第17回 春は「プチうつ」「疲れやすさ」を感じやすい
木が伸びるがごとく「気」あふれる春
春は、漢方の「五行説」では「木」にあたります。「五行説」とは、種々の事象を「木・火・土・金・水」の5つに分ける考え方です。たとえば四季についていうと、「木(もく)」は、木(き)が空に向かってグングンと伸びていく様のごとく、万物が生き生きと活動し始めることをあらわします。
草花は芽吹き、地中から虫たちが顔を出し、人間にとっては、やる気や元気の元である「陽の気」が高まります。
本来、春はエネルギーが満ち、生命力のあふれる季節であるにも関わらず、 実際には、「疲れやすい」「何となく気分がのらない」「やる気がおこらない」といった症状を訴える患者さんが少なくありません。
中には、「うつ病になってしまったのでは?」と不安に思う方もいるほどです。実は、ココロの病気にかかっていない人であっても「プチ憂うつ」になりやすいのが、春という季節のもつ特徴です。
草花は芽吹き、地中から虫たちが顔を出し、人間にとっては、やる気や元気の元である「陽の気」が高まります。
本来、春はエネルギーが満ち、生命力のあふれる季節であるにも関わらず、 実際には、「疲れやすい」「何となく気分がのらない」「やる気がおこらない」といった症状を訴える患者さんが少なくありません。
中には、「うつ病になってしまったのでは?」と不安に思う方もいるほどです。実は、ココロの病気にかかっていない人であっても「プチ憂うつ」になりやすいのが、春という季節のもつ特徴です。
余分な「気」を使うために疲れやすい
プチ憂うつになりやすいのは、この春の持つ「満ち溢れてくるエネルギー」に心身がうまく対応できず、体内の「気」(エネルギー)の巡りが悪くなってしまう場合があるからです。
特に中高年の場合は、老化によってカラダの臓器そのものの機能が衰えること以外にも、臓器の予備力低下も起こるので、季節の変化になかなかついていきにくくなっています。
今年の春のように、前日と翌日とで十度以上の気温差があるような場合は、とてもしんどいと感じることでしょう。カラダが気温の変化にやっと対応した頃には、また新たな気温差のための調整を強いられます。ここまで変化が激しいと、気温差がカラダにとっては「ストレス」になるのです。
カラダは、こうした変化についていくだけでも、漢方でいう「気」(生命活動を営むエネルギー)を使わざるをえません。季節の変わり目は、体内調整のために普段の生活よりも余分に「気」を使っているので、疲れやすくなったり、だるくなったりするのです。
特に中高年の場合は、老化によってカラダの臓器そのものの機能が衰えること以外にも、臓器の予備力低下も起こるので、季節の変化になかなかついていきにくくなっています。
今年の春のように、前日と翌日とで十度以上の気温差があるような場合は、とてもしんどいと感じることでしょう。カラダが気温の変化にやっと対応した頃には、また新たな気温差のための調整を強いられます。ここまで変化が激しいと、気温差がカラダにとっては「ストレス」になるのです。
カラダは、こうした変化についていくだけでも、漢方でいう「気」(生命活動を営むエネルギー)を使わざるをえません。季節の変わり目は、体内調整のために普段の生活よりも余分に「気」を使っているので、疲れやすくなったり、だるくなったりするのです。
「気」をすり減らさない工夫を
また、「気」は免疫力にも関係しているので、「気」が少なくなると風邪を引きやすくなるなど、体調を崩しやすくなります。
こうした季節調整のための「気」を余分に使うのは、冬から春に限らず、四季の変化に富む日本においては、季節の変わり目には多かれ少なかれ起こりうることです。春先を含め季節が変わるときに訃報が多くなるのも、このような季節の影響もあると考えます。
ですから、季節ごとの節目には、「余分に『気』を使っている」ことを記憶にとどめ、普段よりも休息時間を多くとったり、用事をいつもの8割程度に抑えるなどの工夫をしたりして、「気」をすり減らさないように心がけましょう。
こうした季節調整のための「気」を余分に使うのは、冬から春に限らず、四季の変化に富む日本においては、季節の変わり目には多かれ少なかれ起こりうることです。春先を含め季節が変わるときに訃報が多くなるのも、このような季節の影響もあると考えます。
ですから、季節ごとの節目には、「余分に『気』を使っている」ことを記憶にとどめ、普段よりも休息時間を多くとったり、用事をいつもの8割程度に抑えるなどの工夫をしたりして、「気」をすり減らさないように心がけましょう。
プチうつには「汗」や「香り」で乗り切る
食生活では、香りの野菜(セロリ、みつば、ミントなど)を香り成分が飛ばないように料理に取り入れるほか、柑橘類も気の流れをスムーズにし、リフレッシュさせてくれます。また、ミントティーやジャスミンティーなど香りのある茶葉で、ご自分が気持ち良いと感じるものを選ぶのもいいでしょう。
次回は、5月27日(木)更新予定です。
(2010年5月13日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女40歳からの「不調」を感じたら読む本−カラダとココロの漢方医学−』(静山社文庫)
定価:¥680(税込)