第31回 花見には「服装」と「飲食」の防寒対策を
屋外に長時間いるには、まだ寒い
桜の開花予想が気になる頃となりました。みなさんの中には、「花見はやっぱり桜の木の下で」と、屋外でお花見をする予定を立てている方もいらっしゃることでしょう。
しかし、「花冷え」という言葉どおり、まだまだ寒さが残っている時期なので、屋外に長時間いると「冷え」が心配です。
少しの間なら寒さを感じない気温でも、数時間も同じ姿勢で過ごしていると、「血」(血液)の巡りが悪くなり、手足が冷えたり、背中などカラダの表面がゾクゾクと寒気を感じるようになります。
そして、次第にカラダの芯までじわじわと冷えていき、お花見から帰ってきたら風邪をひいてしまった――というのでは、せっかくの楽しいお花見が台無しです。
こうした残念な結末にならないよう、今回は、お花見を含めた屋外での行楽にあたっての注意点を紹介したいと思います。
しかし、「花冷え」という言葉どおり、まだまだ寒さが残っている時期なので、屋外に長時間いると「冷え」が心配です。
少しの間なら寒さを感じない気温でも、数時間も同じ姿勢で過ごしていると、「血」(血液)の巡りが悪くなり、手足が冷えたり、背中などカラダの表面がゾクゾクと寒気を感じるようになります。
そして、次第にカラダの芯までじわじわと冷えていき、お花見から帰ってきたら風邪をひいてしまった――というのでは、せっかくの楽しいお花見が台無しです。
こうした残念な結末にならないよう、今回は、お花見を含めた屋外での行楽にあたっての注意点を紹介したいと思います。
あなどれない「冷え」
この時期に、診察に訪れる患者さんが、下痢やむくみを訴える場合、前日から数日前に屋外で宴会をしていた、というケースが少なくありません。
気温の低さとともに、宴会で飲むのはビールといった冷たい飲み物であることが多いので、なおさらカラダを冷やしてしまいます。
「冷え」は、なかなかあなどれません。以前患者さんで、料理屋で温かい鍋料理を食べながらも、ビールや冷たいウーロン茶など冷えた飲み物を一緒にとっていたら、食後にカラダが冷えて仕方がなかった、という女性がいたほどです。
屋外での行楽にあたっては、まずはカラダの熱が逃げないように服装に気をつけ、冷たすぎる飲食は避けるなど、「飲食」の面での防寒対策も忘れずに行いましょう。
気温の低さとともに、宴会で飲むのはビールといった冷たい飲み物であることが多いので、なおさらカラダを冷やしてしまいます。
「冷え」は、なかなかあなどれません。以前患者さんで、料理屋で温かい鍋料理を食べながらも、ビールや冷たいウーロン茶など冷えた飲み物を一緒にとっていたら、食後にカラダが冷えて仕方がなかった、という女性がいたほどです。
屋外での行楽にあたっては、まずはカラダの熱が逃げないように服装に気をつけ、冷たすぎる飲食は避けるなど、「飲食」の面での防寒対策も忘れずに行いましょう。
適量のアルコールはカラダにいい
またアルコールについては、「酒は百薬の長」(適量の飲酒なら、どんな薬よりも健康にいい)とのことわざがあるように、ほろ酔い程度の酒量(日本酒なら1−2合程度)なら、アルコールが血管を拡げて血行がよくなるので、カラダが温まって体温が上がり、また、緊張感を和らげて陽気な気分にもなります。
漢方でいえば、「血」と「気」(エネルギー)の巡りがよくなった状態です。
実は古典で「酒と一緒に服用するように」と記述されている漢方薬もあるほどで、シモヤケや手足の冷えに有効な漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」については、「清酒で煎じて服用するように」と指示している古典もあります(ただし、いまは、そういった処方は基本的に行っていません)。
漢方でいえば、「血」と「気」(エネルギー)の巡りがよくなった状態です。
実は古典で「酒と一緒に服用するように」と記述されている漢方薬もあるほどで、シモヤケや手足の冷えに有効な漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」については、「清酒で煎じて服用するように」と指示している古典もあります(ただし、いまは、そういった処方は基本的に行っていません)。
アルコールは酸味と一緒に
一方、薬膳の「五味」(味を五つに分類)のなかで辛味に分類されるお酒は、飲みすぎると、五臓の中の「肝」を傷つけます。「肝」は、西洋医学でいう「肝臓」と同じように、代謝や解毒にかかわっています。体内の血液量を調節する役割を担っているほか、筋肉の働きや目、爪の状態にも関係しています。
そのため、お酒を飲む場合は、「肝」を補うといわれる酸味の食材を一緒にとるといいでしょう。酢の物といった酸味の料理をつまみにしたり、アルコールに柑橘類(グレープフルーツやレモン、梅干しなど)を入れることも有益です。
また、アルコールを多量に飲むと、アルコールの代謝産物で、毒性が強いアセトアルデヒドという物質が体内残り、頭痛、嘔気、胃炎などが生じます。アルコールとは上手に付き合いましょう。
次回は、4月21日(木)更新予定です。
そのため、お酒を飲む場合は、「肝」を補うといわれる酸味の食材を一緒にとるといいでしょう。酢の物といった酸味の料理をつまみにしたり、アルコールに柑橘類(グレープフルーツやレモン、梅干しなど)を入れることも有益です。
また、アルコールを多量に飲むと、アルコールの代謝産物で、毒性が強いアセトアルデヒドという物質が体内残り、頭痛、嘔気、胃炎などが生じます。アルコールとは上手に付き合いましょう。
次回は、4月21日(木)更新予定です。
(2011年3月17日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女35歳からの「キレイ」と「元気」の漢方医学』(三笠書房)
定価:¥630(税込)