第14回 岐阜金華山(下)
眼下に広がる市街地と長良川
ところで、金華山はかつて稲葉山と呼ばれていました。金華山という名前は、山全体がアラカシなどの照葉樹で覆われており、ツブラジイの花が咲くと山全体が金色に輝いて見えることに由来します。また、戦国時代には道三や信長が山頂に居城を設け、“国盗り物語”を演じていました。
しかし、江戸時代に入り、「天領・お留め山」として入山や伐採が厳しく取り締まられた結果、繁華街に近い割には、珍しく森林として緑が残っています。さらに、真夏でも眼下の長良川から吹き渡る川風のために涼しく、行楽客やハイカーを年中、楽しませています。
さて、道は次第にゆるやかに上っていきます。ジグザグの道が山中に続いており、駅前から通ってきた道の喧騒もウソのような静けさです。下山中の若い男女のグループから「こんにちは」、「ご苦労さま」と声をかけられましたが、山歩きならではの見知らぬ人との交流の一コマです。
頭上にロープウエイが行き交い、車中から乗客が手を振っている人もいます。そんなときは、こちらからも手を振ってエールを送ってみてはいかがでしょうか。
そうこうしてジグザグ道を上っていくうちに、前方に城の土塀を模した建築物が見え、木の間に秋の空に映える岐阜城を望むことができます。岐阜駅前から3時間、登山口から2時間ほどで山頂にたどり着きました。
しかし、江戸時代に入り、「天領・お留め山」として入山や伐採が厳しく取り締まられた結果、繁華街に近い割には、珍しく森林として緑が残っています。さらに、真夏でも眼下の長良川から吹き渡る川風のために涼しく、行楽客やハイカーを年中、楽しませています。
さて、道は次第にゆるやかに上っていきます。ジグザグの道が山中に続いており、駅前から通ってきた道の喧騒もウソのような静けさです。下山中の若い男女のグループから「こんにちは」、「ご苦労さま」と声をかけられましたが、山歩きならではの見知らぬ人との交流の一コマです。
頭上にロープウエイが行き交い、車中から乗客が手を振っている人もいます。そんなときは、こちらからも手を振ってエールを送ってみてはいかがでしょうか。
そうこうしてジグザグ道を上っていくうちに、前方に城の土塀を模した建築物が見え、木の間に秋の空に映える岐阜城を望むことができます。岐阜駅前から3時間、登山口から2時間ほどで山頂にたどり着きました。
山頂では、市街地や伊勢湾に注ぐ長良川などの木曽三川、さらにはお隣りの大垣や名古屋などの町並みのパノラマを眼下に望みながら、気持ちよく昼食をいただけます。ここに城を設け、敵の動きをにらんだ道三や信長の思いが身に迫るようです。
帰りは、上ってきた道をそのままUターンしましたが、シーズンなら長良川名物の鵜飼を見物してはいかがでしょうか。
帰りは、上ってきた道をそのままUターンしましたが、シーズンなら長良川名物の鵜飼を見物してはいかがでしょうか。
古くは『日本書紀』にも紹介されているほどで、永禄7(1564)年、鵜飼を見物した信長は、感動のあまり、鵜匠を「鷹匠」と同様に保護し、1戸当たり10俵相当の給与を支払ったと伝えられています。
伝統の装束に身を包んだ鵜匠が、かがり火に照らし出された闇夜の川面で、鵜舟から「ホウホウ」と声を上げながらウを操り、アユを獲る様は幽玄の世界へと誘う古典絵巻です。岐阜金華山の“アフター登山”を堪能させることでしょう。