第39回 風邪を引かないだけでも老化防止
失った「気」は戻りにくくなる――セオリー(3)
前回(第38回)のコラムでは、“秋バテ”などの体調不良の原因の1つとして、漢方でいう「気」(エネルギー)をボールに例えての2つのセオリーをご紹介しました。
今回は、老化に関係する3つめの「エネルギー・ボール・セオリー」について、説明しましょう。
50歳を過ぎた中高年と呼ばれる方々に共通していえるのは、(1)エネルギーのボールはすでに小さくなっていて、(2)カラダのいろいろな調整のためのエネルギーを使うため、日々のために使えるエネルギーが少なくなっている――ということです。
その状態で、たとえば風邪をひくと、エネルギー・ボールからは、一気に空気が抜けて、よけいに小さくなってしまいます。その後風邪が治って、エネルギーを補うべく、空気をボールに入れようとしても、加齢によってカラダのそれぞれの臓器や働きも悪くなっているので、空気を吹き込むのに時間がかかることでしょう。
場合によっては、抜けた空気と同じ分量をボールに戻すまでにいたらない場合もあります。この、「風邪をひく」といった体調不良を起こしたことによって失ったエネルギーが、なかなか戻りにくい――という状態が、「エネルギー・ボール・セオリー(3)」です。
今回は、老化に関係する3つめの「エネルギー・ボール・セオリー」について、説明しましょう。
50歳を過ぎた中高年と呼ばれる方々に共通していえるのは、(1)エネルギーのボールはすでに小さくなっていて、(2)カラダのいろいろな調整のためのエネルギーを使うため、日々のために使えるエネルギーが少なくなっている――ということです。
その状態で、たとえば風邪をひくと、エネルギー・ボールからは、一気に空気が抜けて、よけいに小さくなってしまいます。その後風邪が治って、エネルギーを補うべく、空気をボールに入れようとしても、加齢によってカラダのそれぞれの臓器や働きも悪くなっているので、空気を吹き込むのに時間がかかることでしょう。
場合によっては、抜けた空気と同じ分量をボールに戻すまでにいたらない場合もあります。この、「風邪をひく」といった体調不良を起こしたことによって失ったエネルギーが、なかなか戻りにくい――という状態が、「エネルギー・ボール・セオリー(3)」です。
風邪のビフォーとアフターとで「違う感じ」
これは、実際の暮らしのなかでは、「風邪をひいて、治ったはずなのに、風邪をひく前の体調とは、なんか違う感じ」という感覚にあらわれます。
「なんか違う感じ」とは、「疲れやすくなる」「無理がきかなくなる」「だるさが抜けない」――など、病院にいくまでではないものの、「でも、風邪をひく前とは違う」という不調のこと。
この「なんか違う感じ」は、中高年がいったん体調不良を起こした後の「日常の変調」の典型例といえますが、その理由は、エネルギー・ボールが、体調を崩す前の大きさに戻らないことから、風邪といった病気自体は治っても、体調については、「前とは違う感じ」になってしまう――という「エネルギー・ボール・セオリー(3)」で説明することができます。
これをグラフであらわしてみると、右肩下がりに老化が進んでいるところに、グラフの傾きがガクンと落ちてしまい、その後、体調回復とともにグラフが上向きになったとしても、体調を崩さないで過ごしていた場合と比べると、グラフが下に位置してしまっている状態といえます。
「なんか違う感じ」とは、「疲れやすくなる」「無理がきかなくなる」「だるさが抜けない」――など、病院にいくまでではないものの、「でも、風邪をひく前とは違う」という不調のこと。
この「なんか違う感じ」は、中高年がいったん体調不良を起こした後の「日常の変調」の典型例といえますが、その理由は、エネルギー・ボールが、体調を崩す前の大きさに戻らないことから、風邪といった病気自体は治っても、体調については、「前とは違う感じ」になってしまう――という「エネルギー・ボール・セオリー(3)」で説明することができます。
これをグラフであらわしてみると、右肩下がりに老化が進んでいるところに、グラフの傾きがガクンと落ちてしまい、その後、体調回復とともにグラフが上向きになったとしても、体調を崩さないで過ごしていた場合と比べると、グラフが下に位置してしまっている状態といえます。
自分の日々のリズムを守る
このように、いったん体調を崩すと元に戻るのに時間がかかり、なかなか元には戻りにくいのが中高年の特徴です。ですから、体調を崩さない、たとえば、これからの冬のシーズンであれば、風邪をひかない、インフルエンザにかからない、ということだけでも、実は老化防止といえるのです。
体調を崩さないための基本は、「自分の日々のリズム」を守ることです。
イベントのない日々の生活では、起床時間や就寝時間を定時にする、運動をする曜日や時間帯を決めておく、腹八分目を守る――といった、月並みですが「規則正しい生活」を心がけるようにしてください。
忘年会やクリスマス会といった楽しいイベントの予定を立てることは楽しいことであり、ストレス発散にもなるとは思いますが、そんな時こそ、「エネルギー・ボール・セオリー」を思い出し、たまの夜更かしや深酒の後は、「気」を補充するための時間をとるなど、余裕をもったスケジュールをたてましょう。
次回は、12月15日(木)更新予定です。
体調を崩さないための基本は、「自分の日々のリズム」を守ることです。
イベントのない日々の生活では、起床時間や就寝時間を定時にする、運動をする曜日や時間帯を決めておく、腹八分目を守る――といった、月並みですが「規則正しい生活」を心がけるようにしてください。
忘年会やクリスマス会といった楽しいイベントの予定を立てることは楽しいことであり、ストレス発散にもなるとは思いますが、そんな時こそ、「エネルギー・ボール・セオリー」を思い出し、たまの夜更かしや深酒の後は、「気」を補充するための時間をとるなど、余裕をもったスケジュールをたてましょう。
次回は、12月15日(木)更新予定です。
(2011年11月17日)
- 木村容子先生のお勤め先
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東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女50歳からの「変調」を感じたら読む本』(静山社文庫)
定価:¥680(税込)