第29回 ダイヤモンドヘッド(1)
ハワイの立地と歴史
ハワイといえば、青い海と白い砂浜、サーフィンやヨット、モーターボートといった海のリゾートを思い浮かべる方も多いかと思いますが、山歩きを楽しむこともできます。今回は、常夏の島・ハワイのシンボル、ダイヤモンドヘッドをご紹介します。
ダイヤモンドヘッド(標高232メートル)は、頂上までわずか1時間程度で上ることができ、山頂からはワイキキのビーチやホテル、コンドミニアム、紺碧の太平洋など360度の絶景を満喫できます。
ハワイは、正確には米国・ハワイ州のハワイ諸島といいます。元々は火山の噴火でできた島々で、オアフ島、マウイ島、ハワイ島、カウアイ島など8つの島から成り立っています。
600〜750年、ポリネシア三角圏のマーケサス諸島の一つ、タヒチ島周辺からポリネシア人が上陸し、故国の文化や風俗を基本にハワイ独特の文化を築きました。1778年、イギリス人船長のジェームス・クックが北大西洋航路を探索する航海の途中、ハワイ諸島を発見しました。
ハワイの人々はクックを神の化身だと思いこみ、最高のもてなしで迎えましたが、先住民との争いでクックが殺害されたため、船員たちは島を去りました。その後、天然痘や百日咳、はしかなどがハワイに持ち込まれ、免疫のなかった多くの人々が命を落としました。
やがて、王朝時代となり、アメリカ人の宣教師たちが訪れ、キリスト教の影響下で独特の文化や政治が成り立ち、1835年、サトウキビ畑が広大な農園に拡大されました。
そして、中国や日本、ロシア、韓国、プエルトリコ、ポルトガル、フィリピンなどから移民が押し寄せ、ハワイ経済を形成しました。その後、1959年、アメリカの50番目の州となり、アメリカ本土から直行便が就航して世界屈指のリゾート地となったのです。
観光客に一番人気があるのは、美しいワイキキビーチやダイヤモンドヘッドなどのあるオアフ島で、成田空港から約7時間で到着します。最近、このオアフ島に次いで人気があるのが、今なお活火山の世界遺産、キラウエア火山(1,247メートル)のあるハワイ島です。
オアフ島から飛行機やフェリーでアクセスでき、溶岩で焼け焦げた畑や海岸などを見学することができます。奥地には大小の山や渓谷、滝もあるため、日系人や長期滞在の日本人も多数います。