第19回 梅雨時期は体内の「水はけ」に注意
頭痛やめまいは「水毒」
台風や梅雨を伴う今の時期には、中高年に限らず、「頭が重い」「頭痛がする」「ふらつく」「めまいがする」といった症状を訴える患者さんが増えます。
これは、気圧の変化に対する体内調整がうまくいかず、リンパ液や汗などの体液の流れが悪くなることが原因と考えられます。こうした症状を漢方では、「水(すい)」(血液以外のリンパ液や汗などの体液)の異常ととらえ「水毒」といいます。
水毒からくる症状の一般的な特徴は、日本が低気圧でおおわれたり、雨になる「前日」に、頭痛などの不調を感じることです。例えば、ある水毒の患者さんが「頭が痛い」といって来院した翌日には必ず雨が降る、といった具合です。
これは、気圧の変化に対する体内調整がうまくいかず、リンパ液や汗などの体液の流れが悪くなることが原因と考えられます。こうした症状を漢方では、「水(すい)」(血液以外のリンパ液や汗などの体液)の異常ととらえ「水毒」といいます。
水毒からくる症状の一般的な特徴は、日本が低気圧でおおわれたり、雨になる「前日」に、頭痛などの不調を感じることです。例えば、ある水毒の患者さんが「頭が痛い」といって来院した翌日には必ず雨が降る、といった具合です。
「何となく」を放っておかない
しかし、この天候と症状との関連性は、比較的若い年代までに言えること。中高年の場合は、「何となく頭が重い」「何となくふらつく」など、はっきりとした症状よりも、「何となく」といった「違和感」を覚えることのほうが多いです。
「何となく」といった程度では、水毒をなかなか意識しづらいかもしれませんが、放っておくと不快感が強くなってきますから、この時期は、以下に挙げる養生を意識的に行うようにするといいでしょう。
水毒による頭重感やめまいは、対内に余分な水分が溜まっていたり、うまく水分が体内を巡っていないことが原因です。養生のポイントとしては、「水はけの良いカラダ」にすること。そのカギとなるのは、「汗」と「尿」です。
「何となく」といった程度では、水毒をなかなか意識しづらいかもしれませんが、放っておくと不快感が強くなってきますから、この時期は、以下に挙げる養生を意識的に行うようにするといいでしょう。
水毒による頭重感やめまいは、対内に余分な水分が溜まっていたり、うまく水分が体内を巡っていないことが原因です。養生のポイントとしては、「水はけの良いカラダ」にすること。そのカギとなるのは、「汗」と「尿」です。
汗や排尿で「水はけ」を
運動や入浴で汗をかくことで、体内から不要な水分を排出し、血行も促され水の巡りもよくなります。運動といっても、翌日に疲れが残り、「何もやる気がおきない」といった程度まで行う必要はありません。ウォーキングや軽いジョギングなどで、ジワっと汗が出る程度で結構です。
ただ、高齢者は、水分調節がしづらく、特に脱水症状になりやすいため、汗をかいたら水分補給も忘れずに。ガブガブと飲まず、ノドを潤す程度にとどめます。
また、尿の排出を促し、水毒を改善する効果があると言われている食材を活用することもおすすめです。小豆、大豆、黒豆、えんどう豆、グリーンピースなどの豆類や、それらを使った豆腐、豆乳、春雨などの加工品は、体内の水はけを良くすると言われる代表的な食材です。
ただ、高齢者は、水分調節がしづらく、特に脱水症状になりやすいため、汗をかいたら水分補給も忘れずに。ガブガブと飲まず、ノドを潤す程度にとどめます。
また、尿の排出を促し、水毒を改善する効果があると言われている食材を活用することもおすすめです。小豆、大豆、黒豆、えんどう豆、グリーンピースなどの豆類や、それらを使った豆腐、豆乳、春雨などの加工品は、体内の水はけを良くすると言われる代表的な食材です。
次回は、6月24日(木)更新予定です。
(2010年6月10日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
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