第30回 ダイヤモンドヘッド(2)
ハワイの魅力とダイヤモンドヘッド
なかでも、ホノルルはハワイの中心街で、フランスやイタリアなど世界各国の高級ブランドの店や、新鮮な海や山の幸を提供するレストランが点在しています。とりわけ、ワイキキのビーチ沿いのカラカウア通りは、観光客で夜遅くまでにぎわっており、銀座やニューヨーク、パリ、ミラノ、ロンドンなどの町並みと変わりません。
また、世界最大のオープンエアのショッピングセンターもあり、連日、買い物客でにぎわっていますが、周囲を歩くと、太平洋戦争の傷跡があちこちに残っています。
そんな戦跡や資料館を見学すると、改めて平和のありがたさを痛感させられます。旧日本軍が奇襲攻撃をかけ、太平洋戦争が勃発するきっかけとなった真珠湾(パールハーバー)も、ワイキキの近くにあります。
さて、ダイヤモンドヘッドは、ハワイ諸島の“空の玄関口”ホノルルからバスで約25分のワイキキの近くにあります。ワイキキビーチからのあの景色は、絵ハガキや観光ポスター、ガイドブックでもおなじみで、ハワイを訪れた人なら、だれもが一度はカメラに収めているのではないでしょうか。
ダイヤモンドヘッドの名前の由来には諸説あるようですが、1700〜1800年ごろ、この山に登ったイギリス人の水夫たちが、火口の周辺にキラキラ輝く鉱物を見つけ、「ダイヤモンドがあるのではないか」と思い、この名前を付けたといわれています。
ワイキキビーチから仰ぐその独特のたたずまいは、ひょっとすると山中にダイヤモンドが埋もれているような気がしないでもありません。ほぼ真円に近い形をしたクレーター(噴火口)は、標高が約200メートルしかないにもかかわらず、火口の直径が1キロもあるのは、それだけ噴火が大きかった名残です。
しかし、現在は死火山です。中心の部分は15万年前の大噴火のときにできた火口湖の跡で、一番高い所が頂上です。ローカルの人たちは、東西南北をマカイ(海側)、マウカ(山側)、ダイヤモンドヘッド・サイド(東側)とオアフ島内の位置関係で表現するようです。
ところが、ハワイは海のリゾートというイメージがあまりにも強いのか、ダイヤモンドヘッドに登る人は意外に少ないようです。確かに、迫力のある形のせいか、歩いて上るのは大変なように見えますが、ワイキキから気軽にバスで行けるうえ、トレイル(登山道)も舗装されているところが多いため、健康であればだれでも登れます。