第25回 溜まった夏の疲れを取り除く
「疲れ」+「涼しさ」でエネルギー消耗
9月に入って、時折涼しい日が増えてくると、夏の間の疲れがドッと出がちです。特に、今年の夏は暑さが厳しかっただけに、疲れの度合いも、昨年以上に思える方も多いかと思います。
「チリも積もれば…」ではないですが、「疲れも積もれば山になる」と言え、夏場の暑さに対応するために体力を消耗したり、寝苦しくて寝不足を積み重ねることなどによって、徐々に溜まった疲れが9月に入りピークに達します。
加えて、中高年は、季節の変化に対してカラダをスムーズに順応させにくくなっています。「暑さ」に対してこれまでエネルギーを使って消耗しきっているところに、今度は新たに「涼しさ」にカラダを慣らすためにエネルギーを使わなくてはいけません。
9月は「疲れを感じながらも、エネルギーを使わなくてはいけない」という、カラダにとっては、とてもきつい時期と言えます。
「チリも積もれば…」ではないですが、「疲れも積もれば山になる」と言え、夏場の暑さに対応するために体力を消耗したり、寝苦しくて寝不足を積み重ねることなどによって、徐々に溜まった疲れが9月に入りピークに達します。
加えて、中高年は、季節の変化に対してカラダをスムーズに順応させにくくなっています。「暑さ」に対してこれまでエネルギーを使って消耗しきっているところに、今度は新たに「涼しさ」にカラダを慣らすためにエネルギーを使わなくてはいけません。
9月は「疲れを感じながらも、エネルギーを使わなくてはいけない」という、カラダにとっては、とてもきつい時期と言えます。
秋・冬に体調を崩さないために
今夏の暑さは、夜になっても厳しかったので、日中はおろか就寝中もクーラーを利用していた方々も多いでしょう。
熱中症対策としては大事なことなのですが、こうして一日中、クーラーの中にいることで、カラダが冷え、血液などの循環が悪くなったり滞ったり、栄養分がカラダの隅々まで行き渡らなかったりすることで疲れやすくなり、さらに疲れが蓄積されていってしまう原因にもなります。
夏の疲れが溜まったままでいると、秋や冬になって、風邪をひきやすく、治りにくくなったり――と、大きく体調を崩しかねません。
夏の疲れを今の秋の早い段階で取り除き、カラダをリセットしておくことで、これから迎える冬の寒さへの備えもできる、というものです。
熱中症対策としては大事なことなのですが、こうして一日中、クーラーの中にいることで、カラダが冷え、血液などの循環が悪くなったり滞ったり、栄養分がカラダの隅々まで行き渡らなかったりすることで疲れやすくなり、さらに疲れが蓄積されていってしまう原因にもなります。
夏の疲れが溜まったままでいると、秋や冬になって、風邪をひきやすく、治りにくくなったり――と、大きく体調を崩しかねません。
夏の疲れを今の秋の早い段階で取り除き、カラダをリセットしておくことで、これから迎える冬の寒さへの備えもできる、というものです。
眠って気を補い、発汗で疲れを出す
この時期の養生のポイントは以下の3点です。まずは、
(1)眠気に身を任せる
夜も涼しくなって眠りやすくなっていることもあり、これまでよりも「眠い」と感じる場合は、自然にまかせて眠りましょう。いつもよりも少し早目に床についたり、30分程度の昼寝でも結構です。無理に起きているよりも、ぐっと寝ることで、消耗していたエネルギーが補給されます。
次に、
(2)汗をかく
本来、夏は「発散の季節」です。体内の余分なものを外に出すことが養生なのですが、クーラーの中で過ごし汗をかく機会がなかったり、スポーツをする気力もないほど暑さへの順応で疲れていたり、カラダが冷えて便秘気味だった場合は、体内に熱がこもってしまいがちです。
いま、だるさやカラダに重さを感じるのであれば、その可能性大です。スポーツで汗をかくのがいいのですが、無理な場合は、近所のウォーキングでも結構です。また、シャワーだけですませず、週に2回でも3回でもいいので湯船につかって、ジワッと汗を出すのもいいでしょう。汗と一緒に夏の疲れも体内から出ていく、といったイメージです。
(1)眠気に身を任せる
夜も涼しくなって眠りやすくなっていることもあり、これまでよりも「眠い」と感じる場合は、自然にまかせて眠りましょう。いつもよりも少し早目に床についたり、30分程度の昼寝でも結構です。無理に起きているよりも、ぐっと寝ることで、消耗していたエネルギーが補給されます。
次に、
(2)汗をかく
本来、夏は「発散の季節」です。体内の余分なものを外に出すことが養生なのですが、クーラーの中で過ごし汗をかく機会がなかったり、スポーツをする気力もないほど暑さへの順応で疲れていたり、カラダが冷えて便秘気味だった場合は、体内に熱がこもってしまいがちです。
いま、だるさやカラダに重さを感じるのであれば、その可能性大です。スポーツで汗をかくのがいいのですが、無理な場合は、近所のウォーキングでも結構です。また、シャワーだけですませず、週に2回でも3回でもいいので湯船につかって、ジワッと汗を出すのもいいでしょう。汗と一緒に夏の疲れも体内から出ていく、といったイメージです。
旬の食材で食養生
最後に、
(3) 食べて疲れを吹き飛ばす
エネルギー(気)を補う秋の食材は、サツマイモや里芋、ジャガイモなどといったいも類や、サバ、サンマ、イワシなどの青魚です。栗やキノコ類もおいしい季節なので、積極的に取り入れるといいでしょう。
また、カラダを温める食材も同時にとると体調回復に役立ちます。漢方では「カラダを温める食材と、カラダを冷やす食材がある」と考えています。カラダを温める食材とは、一般的に寒い季節や寒冷地域で採れる食材のことで、代表的なものは、ショウガ、山椒、ニンニク、ネギ、ニラ、青ジソ、カボチャ、ナツメ、アンズ、クルミ、シナモン、トウガラシなど。
次回は、10月21日(木)更新予定です。
(3) 食べて疲れを吹き飛ばす
エネルギー(気)を補う秋の食材は、サツマイモや里芋、ジャガイモなどといったいも類や、サバ、サンマ、イワシなどの青魚です。栗やキノコ類もおいしい季節なので、積極的に取り入れるといいでしょう。
また、カラダを温める食材も同時にとると体調回復に役立ちます。漢方では「カラダを温める食材と、カラダを冷やす食材がある」と考えています。カラダを温める食材とは、一般的に寒い季節や寒冷地域で採れる食材のことで、代表的なものは、ショウガ、山椒、ニンニク、ネギ、ニラ、青ジソ、カボチャ、ナツメ、アンズ、クルミ、シナモン、トウガラシなど。
次回は、10月21日(木)更新予定です。
(2010年9月16日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女40歳からの「不調」を感じたら読む本−カラダとココロの漢方医学−』(静山社文庫)
定価:¥680(税込)