第27回 トイレが近いは加齢と冷えが影響
頻尿は老化の結果
「最近、トイレに行く回数が増えた」と感じていませんか?「夏と比べて摂っている水分量が少ないのに……」と意外に思うかもしれませんが、回数が増えるのには、摂取した水分量だけでなく、加齢による老化やカラダの冷えも関係しています。
漢方では、尿などの泌尿器と、五臓の1つ「腎」との関係が深いと考えています。「腎」は加齢による老化に関わっていて、男女とも更年期に入り「腎」の働きが衰えると、膀胱に尿をためておけなくなってトイレが近くなったり(頻尿)、尿意をもよおすと我慢できなくなったり、残尿感が残ったり、尿の勢いが弱くなったり……といったことを実感するようになります。
漢方では、尿などの泌尿器と、五臓の1つ「腎」との関係が深いと考えています。「腎」は加齢による老化に関わっていて、男女とも更年期に入り「腎」の働きが衰えると、膀胱に尿をためておけなくなってトイレが近くなったり(頻尿)、尿意をもよおすと我慢できなくなったり、残尿感が残ったり、尿の勢いが弱くなったり……といったことを実感するようになります。
冬の寒さも関係
さらに今の時期は、「冬」という季節要因も関係しています。
カラダは、夏だけでなく四季を通して汗を出し、体内の余分な水分を排出しています。しかし、冬場になって寒くなると、汗をかきにくくなるので、排出すべき体内の水分は尿として出さざるを得なくなります。その結果、トイレに行く回数も増えるわけです。
この「寒さによる尿」は、黄味が薄く透明に近い色で、サラサラしているという特徴があります。
トイレにいく回数が増えたり、尿の色が透明に近かったら、「カラダが冷えているシグナル」です。カラダを、外から、そして内側からも温かくしましょう。腹巻きやカイロなどで下腹部を温めるとともに、温かい飲み物や食べ物をとるといいでしょう。
カラダは、夏だけでなく四季を通して汗を出し、体内の余分な水分を排出しています。しかし、冬場になって寒くなると、汗をかきにくくなるので、排出すべき体内の水分は尿として出さざるを得なくなります。その結果、トイレに行く回数も増えるわけです。
この「寒さによる尿」は、黄味が薄く透明に近い色で、サラサラしているという特徴があります。
トイレにいく回数が増えたり、尿の色が透明に近かったら、「カラダが冷えているシグナル」です。カラダを、外から、そして内側からも温かくしましょう。腹巻きやカイロなどで下腹部を温めるとともに、温かい飲み物や食べ物をとるといいでしょう。
特に女性の場合は、カラダの冷えが膀胱炎に波及してしまうことがあるので要注意です。男性に比べて尿道が短く肛門に近いため、膀胱に滞留した尿が雑菌に感染されやすく、膀胱炎にかかりやすい傾向にあるのです。カラダを冷やさないようにするとともに、尿意を感じたら、我慢しないですぐに排泄することが予防となります。
発汗で排尿回数を減らす
また、「トイレの回数が多い」というのは、老化や寒さが原因の「水毒」(水分代謝が悪い)状態ともいえます。
あまりに頻繁にトイレに行くのもわずらわしい場合は、汗をかくことも有効です。体内の余分な水分を出す手段は、排尿だけではありません。運動をして汗をかいたり、入浴の際に半身浴をして汗を出すようにするのも効果的です。
食事で水毒を防止する方法もあります。食材では、黒豆や春菊、セロリ、高菜、白ネギ、白菜、ゴボウ、ミカン、柚子、鴨肉、カニ、シジミなどが、カラダの水はけを助ける効果があると言われています。
あまりに頻繁にトイレに行くのもわずらわしい場合は、汗をかくことも有効です。体内の余分な水分を出す手段は、排尿だけではありません。運動をして汗をかいたり、入浴の際に半身浴をして汗を出すようにするのも効果的です。
食事で水毒を防止する方法もあります。食材では、黒豆や春菊、セロリ、高菜、白ネギ、白菜、ゴボウ、ミカン、柚子、鴨肉、カニ、シジミなどが、カラダの水はけを助ける効果があると言われています。
昼間10回以上、夜2回以上の排尿は要注意
なお、成人の平均的なトイレの回数は、一般的に「昼間に7、8回」と言われています。摂取する水分量や汗をかく頻度などによっても異なりますが、日本排尿機能学会のガイドライン(2005)では,昼間頻尿を8回以上と定めています。また、夜、寝ている時にトイレのために起きる人もいますが、1回なら、まず問題はありません。
別の言い方をすると、1日 10回以上,就眠時 2回以上になると、病気が隠れていることも考えられます。
膀胱に近いところに病気があると、膀胱が刺激を受けて頻尿になりがちです。例えば、膀胱腫瘍、前立腺疾患、子宮筋腫、腎臓疾患、尿路感染症などの病気が挙げられます。尿量が極端に増えた場合(多尿)は、糖尿病や内分泌疾患、腎機能低下、精神的な疾患なども考えられます。
気になる症状については、1人で判断をせずに専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。
次回は、12月16日(木)更新予定です。
別の言い方をすると、1日 10回以上,就眠時 2回以上になると、病気が隠れていることも考えられます。
膀胱に近いところに病気があると、膀胱が刺激を受けて頻尿になりがちです。例えば、膀胱腫瘍、前立腺疾患、子宮筋腫、腎臓疾患、尿路感染症などの病気が挙げられます。尿量が極端に増えた場合(多尿)は、糖尿病や内分泌疾患、腎機能低下、精神的な疾患なども考えられます。
気になる症状については、1人で判断をせずに専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。
次回は、12月16日(木)更新予定です。
(2010年11月18日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女40歳からの「不調」を感じたら読む本−カラダとココロの漢方医学−』(静山社文庫)
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