第14回 春は花粉や黄砂などの「風邪(ふうじゃ)」に備える
何歳でも花粉症になる危険がある
漢方では、春を「風(ふう)の季節」といい、吹き荒れる「風(ふう)」自体がカラダに害を及ぼす原因になると考えます。これを「風邪(ふうじゃ)」といいます。風にのって飛んでくる花粉がカラダを刺激して起こる花粉症も、「風邪」の1つです。このほか、黄砂やホコリ、排気ガスなどもカラダを刺激する物質となります。
中高年の年代まで花粉症にならなかったからといって、「これから先も大丈夫」と思うのは早計です。50代後半の女性の患者さんが昨年初めて花粉症になったという例がありました。
花粉症は、西洋医学でいうと免疫が関係するアレルギー疾患の1つです。アレルギー疾患とは、ある特定の原因物質「アレルゲン」に対して、カラダの免疫系が過剰反応して自分のカラダを傷つけるなど、自分の不利益になるような免疫反応を起こすことを指します。
花粉症の場合で説明すると、スギやヒノキなどの花粉がアレルゲンとなり、鼻の粘膜や眼などが過剰反応して、くしゃみや鼻水、鼻づまり、眼のかゆみ、頭がボーっとするといった症状が起きます。
アレルゲンとなる花粉の蓄積がある一定以上になった段階で、カラダの免疫系が過剰反応するので、中高年でも十分に発症の可能性があるのです。
中高年の年代まで花粉症にならなかったからといって、「これから先も大丈夫」と思うのは早計です。50代後半の女性の患者さんが昨年初めて花粉症になったという例がありました。
花粉症は、西洋医学でいうと免疫が関係するアレルギー疾患の1つです。アレルギー疾患とは、ある特定の原因物質「アレルゲン」に対して、カラダの免疫系が過剰反応して自分のカラダを傷つけるなど、自分の不利益になるような免疫反応を起こすことを指します。
花粉症の場合で説明すると、スギやヒノキなどの花粉がアレルゲンとなり、鼻の粘膜や眼などが過剰反応して、くしゃみや鼻水、鼻づまり、眼のかゆみ、頭がボーっとするといった症状が起きます。
アレルゲンとなる花粉の蓄積がある一定以上になった段階で、カラダの免疫系が過剰反応するので、中高年でも十分に発症の可能性があるのです。
皮膚は刺激に弱くなっている
「風邪」の影響は、花粉や黄砂などの刺激物に直接触れることが多い皮膚に出ることが多いです。皮膚がかゆくなったり荒れたり、かぶれたり、じんましんがでたり。さらには、アトピー性皮膚炎が突然悪化することもあります。
特に中高年の場合は、第13回の「冬のかゆみ」で説明したように、皮膚が加齢による老化で「血」自体が不足している「血虚(けっきょ)」の状態にある場合が多く、「風邪」の刺激にさらに弱くなりがちです。また、この時期は紫外線が強くなってきているので、紫外線による皮膚の炎症が顔にでることも多いです。
「風邪」対策としては、外出から帰ってきたら、手を洗うとともに、すぐに顔を洗う習慣をつけるようにするといいでしょう。
特に花粉症になっている人や、その予防にあたっては、「花粉に触れないようにする」ことが一番です。
(1)外出時にはマスクやメガネをかけて、鼻や眼を花粉から守る
(2)部屋に入る際には洋服をはたいて花粉が室内に入らないようにする
(3)鼻や眼をこまめに洗う
といったことが挙げられます。
特に中高年の場合は、第13回の「冬のかゆみ」で説明したように、皮膚が加齢による老化で「血」自体が不足している「血虚(けっきょ)」の状態にある場合が多く、「風邪」の刺激にさらに弱くなりがちです。また、この時期は紫外線が強くなってきているので、紫外線による皮膚の炎症が顔にでることも多いです。
「風邪」対策としては、外出から帰ってきたら、手を洗うとともに、すぐに顔を洗う習慣をつけるようにするといいでしょう。
特に花粉症になっている人や、その予防にあたっては、「花粉に触れないようにする」ことが一番です。
(1)外出時にはマスクやメガネをかけて、鼻や眼を花粉から守る
(2)部屋に入る際には洋服をはたいて花粉が室内に入らないようにする
(3)鼻や眼をこまめに洗う
といったことが挙げられます。
花粉症対策の漢方薬も体質などで使い分け
医師にかかった場合は、点眼や点鼻薬のほか、内服薬が処方されます。西洋薬の場合、抗アレルギー薬が一般的ですが、眠気などの副作用が出やすいです。最近では、副作用が弱いとうたう薬もありますが、効果には個人差があります。
漢方薬では、鼻水の症状が強い際に処方する「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が代表的です。眠気が起きることなく、頭がすっきりとする効果も期待できます。ただ、小青竜湯に入っている麻黄(まおう)という生薬は、胃腸が弱い人の場合、食欲不振や胃の不快感が生じることもあり、また、狭心症や心筋梗塞の既往のある人や重症の高血圧、排尿障害、甲状腺機能亢進症の患者さんには注意が必要です。
ほかには、胃腸に優しい「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」や紫蘇が入った「香蘇散(こうそさん)」などを用いることもあります。
次回は、4月8日(木)更新予定です。
漢方薬では、鼻水の症状が強い際に処方する「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が代表的です。眠気が起きることなく、頭がすっきりとする効果も期待できます。ただ、小青竜湯に入っている麻黄(まおう)という生薬は、胃腸が弱い人の場合、食欲不振や胃の不快感が生じることもあり、また、狭心症や心筋梗塞の既往のある人や重症の高血圧、排尿障害、甲状腺機能亢進症の患者さんには注意が必要です。
ほかには、胃腸に優しい「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」や紫蘇が入った「香蘇散(こうそさん)」などを用いることもあります。
次回は、4月8日(木)更新予定です。
(2010年3月25日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/