第24回 病気があっても「未病」を養生
他の病気にならないために未病を治す
一般に「未病」とは、「健康ではないが、病気まではいかない」状態をいっているようです。50歳代以降になると、1つくらいは持病を持っている人が多いこともあり、「もう病気になっているから、未病は関係ない」として、さらには「未病の状態にあるのを、養生によって病気にならないようにするのだから、病気になってしまったら、養生は必要ない」と思い込んでしまう場合もありますが、それは、間違いです。
漢方では、仮に1つの臓器が病に冒されていたとしても、他の臓器については「病気にはなっていないが、バランスを崩している徴候がある」状態ならば、それは「未病」の状態にあるとも考えているからです。
中国の古典にも「病気になった人でも、他の病気にならないために未病を治す」という考え方が記されています。つまり、かりに病気があったとしても、カラダ全体を見れば、「未病」の状態があり、養生をすることで、未病部分への病気の波及を防ぎ、さらに未病部分の強化を通じて健康増進につながることも可能なのです。
漢方では、仮に1つの臓器が病に冒されていたとしても、他の臓器については「病気にはなっていないが、バランスを崩している徴候がある」状態ならば、それは「未病」の状態にあるとも考えているからです。
中国の古典にも「病気になった人でも、他の病気にならないために未病を治す」という考え方が記されています。つまり、かりに病気があったとしても、カラダ全体を見れば、「未病」の状態があり、養生をすることで、未病部分への病気の波及を防ぎ、さらに未病部分の強化を通じて健康増進につながることも可能なのです。
養生次第で長生きできる
何歳になっても、病気になっても、それでも養生を続けることが大事であることを、また別の見方をすると、「長生きの秘訣」ともいえます。
「自分の寿命は、自らの養生次第で長くすることができる」と記した、江戸時代の儒学者、貝原益軒(かいばら・えきけん)は、長生きの意義について、以下のように語っています。
「長生きをすれば楽しみが多く益が多い。日々いまだ知らなかったことを知り、月々いまだよくできなかったことができるようになる。それゆえ、学問が向上することも、知識に明るくなることも、長生きしなければ得られないのである」
貝原氏自身が、様々な養生を実践した結果、「寿命50歳」といわれていた当時、84歳まで生きたわけですから、言葉に説得力があります。
「自分の寿命は、自らの養生次第で長くすることができる」と記した、江戸時代の儒学者、貝原益軒(かいばら・えきけん)は、長生きの意義について、以下のように語っています。
「長生きをすれば楽しみが多く益が多い。日々いまだ知らなかったことを知り、月々いまだよくできなかったことができるようになる。それゆえ、学問が向上することも、知識に明るくなることも、長生きしなければ得られないのである」
貝原氏自身が、様々な養生を実践した結果、「寿命50歳」といわれていた当時、84歳まで生きたわけですから、言葉に説得力があります。
薬に頼る前に、まず「養生」
その貝原氏は、「不養生は自殺と同じ」とも記しています。
50歳代以降は、不調や病気と直面さざるをえない年代とはいえ、漢方薬や西洋薬を服用すれば、事足りるというものではなく、日常の暮らしにも気をつける、つまり養生をしなければ、根本的な解決にはなりません。
50歳代以降は、不調や病気と直面さざるをえない年代とはいえ、漢方薬や西洋薬を服用すれば、事足りるというものではなく、日常の暮らしにも気をつける、つまり養生をしなければ、根本的な解決にはなりません。
貝原氏は「凡そ薬と鍼灸を用いるは、やむ事を得ざる下策なり」として、まずは日頃の生活でできる養生につとめ、薬に頼るのは二の次であると説いています。また、江戸時代の漢方医、後藤艮山(ごとう・ごんざん)も「未病を養生するように説くが吾が門のたてなり。療治は第二段なり」と記しています。
皆さんにおかれましても、養生により長生きをし、人生の楽しみを十分に味わってほしいと思います。
次回は、9月16日(木)更新予定です。
皆さんにおかれましても、養生により長生きをし、人生の楽しみを十分に味わってほしいと思います。
次回は、9月16日(木)更新予定です。
(2010年8月26日)
- 木村容子先生のお勤め先
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東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女40歳からの「不調」を感じたら読む本−カラダとココロの漢方医学−』(静山社文庫)
定価:¥680(税込)