義−
50代から始めた人のきっかけ
私が指導するクラブチームでも40代後半や50代からランニングを始める人はたくさんいます。始めたきっかけのほとんどは、「健康」と「ダイエット」のためです。ずっと運動不足で過ごしてきて、健康診断で悪い数値が出たとか、単純に太ってメタボと診断されたので、そろそろ何かやらなければと思い立って始めるようです。みなさんにも当てはまることではないでしょうか? こうして始めた方のほとんどが減量に成功していますし、数値も改善していますので、ジョギング・ランニングが健康に寄与することは確かです。
ただし、気をつけていただきたいのは、怪我の予防です。年をとるとどうしても柔軟性がなくなり、筋力も落ちていきます。無理に走れば、膝や腰を痛めてしまうことがあります。そうならないためにも、筋力トレーニングやストレッチをするなどして怪我の予防を考えていく必要があります。ランニングは手軽で健康にいいスポーツですし、年をとってからでも十分始められるものですが、体への負荷がある程度高い運動であることを自覚して、日常的に体をよく動かして、また、食生活も含めて変えていくくらいのつもりで取り組んだほうが良いと思います。
それから、50代から始める方の特徴として、定年が10年以内に迫っていることで、定年後もずっと続けられる趣味として走り始める人も多いようです。ランニングブームで、老いも若きも走っており、仲間を見つけようと思えば自分の生活圏内でもたくさん見つけることができます。そういう意味では、定年後に自分が所属するコミュニティを見つける上で、ランニングは適しているようです。ちなみに、こうした方々の特徴として面白いのが、奥さん(旦那さん)を巻き込むパターンと、まったく単独で取り組むパターンがあることです。子育てが終わり、子どもが独立して、夫婦の関係しかないなかで、まったく別のライフスタイルをとるパターンと、夫婦で一緒にやるパターンの2通りがあるようです。みなさんが始めるとしたら、どちらのパターンに当てはまるでしょう。
ただし、気をつけていただきたいのは、怪我の予防です。年をとるとどうしても柔軟性がなくなり、筋力も落ちていきます。無理に走れば、膝や腰を痛めてしまうことがあります。そうならないためにも、筋力トレーニングやストレッチをするなどして怪我の予防を考えていく必要があります。ランニングは手軽で健康にいいスポーツですし、年をとってからでも十分始められるものですが、体への負荷がある程度高い運動であることを自覚して、日常的に体をよく動かして、また、食生活も含めて変えていくくらいのつもりで取り組んだほうが良いと思います。
それから、50代から始める方の特徴として、定年が10年以内に迫っていることで、定年後もずっと続けられる趣味として走り始める人も多いようです。ランニングブームで、老いも若きも走っており、仲間を見つけようと思えば自分の生活圏内でもたくさん見つけることができます。そういう意味では、定年後に自分が所属するコミュニティを見つける上で、ランニングは適しているようです。ちなみに、こうした方々の特徴として面白いのが、奥さん(旦那さん)を巻き込むパターンと、まったく単独で取り組むパターンがあることです。子育てが終わり、子どもが独立して、夫婦の関係しかないなかで、まったく別のライフスタイルをとるパターンと、夫婦で一緒にやるパターンの2通りがあるようです。みなさんが始めるとしたら、どちらのパターンに当てはまるでしょう。
50代からの健康づくりのすすめ
「介護予防」という言葉があります。みなさんはおそらく介護保険の第2号被保険者として介護保険料を支払っていますから、ご存じかと思いますが、高齢者が介護保険で定める「要介護状態」となることを防ぐために、あらかじめ対策をしていくことです。要は、寝たきりにならないことですが、寝たきりになる一番の原因は転倒による骨折です。何かにつまづいたときに自分の足の力で支えられず転倒してしまい、大腿骨などの大きな骨を骨折してしまうと入院するしかありません。入院すると1日ごとに筋力が落ちていきますから、そのまま動けなくなってしまうことも多いのです。私も31歳の時に入院したことがありますが、2週間ベッドにいたらまっすぐ歩けなくなりました。
また、走ることは健康な身体で長生きをすることにもつながります。これから先の人生、長く生きられるとしても、例えば何年もベッドの上だったら楽しくありません。自由に外に出て、空気を吸って、自然を感じて、それが人間の幸せではないでしょうか。健康寿命を伸ばすためにも、ジョギング・ランニングで身体の健康づくりを始めてみませんか?
