第9回 立山・雄山(上)
夏山のメッカ、北アルプスの立山・雄山
うっとうしい梅雨も明け、いよいよ夏山シーズンの到来です。
日ごろは、里山や近郊の低山をメーンに歩いている人にとっても、夏山なら、かなり高い山へもチャレンジが可能です。
そこで、今回は、1泊2日で富山県にある北アルプス・立山連峰の盟主、雄山(おやま:標高3015メートル)の登山に挑戦してみましょう。
日ごろは、里山や近郊の低山をメーンに歩いている人にとっても、夏山なら、かなり高い山へもチャレンジが可能です。
そこで、今回は、1泊2日で富山県にある北アルプス・立山連峰の盟主、雄山(おやま:標高3015メートル)の登山に挑戦してみましょう。
ところで、実は「立山」という特定の山はなく、主峰の雄山をはじめ、大汝(おおなんじ)山、富士ノ折立の立山三山を中心とし、これに周囲の鬼岳や獅子岳を含め、立山連峰といわれています。また、これらの山に鷲岳や鳶岳、国見岳、天狗山、弥陀ヶ原、大日平を合わせて立山と呼ぶ場合もあります。
このほか、山岳信仰や、これまで各山から出土した文化財を考えれば、剱(剣)岳(2998メートル)や大日岳も含めなければならないという説もあります。なかでも山頂に雄山神社の奥宮が鎮座する雄山は狭義の立山といわれ、平安時代から立山信仰の象徴として崇められています。
このほか、山岳信仰や、これまで各山から出土した文化財を考えれば、剱(剣)岳(2998メートル)や大日岳も含めなければならないという説もあります。なかでも山頂に雄山神社の奥宮が鎮座する雄山は狭義の立山といわれ、平安時代から立山信仰の象徴として崇められています。
立山信仰にあやかり、富山県側から登る
この立山・雄山に登るには富山県側と長野県側からの2つのルートがあり、関西方面からは富山市、関東方面からは大町市から向かいます。いずれのアプローチでも、その醍醐味に変わりはありませんが、今回は富山平野越しに日本海に面して屏風のようにそびえる富山市側から登ることにしましょう。
JR富山駅から富山地方電鉄に乗り換えて終点の立山で下車し、美女平までケーブルカーで移動します。わが国屈指の山岳観光地である立山黒部アルペンルートの始まりで、ここから標高差505メートル、24〜29度の急勾配を7分で一気に上ります。
到着すると、一帯は幹の直径が1メートルもある立山杉やブナの原生林が広がっています。軽井沢とほぼ同じ、標高約1000メートルで、どこから野鳥のさえずりが聞こえるなか、室堂行きの高原バスに乗り換えます。さらに高度を上げると、深い峡谷を切り裂くような瀑布が見えてきます。これが350メートルという日本一の落差を誇る称名滝で、まさに涼味満点です。
バスは、やがて30分ほどで終点の室堂に到着します。この辺りは、もう標高2450メートルとあって、目指す雄山は目の前です。日本一高所にたたずむ山岳ホテルや江戸時代から続く山小屋もあり、心がはやるかもしれません。
しかし、雄山の頂上まではここから片道3時間、往復5時間半はかかるので、今宵は周辺のホテルか山小屋に宿泊して、あすの登山に備えましょう。電車の長旅で体が疲れてしまった人は途中の弥陀ヶ原で下り、夕食の前に高原を散策して足慣らしをするのもいいでしょう。
弥陀ヶ原一帯は標高1600〜2000メートルで、餓鬼(がき)の田といわれる池糖の周りにチングルマやワタスゲ、ダケカンバなどの可憐な高山植物が咲き乱れています。室堂とは違った女性的な雰囲気のある高原で、宿の湯船から見下ろす富山平野の夜景も見ものです。
立山黒部アルペンルート オフィシャルガイドJR富山駅から富山地方電鉄に乗り換えて終点の立山で下車し、美女平までケーブルカーで移動します。わが国屈指の山岳観光地である立山黒部アルペンルートの始まりで、ここから標高差505メートル、24〜29度の急勾配を7分で一気に上ります。
到着すると、一帯は幹の直径が1メートルもある立山杉やブナの原生林が広がっています。軽井沢とほぼ同じ、標高約1000メートルで、どこから野鳥のさえずりが聞こえるなか、室堂行きの高原バスに乗り換えます。さらに高度を上げると、深い峡谷を切り裂くような瀑布が見えてきます。これが350メートルという日本一の落差を誇る称名滝で、まさに涼味満点です。
バスは、やがて30分ほどで終点の室堂に到着します。この辺りは、もう標高2450メートルとあって、目指す雄山は目の前です。日本一高所にたたずむ山岳ホテルや江戸時代から続く山小屋もあり、心がはやるかもしれません。
しかし、雄山の頂上まではここから片道3時間、往復5時間半はかかるので、今宵は周辺のホテルか山小屋に宿泊して、あすの登山に備えましょう。電車の長旅で体が疲れてしまった人は途中の弥陀ヶ原で下り、夕食の前に高原を散策して足慣らしをするのもいいでしょう。
弥陀ヶ原一帯は標高1600〜2000メートルで、餓鬼(がき)の田といわれる池糖の周りにチングルマやワタスゲ、ダケカンバなどの可憐な高山植物が咲き乱れています。室堂とは違った女性的な雰囲気のある高原で、宿の湯船から見下ろす富山平野の夜景も見ものです。