第2回 湘南平(下)
相模湾や富士山を望む
15分ほど登っていけば尾根に出て、左手の木の間から相模湾が目に飛び込んできます。春の日差しが降り注ぐ海原はいかにものどかで、伊藤博文や大隈重信、西園寺公望、吉田茂、島崎藤村などの政財界のお歴々や文人たちが、ここ大磯を清遊の地に選んだのもうなずけることでしょう。
白梅や紅梅、スイセン、ヤマザクラの咲き誇る春の道を行くと富士山信仰の浅間(せんげん)神社があります。右手には相模平野を見据えた大山がたたずみ、ちょっとした休憩所になっています。
中継所の階段を登ると、先ほど登ってきた高麗山や相模湾が前方に広がっています。振り返れば、頂上一帯にレストハウスのある広場が広がり、そのはるか向こうに残雪の富士山がそびえ、その裾野は大磯海岸へと続いています。
邸宅巡りも楽しめる
車道をマイカーで登ってきた若いカップルや家族連れを縫い、片隅の登山道を伝って善兵衛池へ行くと溜め池にさしかかります。江戸時代、水不足に苦しむ村人のため、溜め池を造って水田の開発に力を注いだ三宅善兵衛ゆかりの地で、かたわらにその偉業をたたえる碑があります。
ウグイスなどの野鳥のさえずりを聞きながら住宅街を抜けると、もう大磯駅までわずかです。そのまま線路をくぐる地下道を抜け、右折すれば大磯駅ですが、時間と余力があれば、藤村の終焉(しゅうえん)の地である旧宅を訪ねてはいかがでしょうか。
ウグイスなどの野鳥のさえずりを聞きながら住宅街を抜けると、もう大磯駅までわずかです。そのまま線路をくぐる地下道を抜け、右折すれば大磯駅ですが、時間と余力があれば、藤村の終焉(しゅうえん)の地である旧宅を訪ねてはいかがでしょうか。
また、そのまま南下して国道1号線に出て、旧東海道の松並木や伊藤博文らの邸宅跡を見学したりすれば、湘南・大磯の旅情もいっそう増すことでしょう。
次回は、軽井沢の“知られざるコース”、離山(長野)をご紹介します。
大磯町観光協会次回は、軽井沢の“知られざるコース”、離山(長野)をご紹介します。