心の健康づくりとして
RUNには心を癒す力もあります。私自身、がんを患って相当落ち込みましたが、走ることで救われた部分も大きかったと思います。さすがにうつ病で引きこもっている方や、とても深い悩みを抱えている方を走らせるというのは無理な話です。人はあまりにも落ち込みすぎると走る気力はとても湧きませんから。でも、ちょっと元気な人であれば、走ることでさらに元気になれると思います。
東日本大震災によって、多くの方が避難所で不便な暮らしをされていることと思います。大変なショックを受けられて、ふさぎこんだ生活をされている方は無理でも、少し落ち着かれた方が、体を動かしたい、誰かとコミュニケーションをとりたいといった欲求を解消するには、ウォーキングでもランニングでもできれば一石二鳥です。走りながらでもコミュニケーションはとれますし、体を動かすことで元気になり、ストレスも発散できます。特に子どもたちは体を動かすことに飢えていますから、走り回るのが一番ではないでしょうか。こういう時だからこそ、ランニングで元気になれることを知ってほしいのです。
私は今、うつ病の人たちに向けてランニングで何か役に立てないかと考えています。部屋に引きこもっている人を外に出すことは難しいのですが、そこがクリアできて、ちょっと走ってみようかなと思えれば、もう抗精神病薬はいりません。無心で走って、汗をかいて、心地よく疲れて、ぐっすり眠れば、人間は健康な身体になります。人は生きていくために身体を使うのが正常な在り方です。身体を使わないライフスタイルの人が運動=ランニングをすることでバランスをとるのはとても重要なことだと思います。うつ病の人にとってランニングが一番の薬になればいいなと考えています。
第1回から第3回では、走ることの意味を通してRUNの魅力や50代からランニングを始める意義をお話しました。いかがでしたでしょうか。始めてみようかな、という気持ちが少しでも芽生えたら嬉しいのですが。第4回からは、実際に始めるにあたっての注意点をお話します。
次回更新日は7月13日です。
2011年6月29日
東日本大震災によって、多くの方が避難所で不便な暮らしをされていることと思います。大変なショックを受けられて、ふさぎこんだ生活をされている方は無理でも、少し落ち着かれた方が、体を動かしたい、誰かとコミュニケーションをとりたいといった欲求を解消するには、ウォーキングでもランニングでもできれば一石二鳥です。走りながらでもコミュニケーションはとれますし、体を動かすことで元気になり、ストレスも発散できます。特に子どもたちは体を動かすことに飢えていますから、走り回るのが一番ではないでしょうか。こういう時だからこそ、ランニングで元気になれることを知ってほしいのです。
私は今、うつ病の人たちに向けてランニングで何か役に立てないかと考えています。部屋に引きこもっている人を外に出すことは難しいのですが、そこがクリアできて、ちょっと走ってみようかなと思えれば、もう抗精神病薬はいりません。無心で走って、汗をかいて、心地よく疲れて、ぐっすり眠れば、人間は健康な身体になります。人は生きていくために身体を使うのが正常な在り方です。身体を使わないライフスタイルの人が運動=ランニングをすることでバランスをとるのはとても重要なことだと思います。うつ病の人にとってランニングが一番の薬になればいいなと考えています。
第1回から第3回では、走ることの意味を通してRUNの魅力や50代からランニングを始める意義をお話しました。いかがでしたでしょうか。始めてみようかな、という気持ちが少しでも芽生えたら嬉しいのですが。第4回からは、実際に始めるにあたっての注意点をお話します。
次回更新日は7月13日です。
2011年6月29日
- 新連載開始のお知らせ
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金さんの「50代からのジョギング入門」の後を受けて
市橋有里(いちはし・あり)さんの
【ari's Basic Running 〜ココロもカラダもキレイに〜】が
スタートしました!こちらもよろしくお願いします!
http://www.caresapo.jp/senior/kantan/running/