第20回 年を経るごと便秘になりやすい
「便」は健康のバロメーター
日々、「快食・快眠・快便」で暮らせることが健康な状態といえます。しかし、カラダのバランスが崩れていると、なかなかその通りにはなりません。中でも「便」は、健康状態を判断するのに非常に重要なバロメーターとなります。
実際、私が勤務する研究所では、初診の患者さんに、カラダの調子や生活スタイルなどを聞くための「問診票」を書いてもらいますが、「便」の項目については、1日の回数や状態(便秘か下痢か)、性状(泥状、軟便、コロコロ便か)、残便感や腹痛の有無、腹の張りやガスのたまり具合など、とても質問が細かくなっています。
特に中高年の場合は、高齢者になればなるほど便秘になりやすくなります。便が1週間に1回程度だったり、最後にいつ排便したか覚えていないほどの方もいます。さらに困るのが、長年の便秘に慣れっこになっているケース。便秘が原因で不調になっているにも関わらず、便秘であること自体を自覚していないことさえあります。
実際、私が勤務する研究所では、初診の患者さんに、カラダの調子や生活スタイルなどを聞くための「問診票」を書いてもらいますが、「便」の項目については、1日の回数や状態(便秘か下痢か)、性状(泥状、軟便、コロコロ便か)、残便感や腹痛の有無、腹の張りやガスのたまり具合など、とても質問が細かくなっています。
特に中高年の場合は、高齢者になればなるほど便秘になりやすくなります。便が1週間に1回程度だったり、最後にいつ排便したか覚えていないほどの方もいます。さらに困るのが、長年の便秘に慣れっこになっているケース。便秘が原因で不調になっているにも関わらず、便秘であること自体を自覚していないことさえあります。
安易に下剤に頼らない
便秘になると、お腹が張って苦しくなったり、憂うつな気分になったり、と不快ですね。ただ、だからといって、すぐに便秘薬(下剤)に頼ることは禁物です。便秘を解消するための薬には「腸を直接刺激して動かすタイプ」と「お腹をあたためて血流の流れをよくして腸の働きを高めるタイプ」に大別できます。西洋薬に多くみられる前者の場合は、お腹を冷やしてしまうため、カラダが冷えやすくなっている中高年の場合は、腹痛やおう吐を誘発するなど、かえって体調を悪くしてしまう危険性があります。
ひとくちに「便秘」といっても、原因がいろいろあります。たとえば、中高年の便秘の場合は、主な原因として、1)運動不足、2)筋力の低下、3)食事量の減少――が挙げられます。便秘は若いころは圧倒的に女性に多くみられますが、男性も加齢による老化で便秘になりやすくなるのです。
漢方では、便を出すことを目的とするのではなく、腸が本来もっている機能を取り戻すことを主眼におき、結果的に自然な排便ができるように、と考えます。そのため、原因によって処方もさまざまです。
ひとくちに「便秘」といっても、原因がいろいろあります。たとえば、中高年の便秘の場合は、主な原因として、1)運動不足、2)筋力の低下、3)食事量の減少――が挙げられます。便秘は若いころは圧倒的に女性に多くみられますが、男性も加齢による老化で便秘になりやすくなるのです。
漢方では、便を出すことを目的とするのではなく、腸が本来もっている機能を取り戻すことを主眼におき、結果的に自然な排便ができるように、と考えます。そのため、原因によって処方もさまざまです。
軽い運動と食物繊維で便秘予防・解消
年齢を重ねるごとにカラダをなかなか動かしづらくなり、その結果、運動量が減り、腸の働きも低下して便秘になりやすくなります。また、運動不足と関連しますが、筋力が衰えると内臓も下垂しやすくなり、腸のぜん動運動もおこりにくくなります。
さらに、胃腸機能の低下から食事量が減少すると、それだけ便になる材料も減るので、十分な便意を起こすだけの便が作られません。そのため便秘となり老廃物は排泄されないまま腸の中に溜まってしまいます。
中高年の便秘の対応策としては、簡単な運動や体操で筋力の低下を防ぐことです。運動といっても、いきなり腹筋を何十回もするなど、急激なことはかえって危険です。軽いストレッチやウォーキングなど、無理のない範囲から始めてみましょう。カラダを適度に動かすと食欲が増し、料理を美味しく食べることもできます。
さらに、胃腸機能の低下から食事量が減少すると、それだけ便になる材料も減るので、十分な便意を起こすだけの便が作られません。そのため便秘となり老廃物は排泄されないまま腸の中に溜まってしまいます。
中高年の便秘の対応策としては、簡単な運動や体操で筋力の低下を防ぐことです。運動といっても、いきなり腹筋を何十回もするなど、急激なことはかえって危険です。軽いストレッチやウォーキングなど、無理のない範囲から始めてみましょう。カラダを適度に動かすと食欲が増し、料理を美味しく食べることもできます。
お腹まわりには胃腸の働きを整えるツボが多いので、おへそを中心に時計まわりに手の平でやさしくマッサージするのもいいでしょう。また、青竹踏みで、土踏まずからカカトにかけて刺激するのも便秘解消に役立ちます。
次回は、7月8日(木)更新予定です。
(2010年6月24日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女40歳からの「不調」を感じたら読む本−カラダとココロの漢方医学−』(静山社文庫)
定価:¥680(税込)