第22回 薩埵峠(2)
JR興津駅から歩き出す
起点は、お江戸日本橋(現東京都中央区)側のJR東海道線の由比駅からで、道も緩やかで楽です。しかし、これでは富士山を背に歩くことになるため、感動も薄れがちになってしまいます。
そこで、JR興津駅から歩きましょう。マイカー登山の場合、峠の近くに駐車場がありますが、興津側の墓地の手前にも駐車できるスペースがあります。
興津駅から直進し、国道1号線の手前の旧道の信号を左折すると、やがて、一里塚の跡の石碑にさしかかります。日本橋から数えて41番目の一里塚です。
興津宿は江戸時代、本陣と脇本陣がそれぞれ2つ、旅籠(はたご)が34軒ある宿場でした。街道は、その後、国道として道が広げられて舗装されたため、かつての面影はまったくありません。
この身延道は、興津宿と日蓮宗総本山の身延山久遠(くおん)寺を結ぶ街道でした。また、鎌倉時代には駿河(静岡県)と甲斐(山梨県)、あるいは信濃(長野県)を結ぶ街道でもありました。